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乳がん切除後などの下着はどのようなものを選べばよい?【ナースが進めるアピアランスケア:最終回】
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レビー小体型認知症の患者さん[後編]研究結果からみる実施したいケア【看護研究からわかる患者さんのこころの中:第26回】
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乳がん切除後などの下着はどのようなものを選べばよい?【ナースが進めるアピアランスケア:最終回】
【第1回】ケアを行う際の心構え【第17回】爪の変形や変色、爪囲炎にはどう対応したらよい?「アピアランスケア」の関連記事はこちら Q. (乳がん切除後など)下着はどのようなものを選べ ばよい?ひとこと回答患者さんの生活背景を理解して、しめつけ感や刺激のないものを選びましょう。 乳がん手術後の下着は、創部を保護して衝撃から守ることと、左右のバランスをとることで体のゆがみによる不快を減らすこと、また、パッドで膨らみを補ってボデイメージを整えるなどの目的があります。患者さん個々の体の変化に応じた、締めつけ感や刺激のないものを選ぶのはもちろんですが、患者さんがどのような生活を送るのか、例えば旅行やスポーツが趣味の方や、よく着る服装などでも選び方は変わってきますので、患者さんの生活背景を理解して相談することが、看護師の支援としてとても重要です。 このブロック以降のコンテンツは非表示になります ①術後早期(術後1か月程度) 創部や腋窩を締めつけたり、ワイヤーが食い込んで局所の刺激になったりするような下着の着用は避けましょう。カップつきのタンクトップやノンワイヤーのブラジャーなどが手軽で着用しやすいでしょう。ただ、術前のように胸にフィットしないことがあります。 また、特に術後間もない時期は、患側の腕が動かしにくい場合がありますので、着脱に便利な前開き式でやわらかい素材の下着(図1)を選ぶのも一案です。 図1 前開きソフトブラジャーの一例 商品名:前あきソフトブラジャー(成型カップ2枚付き)BZE・693(画像提供:株式会社ワコール) ②術後の創部が落ち着き、痛みが和らいでから 術前と同様の下着を着用できますが、乳房切除術後の方は、乳がん術後患者専用の下着や補正パッドなどで膨らみを補正することができます。補正パッドにはシリコンやウレタンなどさまざまな素材のものがあり、付け心地や重量感、着衣後の体のラインの出方など、好みに応じて選びましょう。 シリコンパッド(図2)を使用する場合は、体の動きでずれたりしないように、アンダーに適度なホールド力のある下着を試着して選ぶようにするとよいでしょう。乳房温存術後の場合は、必ずしも乳がん術後専用の下着でなくても構いません。 図2 シリコンパッドの一例 商品名:アモエナパッド ドイツ製 RP・341(画像提供:株式会社ワコール) 乳房再建を予定している場合は、ボリュームの変化に対応できるようにやわらかく前開きのノンワイヤーのタイプ(術後すぐに使用していたもの)がよいでしょう。 他にも、温泉などに入る際の入浴着や、乳がん術後用の水着などさまざまな場面に対応した商品があります。 これらの乳がん術後用の下着は、大手下着メーカーでの取り扱いのほか、インターネットでもさまざまな商品を探すことができます。通信販売を利用する場合は、試着や返品ができない場合がありますので、商品の特徴をよく確認することが大切です。 参考文献1.Q26 手術後の下着やパッドは、どのように選んだら良いですか?.日本乳癌学会編:患者さんのための乳がん診療ガイドライン 2023年版 第7版.金原出版,東京,2019.https://jbcs.xsrv.jp/guideline/p2023/gindex/40-2/q26/(2024.7.5アクセス)2.野澤圭子,藤間勝子編:臨床で活かすがん患者のアピアランスケア.南山堂,東京,2017:206-208. この記事は『エキスパートナース』2020年10月号特集を再構成したものです。当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載および複製等の行為を禁じます。
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レビー小体型認知症の患者さん[後編]研究結果からみる実施したいケア【看護研究からわかる患者さんのこころの中:第26回】
