心拍数や呼吸数、血圧、意識をみたり、四肢に触れたり、眼を見たり、痛みや状態を尋ねたり……。急変を疑ったとき、ナースにできるたくさんのアセスメントのなかから“本当にいま必要な3項目”を選べるようになりましょう。
【顔色が少し悪く見えるときの3ステップ】
Step1 まず、最も危険なショックを念頭に原因検索
顔色が悪くなる原因のうち、「ショック」が最も急変につながりやすい
毎日長い時間患者とかかわり、「あれ?なんとなくいつもと違うな?」「いつもより少し元気がないな?」と真っ先に気づけるのが看護師だと思います。「いつもと比べてなんとなくおかしい」と気づくのはとても大切なことです。なかでも看護師にとって、顔色の変化は気づきやすい徴候かと思います。
顔色が悪くなる原因としては、ショック、貧血、低酸素血症、低血糖、肝硬変、劇症肝炎、膵臓がん、胆管がんなどさまざまな状態が想定されます。逆に一酸化炭素中毒では、顔面が紅潮することも知られています。
このなかから重症化しやすい徴候を確認していきますが、なかでも最も急変につながりやすく、見逃してはならないのはショックです。末梢や顔面の皮膚色の変化は、ショック状態の初期に気づきやすい徴候です。
ショックの症状としてショックの5Pが知られています。顔色が悪い、青白くなっている場合にはショックの徴候と言えます。この徴候を見逃さないように注意しましょう。
ショックはさまざまな原因で起こります1。その原因によってその後の対応も変わってきます。ショックの分類は以下のとおりです。
①血液分布異常性ショック
主原因:敗血症性、アナフィラキシー、神経原性
②循環血液量減少性ショック
主原因:出血性、脱水、体液喪失
➂心原性ショック
主原因:心筋性(心筋梗塞、拡張型心筋症)、機械性(僧帽弁不全症、心室瘤、心室中隔欠損症、大動脈弁狭窄症)、不整脈
④心外閉塞・拘束性ショック
主原因:心タンポナーデ、重症肺塞栓症、収縮性心膜炎、緊張性気胸