患者さんの訴えの裏に隠された疾患を見逃さないために大切な「臨床推論」。どのような思考過程を経て臨床診断を導き出しているのかを考えていきます。今回は第11回で紹介した発熱を訴える肺炎患者さんの事例の、フィジカルアセスメントとさらなる情報収集について解説します。
第2ステップ フィジカルアセスメント
Cさんのフィジカルアセスメント
●意識状態:JCSⅡ-10
●中肉中背、パジャマを着たままの来院
●バイタルサイン:血圧111/63mmHg、脈拍124回/分、呼吸数36回/分、SpO2 88%(酸素マスク6L)、体温38.9℃
●頭部外傷なし、眼瞼結膜貧血なし、眼球結膜黄染なし
●口腔内はきれいで、齲歯なし
●眼球は正中位で、瞳孔4mm/4mm、直接および間接対光反射は保たれている
●人形の目現象陰性
●リンパ節腫脹なし、甲状腺腫大なし
●胸部:前胸部で痰がらみ音を聴取
●心音整、雑音なし
●腹部:視診、触診、聴診、打診で、特に異常認めず
●皮膚、四肢:皮疹なし、浮腫なし、ばち指なし、チアノーゼなし
●手足に麻痺はなく、痛み刺激に対する反応は正常。腱反射、異常反射で特記すべき所見なし
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