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出産後のキャリアについて社会福祉士という選択肢資格取得で開けた新たな働き方とは
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ロッカーまで納品されるユニフォームリースシステムにより、看護業務に専念できる環境に
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【抽選プレゼントつき】「ジェラート ピケ×クラシコ」コラボのスクラブが販売中 高い機能性とやさしい色味・着心地・デザインが特徴
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神経難病の終末期③ケアで行いたいこと【非がん患者への緩和ケア:第28回】
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ES【医療ことば図鑑:38】
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多職種を交えた食事介助は具体的にどうしたらよい?【多職種連携でわからないことは、他職種に聞こう:第10回】
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排唾管・吸引つき歯ブラシの選び方【さらによくなる!口腔ケア:第15回】
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気管吸引はどうして必要なの?【人工呼吸ケアのよくあるギモン:第1回】
「人工呼吸器を装着した患者さんが、急に病棟に来たらどうしよう……!?」 そんな“不安”を抱いているナースは多いのではないでしょうか。人工呼吸器装着患者の毎日のケアで、すぐに直面することの1つに「気道ケア」があります。人工呼吸器そのものを厳密に知らなくても、「いま、できる!」「これなら、できる!」日常ケアの実際を、“ズバリ”答えます。 Q. 気管吸引はどうして必要なの?Answer気管吸引は、分泌物による気道の狭窄・閉塞が考えられるとき、気道を開存させるために必要になります。目的は、正常なガス交換環境を提供することです。 気管吸引は、分泌物の貯留による合併症を予防することではなく、気道を開存させることによって、正常なガス交換環境を提供することが目的です。 不要な気管吸引を繰り返すと、さまざまな合併症(下記参照)を発症することになってしまうため、避けることが必要です。 気管吸引の合併症●低酸素血症●高炭酸ガス血症●肺胞虚脱、無気肺●気道粘膜損傷●感染●気管支攣縮●不整脈、徐脈、頻脈●異常血圧(高血圧・低血圧)●頭蓋内圧上昇●冠血管攣縮●エネルギー消費 など どんなときに気管吸引を行うの? 人工気道を有する患者で、以下のようなときに気管吸引を行います。①分泌物が気道の開存を妨げているとき②分泌物が「気管分岐部付近にあるとき」 気道は上気道(鼻腔・咽頭・喉頭)と下気道(気管・気管支・肺胞)で構成され、気管支は23回程度分岐を繰り返しますが、分泌物は肺胞に到達するまでのすべての粘膜で作られます。しかし、気管吸引で吸引カテーテルが届くところは気管分岐部までであることに注意する必要があります(図1)。 図1 気管の構造 気管分岐部より先にある痰は吸引カテーテルが届かないため、吸引できない 合併症の怖さを知ったうえでケアを 気管吸引を行うときには、前述のような合併症を考慮しなければなりません。 不整脈や血圧の上昇などは、気管吸引刺激にて交換神経に働き、アドレナリンやノルアドレナリンが分泌され、血圧・心拍数を上昇させることによって起こります。血圧の上昇の本態は末梢血管の収縮であり、結果的に臓器血流の低下につながります。 逆に、気管吸引刺激が副交感神経に働いた場合は、迷走神経反射を起こし、血圧低下や徐脈、めまいなどが生じます。この本態は、末梢血管の虚脱であり、これも臓器血流の低下につながります。 気管吸引は、 必要なケアではありますが、 合併症の多い怖いケアであることも知っておく必要があるでしょう(図2)。 図2 気管吸引で起こる合併症のメカニズム 【第2回】気管吸引のタイミングはどうやって判断するの?(12月5日配信予定) この記事は『エキスパートナース』2013年12月号の記事を再構成したものです。当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載および複製等の行為を禁じます。
特集記事高齢、浮腫や肥満がある患者では「皮膚の伸展」などを行ってから穿刺に移行する【末梢留置カテーテルのなぜこうする?:第1回】
