これだけは気をつけたい看護ケアのポイントを取り上げます。今回は車椅子や歩行器の危険な使い方を紹介。転倒しないための事故防止策や正しい使い方、患者さんへの指導のポイントを解説します。
車椅子・歩行器、こんな4つの使い方は危ない!

こちらの①~④の例を行ってしまった場合、次のことが予測されます。
①車椅子ごと前方に倒れる
②車椅子が前方に倒れやすくなる
③後方に転倒しやすくなる
④前方に転倒しやすくなる。また、歩行器だけが先に動いてしまい危険
バランスの変化で転倒が起こりやすくなる
①患者さんが車椅子のフットレストに足を乗せたままで立ち上がると、患者さんの体重により、フットレストの部分を支点にした状態で車椅子の車体が前方に倒れてしまいます。
②車椅子の前輪がうしろ向きの状態で患者さんが前かがみになると、車椅子全体の支持基底面が狭くなり、さらに患者さんの重心が前方に移動するため、前方に倒れやすくなります。
③体力のない患者さんが歩行器を使用して起立すると、歩行器を後方に引っ張りながら立とうとします。そのため後方にバランスを崩しやすくなります。
④患者さんが歩行器の前方に体重をかけて使用すると、床の段差に車輪が引っかかったときに前方に転倒しやすくなります(図1)。また、歩行器の速度がコントロールしにくいため、患者さんの歩行速度より歩行器が早く動いてしまいます。
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