日本糖尿病学会と日本老年医学会による合同委員会は3月31日、「高齢者における週1回持効型溶解インスリン製剤使用についてのRecommendation」の改訂版を公開しました1。
低血糖の重篤化・遷延化をふまえた対応を追記
本Recommendationは、週1回持効型インスリン製剤(商品名:アウィクリ®注、一般名:インスリンイコデク)の使用上の留意点をまとめたものです。
本剤は、少ない注射回数で持続的なインスリン作用をもたらすことで、特に自己注射が困難な高齢者において、家族や医療従事者による週1回の投与で血糖管理ができるようになることが期待されています1。一方、投与回数の少なさにより投与調節の柔軟性に制限があり、低血糖が重篤化・遷延化するリスクも指摘されています1。
今回は、2025年1月30日~7月29日の市販後調査によって報告された重篤な低血糖の事例をふまえた留意点・対応が追記されました(表)2,3。
表 週1回持効型インスリン製剤使用上の留意事項
1.適切な治療目標を設定する
2.適切なタイミングで血糖モニタリングを実施する
3.訪問看護や介護環境では慎重に計画する
4.感染症、術前の血糖管理を適宜実施する
5.低血糖予防の注意事項と対応について患者指導などを実施する
6.重篤な低血糖への対応を考慮する
・ 本剤による重症低血糖は遷延しうるため、投与量や患者背景に応じて、ブドウ糖持続静注、入院や専門医へのコンサルテーションを考慮する
・ 切り替え/用量調節の際、シックデイや血糖変動が大きいと思われる場合は、頻回の血糖測定や持続血糖モニタリングも考慮される(文献2、3を参考に作成)
- 1.高齢者糖尿病の治療向上のための日本糖尿病学会と日本老年医学会の合同委員会:高齢者における週1回持効型溶解インスリン製剤使用についてのRecommendation.
https://www.jds.or.jp/uploads/files/recommendation/icodec.pdf(2026.4.20アクセス)
2.日本老年医学会,日本糖尿病学会編著,高齢者糖尿病の治療向上のための日本糖尿病学会と日本老年医学会の合同委員会:高齢者糖尿病診療ガイドライン2023.南江堂,東京,2023.
3.綿田裕孝監修:アウィクリ®注 投与ガイド.ノボ ノルディスク ファーマ,東京,2026.
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