日常的に行う末梢留置カテーテルの穿刺や管理について、それらを「なぜ行うのか」を解説。確実な実施のため、根拠とコツをもう1 度おさえましょう! 高齢、浮腫や肥満がある患者では「皮膚の伸展」などを行ってから穿刺に移行する なぜこうする?血管が硬くなっていたり、体表面から遠くなっていたりするため 末梢静脈ルートの確保は患者さんが「高齢」「浮腫・肥満」「ショック状態」などであるとき、困難となります。その理由として、下記が挙げられます。本項では、それぞれへの対応を根拠に基づき紹介します。 <加齢> ●動脈硬化が進行し、血管壁が硬くなっているため●加齢により、血管が蛇行しているため ●皮下脂肪が少なく、皮下組織に隙間があり、血管が逃げやすいため <浮腫や肥満> ●皮下に水分や脂肪組織が存在し、皮膚から血管までの距離があり静脈が埋没しており、駆血しても静脈が見えにくいため <ショック状態> ●生体侵襲により交感神経が緊張し、末梢血管が収縮するため 次のページルート確保のコツ①高齢患者の場合には、皮膚を固定しながら針を進める
特集記事救急ケア⑤迅速検査キット(急性心筋梗塞マーカー)【モノで変わった!看護ケア:第5回】
モノで変わった!看護ケア【第1回】救急ケア①AED 現在、日本人における死亡原因は「悪性新生物(がん)」が最も多く、次いで「心疾患」となっています。 その心疾患のなかでも、急性冠症候群(ACS)は最も重要な疾患です。特に急性心筋梗塞(acute myocardinal infarction、AMI)の場合には、できるだけ早期に血栓溶解療法、経皮的冠動脈形成術(PTCA)などの再灌流の処置を実施することが推奨されています。 急性冠症候群を早期に処置するため、迅速検査キットの開発が進む このブロック以降のコンテンツは非表示になります 急性冠症候群(acute coronary syndrome、ACS)①安静時不安定狭心症(unstable angina at rest、UA)②非ST上昇型心筋梗塞(non-ST elevation myocardial infarction、NSTEMI)③ST上昇型心筋梗塞(ST elevation myocardial infarction、STEMI)※②③を合わせて「急性心筋梗塞(AMI)。できるだけ早期の診断・治療が必要 早期の処置を行うためには、適切かつ迅速な診断が重要です1。かつてACSの診断は、「自覚症状」「他覚症状」「心電図」「心エコー」などを組み合わせて行ってきましたが、非典型例などでは診断に苦慮する症例も多い状況がありました。そのようななか、AMIの診断マーカー*1の有用性が報告され、ACSの診断、そして予後予測に有用な心筋マーカーがつぎつぎと発見されました。 その後の研究の進歩は著しく、新たなマーカーの発見、迅速測定キットの開発が行われ、採血1つでわかるマーカーが、ACSの診療を大きく変えました(表1)2。 『急性冠症候群ガイドライン(2018年改訂版)』の「バイオマーカー」の項目において、「ACS が疑われる胸部症状を示す患者の早期リスクの層別化に、心筋トロポニンを測定する」3は、「推奨クラスⅠ」*2とされています。 表1 心筋マーカーの種類と心筋マーカーの選択 (文献2より引用、一部改変) 心筋トロポニン、H-FABPをそれぞれ測定できるキット AMIの迅速確定診断に用いられる心筋バイオマーカーは心筋トロポニン、H-FABPであり、心筋トロポニンTは「トロップT センシティブ」(図1)、H-FABPは「ラピチェック®H-FABP」(図2)にて迅速測定が可能です。 いずれも15分程度で検出可能。「コントロール(確認)ライン」と「シグナル(判定)ライン」の有無を目視にて判定します。 ①トロップ T センシティブ 「血中心筋トロポニンT」および「血中心筋トロポニンI」は、骨格筋のトロポニンと交差反応を示さず、心筋特異的であるという点で他のバイオマーカーよりも優れており、心筋障害の検出に非常に優れています4。 ACS症例では、心筋トロポニン濃度は2~4時間程度で上昇しはじめ、しばらく持続します。トロップT センシティブは、150μLのEDTAもしくはヘパリン添加静脈全血を滴下するだけで、約15分以内で短時間にAMIの診断ができ、より的確な治療方針が立てられます。 ただし、心筋トロポニンTの濃度がトロップTセンシティブの検出感度(0.1ng/mL)まで上昇するのに3~5時間かかるため、梗塞発症初期では陰性の結果を示すことがあります。検査結果が陰性の場合でも、心筋梗塞が疑われる場合は時間をおいて再検査をしてください。 図1 「心筋トロポニンT」を検出するための検査キット<br>トロップT センシティブ(画像提供:ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社) ②ラピチェック® H-FABP H-FABP(heart-typefattyacid-binding protein、心臓型脂肪酸結合型タンパク)は低分子量でしかも可溶性タンパクであるため、心筋損傷に際しては早期(心筋梗塞発症後数時間)に血中に逸脱します。このため、H-FABP測定は特に早期の心筋梗塞の診断に有用です。 ラピチェック® H-FABPは、150μLの全血を滴下するだけで、15分と短時間でAMIの判定が可能です。