患者さんの訴えの裏に隠された疾患を見逃さないために大切な「臨床推論」。どのような思考過程を経て臨床診断を導き出しているのかを考えていきます。今回は第11回で紹介した発熱を訴える肺炎患者さんの事例の、心電図、胸部CT造影、下肢静脈超音波の所見について解説します。

第4ステップ 追加のアセスメントと画像

 心電図をとってみると、頻脈、右軸偏移、S1Q3T3(Ⅰ誘導で深いS波、Ⅲ誘導の明瞭なQ波、Ⅲ誘導で陰性T波がみられる波形)と、肺塞栓を疑わせる所見を認めました(図1)。

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