代表的な不整脈の波形が読めるように、波形の読み方の要点をコンパクトに解説!今回は右脚ブロック(RBBB)の波形の読み方を紹介します。

右脚ブロックの読み方(図1)

 右脚ブロックでは、QRS波が延長します。不完全右脚ブロックの場合、幅は3目盛り未満(0.10~0.12秒)、完全右脚ブロックの場合、幅は3目盛り以上(0.12秒以上)となります。
 QRS幅が広いということは、心室に伝導障害があります。

図1 右脚ブロックの読み方

右脚ブロックの読み方

 次に、12誘導心電図を見ます。

図2 右脚ブロックの12誘導心電図

右脚ブロックの12誘導心電図

心臓にはこんなことが起きている!

心臓にはこんなことが起きている1

 右脚が遮断されているため、房室結節から出た刺激は左脚を進みます。 その一部が、右心側にも広がります。

心臓にはこんなことが起きている2

 刺激が到達し、左心側に正常な収縮が起こります。一方、右心側には、まだ刺激がきちんと伝わっていません。

心臓にはこんなことが起きている3

 左心側の刺激が、心筋を伝わって右心側に届き、収縮が起こります。

心臓にはこんなことが起きている4

 収縮した心筋が元に戻ります。全体的に時間がかかるので、QRS波の幅は広くなります。

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