【第25回】レビー小体型認知症の患者さん[前編]研究から明らかになったこと 患者さん自身に疾患による変化を尋ね、思いを知る ケアのポイント●ふだんの患者さんの状態をよく観察し、変化の状態に合わせてかかわる●幻視に対する思いや、周りの家族・医療者がどうすべきかを患者さんに直接尋ねる●患者さんへの確認は、患者さんの状態がよいときに行う 突然の会話・歩行の症状と幻視に対して、患者さん自身の思いを理解する このブロック以降のコンテンツは非表示になります レビー小体型認知症は、日本人の小阪憲司医師が発見し、2014年に世界で初の治療薬(アリセプト®)が日本で認可された疾患です。進行性の認知機能障害を必須症状とし、認知機能変動、幻視、パーキンソニズム、REM(レム)睡眠行動障害など、他の認知症にはあまり見られない症状が出現する特徴があります。 つまり、認知症=もの忘れという先入観ではレビー小体型患者さんの苦痛や困りごとを見逃す可能性があります。 【第25回】レビー小体型認知症の患者さん[前編]研究から明らかになったこと・表1の内容は、レビー小体型認知症患者さんが抱えておられる困難や思いのごく一部ではありますが、まずはこれらの困難や思いに対してのケアを考えます。 レビー小体型認知症患者さんへのケア ①今の意識・身体状態をつねに把握しながら必要な援助を行い、事故を防ぐ<具体的な支援>● 患者さんのふだんを知る・コミュニケーション能力・日常生活動作能力・手段的日常生活動作能力・出現している症状●ふだんとの違いを把握する●状態の変化に合わせて、援助方法を変える●突然起こる転倒を予測してかかわる・血圧測定・意識レベル・移動前後(離床、排泄、入浴など)に状態を確認●状態の変化についての自覚や思いを把握し、できることを引き出す ②幻視の影響を把握し、幻視が見えたとしても落ち着いて過ごせるよう、薬の効果のアセスメントや環境調整を行う<具体的な支援>●幻視による影響をアセスメントする●幻視が消える工夫をする・一緒に触ってみる・ケアする人が触ってみる・部屋を明るくする、幻視を引き起こしているものがあれば、それを除去するなどの環境整備●薬物治療・専門医の診察を受け、正しい処方を受ける・薬の副作用の出現状況を把握する●精神状態が落ち着いている・認知機能がよい状態のときに、幻視について聴いてみる・どのように見えているのか・そのときどのような気持ちになっているのか・周りの者はどのように支援すればよいか ③病気に向き合う患者さんのこころを理解する<具体的な支援>●病気をどのように考えているのか、どんな思いをもっているのか、今後、どのように過ごしていきたいか希望や思いを聴く・患者さんの同意を得てから慎重に話をすすめる・ケア側が使用する言葉の選択も慎重に行う・患者さんが病気について、医師からどのような言葉を使ってどのような説明を受けているのか理解してから聴く(レビー小体型認知症? レビー小体病? パーキンソン病? その他?) 1)“突然に起こる”会話と歩行の変化に合わせてかかわり方を変える(上記①) 認知症は徐々にできなくなることが増える進行性のものですが、レビー小体型認知症の場合は、“突然できなくなる”場合があります。患者さんは「話をしていて、ぱっと止まるときがあるんや。なんでやろうな」と会話中に言葉が出てこなくなる体験をしていました。 レビー小体型認知症には認知機能変動という症状があり、よいとき・悪いときと区別ができるぐらい認知機能の状態が変わります。そのため、よいときにはスラスラと会話もできますが、悪いときは相手の言葉を理解するのに時間がかかったり、言葉が出てこず話せなくなったり、ときには、ぼーっとして呼びかけへの反応も鈍くなるなど、覚醒状態が維持できなくなります。 また、このような状態に加え、パーキンソニズムや起立性低血圧、失神の症状もあり、突然に転倒する ことが起こります。 よって、今の意識と身体の状態をつねに理解し、変化する患者さんの状態に合わせてかかわりを変えていく必要があります。 そのときには、突然会話ができなくなる・突然転倒してしまうことを患者さん自身がどのように捉えているのかを理解することも重要です。 2)幻視が患者さんに与えている影響を知る(上記②) ありありと見える幻視は、ケア側もとても驚く症状です。 “ちびちゃん”という幻視が見えるAさんが「今もそこにおる。歩行器にぶら下がっているカバンのなかに入ってる」と穏やかに話されたとき、とまどいましたが、穏やかであったため、見守ることができました。 しかし、「ちびちゃん、お腹が痛いって。可愛(かわい)そうで先生に診てもらわれへんやろうか」と自分ではどうにもできないので、ちびちゃんを助けてほしいと取り乱すAさんには、ただ、医師にそのことを伝え、一緒にちびちゃんのことを心配し、Aさんが落ち着くのを待つしかありませんでした。 幻視によって混乱されている患者さんへのケアは大変難しいですが、大事なことは“患者さんに聞く”ことだと考えています。つまり、患者さんが幻視によってどのような影響を受けているのかをケア側が知ることからケアが始まります。 幻視は患者さんにさまざまな影響を与えます。また患者さんの状態も変わりますので、幻視に翻弄されるときもあれば、「これ(幻視)は、レビーだな!」とご自身で対応されるときもあります。 しかし、幻視は患者さんにとって大きな恐怖になることが多いため、幻視が患者さんに与える影響を理解し、否定や説得ではなく、患者さんの心が落ちつくようなかかわりを見つけ出す必要があります。 