ドラマはほぼ観ない編集者が、朝ドラに挑戦中。
毎日の感想はXでメモ感覚で発信しながら、週に1回まとめて振り返ります。
これまでの視聴日記はこちらから
関連記事はこちら!
『風、薫る』のモチーフ、大関和と鈴木雅―看護の道を切り開いた2人の歩み
看護は「観察」に始まり、「観察」に終わる
今週の深堀りポイントとしては、りん(演・見上愛さん)や直美(演・上坂樹里さん)たちが悩んでいた「observe=観察する」について取り上げたいと思います。
「観察」という行為は、看護においてとても重要なものであり、そもそも看護は「観察」に始まり、「観察」に終わるともいわれています。
看護教育で最も重要なのは「観察」を教えること
りんたちも格闘していたナイチンゲールの『看護覚え書』では、看護教育において「観察」を教えることの重要性について次のように記されています。
看護師に課す授業のなかで、最も重要でまた実際の役に立つものは、何を観察するか、どのように観察するか、どのような症状が病状の改善を示し、どのような症状が悪化を示すか、どれが重要でどれが重要でないのか、どれが看護上の不注意の証拠であるか、それはどんな種類の不注意による症状であるか、を教えることである1。
このように、observation(観察)という言葉には、さまざまなことを含んでいることがわかると思います。
看護の進め方「看護過程」における「観察」
現代の看護教育の教授内容のなかに、「看護過程」というものがあります。これは、ざっくりといえば、「看護の進め方」ともいえるもので、そのステップはいろいろな枠組みがあるのですが、代表的なものは以下になります。
看護過程の5ステップ
①アセスメント
➁看護診断(問題の明確化)
③計画立案
④計画の実施
➄評価

「観察」は、このうち「アセスメント」に含まれます。アセスメントとは「評価する」ということであり、何を評価するのかというと、患者さんのことです。「いま、患者さんはどんな状態なのか、何が困りごとなのか」などを評価するためには、もととなる情報が必要です。そのため、看護師は「観察」して「情報」を集めてくるのです。ここで情報が全然集められなかったり、患者さんの本当の困りごとにたどりつけない情報ばりかを集めてしまうと、適切な看護が実施できません。そのため、「観察」が重要だというわけです。
観察から得られた情報を基に評価し、何が患者さんにとっての困りごとなのかをはっきりさせ(➁看護診断)、それに対して看護師ができることを計画します(③計画立案)。計画した看護を実施し(④計画の実施)、実施したことが患者さんにどう影響を与えているのかを評価(➄評価)します。
すでにお気づきだと思いますが、評価には情報が必要であり、そのためには患者さんをよく観察することが重要です。そのため、看護の営みは常に「観察」をベースに成り立っているともいえるのです。
それほど看護師にとって重要な観察する力ですが、ナイチンゲールはなんと、観察力が身につかない人は看護師になるのをやめたほうがよいとまで言っています。
観察の習慣を身につけられないのであれば、看護師になることを諦めたほうがよいであろう。なぜなら、たとえあなたがどんなに親切で熱心であるにしても、看護はあなたの天職ではないからである1。
「観察」や「看護」というものが、決して親切な人だからできるというわけではない、ということを明言しています。それこそ、専門性が必要なのです。
りんと直美たちは、このあとどのように看護師という専門的な目(観察の力)をみがいていくのか、楽しみです!
それでは第5週の感想まとめです!
第5週「集いし者たち」感想まとめ
第5週のあらすじ
スコットランドから看護教師が到着するまでの間、最初の課題が課される。英語が得意な直美(上坂樹里)と多江(生田絵梨花)を中心に翻訳作業が進められていくが……。
(番組公式ホームページを参考に作成)
本筋と関係ないけど、今週のサブタイトル(?)「集いし者たち」って、少年漫画みたいでめっちゃかっこいいですね。
5-1 7人の女たち
看護婦養成学校に入学したものの、看護の先生も出てこないし、英語の先生はすぐどっか行くし、学校の運営自体に疑問が……。そんななか第1期生の7人の自己紹介回でした(名前がなかなか覚えられない)。当然ながら全員女性で、全員いろいろ特徴あり。自分のためじゃなく患者のために看護をめざす人、ナース服にあこがれてきた人などなど、現代にも通じそうなさまざまな志望理由でしたが、これらがこのあとどう変化していくのか楽しみです。

5-2 翻訳バトル①
看護の先生はスコットランドから来ている途中らしく、自分が到着する前にナイチンゲールの『看護覚え書』を訳して読んでおいてと宿題が。事前課題というやつですかね。もちろん日本語訳はされていないため、クラスの中で英語が読める2人(直美と多江)を軸に翻訳することになるのですが、いきなりバトルが勃発。みんな着火速度が速い。ナイチンゲールについてはここで初登場。看護における超重要人物なので、今後もいろいろと登場してくるはずですよね。

5-3 翻訳バトル➁
引き続き翻訳バトルがおさまりません。また、りんと直美も衝突してしまいます。直美の生い立ちを考えれば気持ちもわからないでもないのですが、いかんせんファイティングポーズをとったまま生きているので、少し楽になれるといいですよね…。りんについては、いきなり看護師長さん並みの貫禄で直美に「看護ができる人が1人でも増えたほうがよい」などと諭しており、いつのまにそんなに看護のことを勉強したんだ…と感じました。

5-4 シマケン登場、課題を解決!
このドラマ、伏線回収がとにかく早いので、前日気になったことは翌日には解決しがちです。というわけで、みんな悩んでいたobserveの適切な訳について、今週初登場のシマケンさんが解決してくれました。すごいね!この回、前半はまるで「看護とは何か」の講義を受けているような話がされつつ、後半はシマケンの恋心が描かれ、かなり密度の濃い回でした!自分の気持ちを否定するために髪の毛をクシャクシャっとするシーン、書生ルックでシマケンのあのラフに髪型でやられると、破壊力がすごいですね!

5-5 仲良くなってよかったね!
青森出身のとめさんがみんなにリンゴをくれて、一緒に食べることで仲良しな雰囲気に。そこで直美とりんが「observe」の訳について、調べてきたことをシェア。それぞれに看護における大切なことを感じているようで、とてもあたたかいシーンでした。そしていよいよ看護の先生が登場するものの、いきなり不穏な感じで、私たちどうなっちゃうの!?という回でした。

毎朝ツイートするようになって1か月、ときどき他の人の感想も見るようになったのですが、感想って本当に人それぞれですね!(あたりまえすぎる)みなさんの感想もぜひお聞きしたいです。それでは、また来週!
- 1.フロレンス・ナイチンゲール著,湯槇ます,薄井坦子,小玉香津子,他翻訳:看護覚え書 第8版.現代社,東京,2023.
2.阿部幸恵:ナースのための看護過程.エキスパートナース 2021年8月臨時増刊号;37(10).

