臓器不全、認知症/フレイルの予後はどのように進行するのでしょうか。それぞれの患者がたどる軌跡について解説します。

Q. がん以外の疾患の予後はどうなっている?

ひとこと回答
「臓器不全」は徐々に身体機能が低下し、「認知症/フレイル」では長期の寝たきりがつづきます。

がん、臓器不全、認知症/虚弱高齢者(フレイル)の病の軌跡

 罹患する疾患ごとに予後は異なるため、どのような経過を経て死に至るのか把握しておくことは重要です。Lynn(リン)による、「がん」「臓器不全」「認知症/虚弱高齢者(フレイル)」の3パターンの病の軌跡が有名です(図11

図1 病の軌跡の 3 パターン

図1 病の軌跡の 3 パターン
(文献1より引用、一部改変)

 図1のまんなかの「臓器不全」タイプ(慢性呼吸器疾患、心不全など)は、増悪・寛解をくり返しながら、徐々に身体機能が低下する経過をたどります。最後の数年間には、末期に近づくにつれ急性期病院への入院回数が増え、ときには集中治療室での侵襲的治療を受けることも少なくないでしょう。

 患者本人および家族の治療に関する意向に沿いつつも、どこまで侵襲的治療をするのが本人・家族にとって望ましいのか難しい判断に迫られます。

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