検査・治療の帰室後の急変に注意!今回は脳アンギオ(脳血管造影)の目的や検査の流れ、帰室時の患者さんの状態と注意点を詳しく解説します。

●脳アンギオとは?
●脳アンギオの流れ
●脳アンギオ後の注意点

脳アンギオとは?

 脳アンギオとは、脳血管を調べるための画像診断法「脳血管撮影」のことです。「アンギオ」や「DSA(デジタルサブトラクションアンギオグラフィー)」などいろいろな表現がありますが、すべて“アンギオグラフィー”の略です(「アンギオ」は「血管の・脈管の」、「グラフィー」は「画法・写法・記法」)。

 検査は侵襲的であり、非侵襲的な検査であるMRAやCTAなどが行うことができない場合や、MRAやCTA画像からの詳細な情報が不十分で脳アンギオが必要であると判断された場合に行われます。
 脳卒中の発症に伴う緊急の場合は、くも膜下出血の出血源検索や、脳梗塞の血管内治療の検討、脳出血の原因検索などで行われる場合もあります。

 一般病棟での検査入院の多くは、未破裂動脈瘤の有無や大きさ・部位、無症候性の血管狭窄や閉塞、血管奇形や腫瘍周囲の血管の詳細な評価のため、また各種治療後の経過観察のための定期検査として行われます。

もともとのリスク状態

●脳卒中による脳血管障害や壊死
●抗凝固薬や抗血小板薬を服用中
●未破裂脳動脈瘤の破裂によるくも膜下出血
●血管狭搾・閉塞による脳梗塞
●血管奇形による脳出血

脳アンギオの流れ

 脳アンギオは橈骨動脈や上腕動脈、大腿動脈から穿刺します(図1)。

図1 脳アンギオでアプローチする血管

図1 脳アンギオでアプローチする血管

 橈骨や上腕動脈といった腕から穿刺する場合は、解剖学的な条件から右側からの穿刺を行います。この項では、最も代表的な大腿動脈からの穿刺による「セルジンガー法」に基づき説明します。

脳アンギオの流れ
①病棟での前処置:除毛、禁食、尿道カテーテル留置、足背動脈マーキング、場合により鎮静薬・催眠薬
②穿刺部(大腿動脈、橈骨動脈、上腕動脈)の局所麻酔
③穿刺後、シース挿入
④ガイドワイヤーによりカテーテルを血管起始部へ
⑤カテーテルよりヨード造影剤を投与し、造影を行う
⑥ヘパリンの使用や止血時間の確認をし、圧迫止血(一次止血、二次止血)を行う

前処置

 検査前日には大腿動脈からの穿刺の場合、穿刺部位の確保のため、検査前に除毛を行います。鼠径の場合も一般的には右鼠径から穿刺します。
 検査当日は、ヨード造影剤を使用するため検査前は禁食になります。禁食・禁飲食の指示は施設によりさまざまなので医師に確認しましょう。
 
 また、検査後の安静の確保や尿量の観察のため尿道留置カテーテルを挿入します。 検査中、検査後の循環障害の有無の観察のため、両足背動脈を触知しマーキングを行います。血管撮影室出棟前に前投薬として、ソセゴン®やアタラックス®Pなどの鎮痛薬・催眠作用のある薬剤を使用することもあります。

検査室

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