ワケがあって医師がオーダーしている画像検査。でも、医師は何を想定してどこを見ているの?白黒でなんだかよくわからないけれど、看護にはどう役立つの?
臨床場面でナースがとりたい画像からの情報をわかりやすく示します。
【第15回】術直後での画像の見るポイント①前提となる知識
周術期に画像検査が果たす役割は多岐にわたります。術前計画、術中イメージ、術後のフォローなど、手術を行う科にとって、切っても切り離せない検査です。
なかでも術後の画像は、医師だけでなく看護師にもチェックしてもらえれば合併症リスクが減ります。ここでは、手術終了時に撮影する画像について解説します。
手術終了時に手術室で行う主な検査画像とその目的
手術終了時に行う画像検査と、その目的を以下に示します(いずれもポータブルの検査機器を用いる)。
胸部X線検査
- CV、胃管、気管挿管のチューブの位置確認
- 気胸や心拡大がないかの確認
腹部X線検査
- ガーゼや異物がないことの確認
- ドレーン・経腸栄養チューブの位置確認
頭部X線検査
- 脳綿(サージカルコットン)や異物がないことの確認
- ドレーンの位置確認
患肢X線検査
- 骨折の整復位、インプラントの位置確認
深すぎる挿管を疑って見ている
気管チューブ先端の位置 胸部X線
気胸を疑って見ている
胸部への空気の貯留 胸部X線
異物残留を疑って見ている
術部付近 X線全般
- 1.Mavros MN,Velmahos GC,Falagas ME:Atelectasis as a cause of postoperative fever: where is the clinical evidence ?.Chest 2011;140(2):418-424.
2.Glickman SW,Shofer FS,Wu MC,et al.:Development and validation of a prioritization rule for obt aining an immediate 12-lead electrocardiogram in the emergency department to identify ST-elevation myocardial infarction.Am Heart J 2012;163(3):372-382.
画像からの情報ここを見る!【第16回】術直後での画像の見るポイント②留置された医療デバイスの確認
この記事は『エキスパートナース』2019年4月号特集を再構成したものです。
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