患者さんの訴えの裏に隠された疾患を見逃さないために大切な「臨床推論」。どのような思考過程を経て臨床診断を導き出しているのかを考えていきます。今回は第2回で紹介した「食後の嘔気・嘔吐」「両下肢の脱力・しびれ」で緊急搬送された男性の事例の、胸部単純X線画像と胸腹部造影CT画像を紹介。追加のアセスメントについて解説します。
第4ステップ 追加のアセスメントと画像
図1に胸部単純X線写真を示します。これに加えて、これまでの情報から急性大動脈解離が疑われ、胸腹部造影CTを撮影しました。
図1 胸部単純X線(臥位)
●この画像だけでは、診断に有用な情報は得られない。
●臥位で撮影されており、縦隔の拡大の有無を判断するのは難しい。
●ショックなどで座位になれない理由がなければ、できるだけ座位で撮影するほうが望ましい。
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