3)レビー小体型認知症患者さんが自分の変化に適応していくプロセスに付き合い、支援する(上記③) 患者さんは、「身体やったら、どこの病院でも行ってね、治ってきたなあ、なんてわかりますけど、頭の中だけはね」「これ以上頭の中が狂わんようにと思って」など、自分自身のことについて語ってくださいました。 また、治療によって幻視・妄想がコントロールできた患者さんは「治りかけてからと違いますか。幻覚を見てたということが自分で納得できるようになってから、幻覚いうもんがわかったんですからね。それまでは、自分でもう、真実やと思い込んでましたから」と冷静に振り返ることもできていました。 自分の状況をどれほど冷静に受け止めることができるかは患者さんによって違いますが、どの患者さんも病気による変化を自覚し、さまざまな思いを抱えておられます。ここでもまずは、ご本人に聞いてみることです。 幻視が見えることについて聞いてみたとき、「(自分を)忍者かと思う。忍者になるとこういう術をもっとんねんな。それで喜んだりしているとこもある」とユーモアを交えて語ってくださったことがありました。 レビー小体型認知症の場合、認知機能変動がありますので、“よい状態のときに聞く”ということもポイントかもしれません。自分の病気にいちばん向き合っている患者さんの力を信じ、患者さんの努力を尊(たっと)び、そのことを支援する立場でかかわることが必要と考えます。 * レビー小体型認知症の場合、ケアと同時に正しい治療がなされることも重要です。薬物治療によって、認知機能の改善や幻視の消失など、症状が一時的であっても改善し、そのことが患者さんのQOLの向上に直結することがあります。 治療とケアの両面から支えていくことが重要だと考えます。 ボディイメージの変容をきたした頭頸部がん患者さん[前編]研究から明らかになったこと【看護研究からわかる患者さんのこころの中:第27回】(1月21日配信予定) この記事は『エキスパートナース』2017年4月号連載を再構成したものです。当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載および複製等の行為を禁じます。
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腹痛の患者での画像を見るポイント④S状結腸軸捻転の鑑別【第50回】
ワケがあって医師がオーダーしている画像検査。でも、医師は何を想定してどこを見ているの?白黒でなんだかよくわからないけれど、看護にはどう役立つの? 臨床場面でナースがとりたい画像からの情報をわかりやすく示します。 【第1回】医師が画像をチェックする理由は?【第47回】腹痛の患者での画像を見るポイント①前提となる知識「画像」の関連記事はこちら 【第50回】腹痛の患者での画像を見るポイント④S状結腸軸捻転の鑑別 S状結腸軸捻転を疑って、結腸の異常を見ている 図1 ①S状結腸軸捻転のX線写真におけるコーヒービーン・サイン(左)、②S状結腸軸捻転で拡張した結腸のハウストラとビーク・サイン(右) このブロック以降のコンテンツは非表示になります コーヒービーン・サインがあれば状結腸軸捻転 S状結腸軸捻転はCTよりも腹部単純X線のほうがわかりやすいかもしれません。X線ではコーヒービーン・サイン(コーヒー豆の形に見える)という有名な画像所見(図1-①)があり、見た瞬間に診断できることがあります1。 S状結腸過長や便秘症、高齢、長期臥床、精神疾患、妊娠が危険因子となり、腹部の著明な膨満を認めます。腸管壊死や虚血、穿孔があれば手術になるため、造影CTでそれらを確認する必要があります(図1-②)。 もしそれらの所見がなければ大腸内視鏡で捻転を整復します。 まずは結腸(大腸)を結腸と認識することが大切です。小腸ではないと言い切るためには、結腸であると言えなければなりません。 結腸は小腸と違って、間隔の大きなシマシマの間にハウストラと呼ばれる膨らみがあり、その連続で形成されています。このハウストラをまず探します。ハウストラがあれば、そこは結腸です。 ここをチェック●S状結腸軸捻転でも腸管壊死や腸管破裂が起こりうる。腹痛が間欠的だったのが持続痛に変わった、痛みが強くなったなどの変化は、そのサインの可能性があるため、至急医師に報告する●S状結腸軸捻転の患者さんは、寝たきりの高齢者や精神疾患患者が多いため、訴えがあまりないことがある。そのためふだんとの違いや変化を、身近な人(家族やふだんケアを行っている人)に確認することが大切 引用文献1.Chakraborty A,Ayoob A,DiSantis D:Coffee bean sign.Abdom Imaging 2015;40(7):2904-5. 【第51回】腹痛の患者での画像を見るポイント⑤急性虫垂炎の鑑別(1月18日配信予定) この記事は『エキスパートナース』2019年5月号特集を再構成したものです。当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載および複製等の行為を禁じます。
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