発症3時間以内の感度は64%、3~6時間以内であれば85%です4。 図2 「H-FABP」を検出するための検査キット<br>ラピチェック<sup>®</sup> H-FABP(湧永製薬株式会社/住友ベークライト株式会社) 再灌流を得るまでの時間を短縮できる 来院してからいかに迅速に早期の再灌流(血栓溶解療法、PCI)を得るかが重要になっているため、血栓溶解療法ではneedle to balloon time(検査から処置まで)を30分以内、PCIではdoor to balloon time(搬送開始から処置まで)を90分以内に行うことが必要になってきます。 そのため、迅速に患者の身体所見・心電図・血液生化学検査・静脈ルートの確保を行い、すばやい再灌流法につなげていくことが肝要です。これらの迅速検査キットの導入により、患者の検体を病院内の中央検査室に持ち出さなくても、ベッドサイドもしくは救急外来などの治療現場での診断・治療が可能になり、再灌流を得られるまでの時間を短縮することができます。 患者は症状が強く不安があるため、ケアや治療に対しての説明や症状の緩和に努めるなどの声かけが必要です。また、予測される合併症に対する準備を行うとともに、他職種と連携し迅速な対応ができるように調整していくことも大切です。 検査結果がAMIの確定を断定するわけではないことに注意 トロポニンTは血中濃度の上昇までに数時間要するため、発症数時間の心筋障害の検出力が弱いことが欠点です。発症2~4時間以内の感度は高くても30%程度で、発症6時間後では82~89%、12時間後になると89~96%程度です。さらに、心筋梗塞を伴わないACS(すなわち不安定狭心症)の診断においても非常に感度が低いとされます。 H-FABPは発症2時間以内の超急性期のAMIの診断も可能であるものの、心筋特異性が低く、「急性大動脈解離」「骨格筋障害」「腎機能障害例」などでも陽性となることが報告されています。また、血漿や血清で濃度が異なることや、年齢および腎機能の影響を受けやすく、偽陽性*3となりやすい欠点があります。 ACSの診断の基礎はあくまでも問診と心電図診断であることはいうまでもなく、検査結果がAMIの確定を断定するものではありません。発症早期には、心筋バイオマーカーはまだ上昇していないことも多く、早期再灌流の重要性から症状と心電図所見を中心に診断・治療を進めていく必要があります。 *1【診断マーカー 】=尿や血清中に含まれる生体由来の物質で、生体内の生物学的変化を定量的に把握するための指標。*2=『急性冠症候群ガイドライン(2018年改訂版)』(文献3)では、クラス分類は「クラスⅠ」「クラスⅡ」「クラスⅡa」「クラスⅡb」「クラスⅢ」「クラスⅢ No benefit」「クラスⅢ Harm」で示されており、「クラスⅠ」は最高レベルを示す(手技、治療が有効・有用であるというエビデンスがある、または見解が広く一致している)。*3【偽陽性】=ある疾患で陽性を示す検査が、その疾患にかかっていない人でも陽性を示すこと。 引用文献1.Alpert JS,Thygesen K,Antman E,et al.:Myocardial infarction redefined-a consensus document of The Joint European Society of Cardiology/American College of Cardiology Committee for the redefinition of myocardial infarction.J Am Coll Cardiol 2000;36(3):959-969.2.日本循環器学会:ST上昇型急性心筋梗塞の診療に関するガイドライン(2013年改訂版).http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2013_kimura_h.pdf(2015.5.20アクセス)3.日本循環器学会,日本冠疾患学会,日本胸部外科学会,他:急性冠症候群ガイドライン(2018年改訂版).https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2018/11/JCS2018_kimura.pdf(2024.8.21アクセス)4.永井利幸:バイオマーカーがすべてを変えた.INTENSIVIST 2013;5(1):32-39. 救急ケア④気管挿管確認用品【モノで変わった!看護ケア:第4回】集中ケア①気管チューブ固定用品【モノで変わった!看護ケア:第6回】 この記事は『エキスパートナース』2015年7月号特集を再構成したものです。当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載および複製等の行為を禁じます。
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