せん妄のメカニズムを知れば、効果的な対応・ケアが見えてきます!今回はせん妄の背景因子のうち、脳血流、血糖、酸素、代謝物異常について解説します。
せん妄の背景因子:脳血流、血糖、酸素、代謝物異常
脳は全身の心拍出量の15%を占めるなど血流への依存度が高いため、血流低下があると早期からせん妄を含む意識障害が現れやすいです。
また、低酸素血症、循環不全、低血糖など身体機能維持に必要なものが不足すると、交感神経症状を伴った意識障害、つまり過活動型せん妄の原因になりえます。
一方、尿毒症、高アンモニア血症、高二酸化炭素血症など有害な代謝物が増加すると、傾眠、朦朧といった低活動型せん妄を引き起こしやすいとの意見もあります。
- 1.松島英介:せん妄の精神生理学的基盤.特集 がん患者のこころをどうとらえるか:Psycho-Oncologyの科学的基盤.総合病院精神医学 2015;27(1):18-26.
2.佐々木陽典:意識.佐仲雅樹企画:特集 ここからはじめるバイタルサイン-薬剤師の実践をとらえ直す!.薬事 2016;58(5):853-857.
※この記事は『エキスパートナース』2019年10月号特集を再構成したものです。当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載および複製等の行為を禁じます。