-
ネスレの介護食ごはんシリーズに和風フレーバー3種が登場
ニュース -
川嶋みどり 看護の羅針盤 第291回
読み物 -
在宅血液透析(HHD)の特徴や注意点、実施基準・導入手順をわかりやすく解説
特別記事 -
【新規会員登録(無料)キャンペーン】PDFを1冊まるごとプレゼント!
- 会員限定
- お知らせ
-
川嶋みどり 看護の羅針盤 第290回
読み物 -
発熱による高張性脱水のサインとは?水分出納で見るべきポイント【in-out#8】
- 会員限定
- 特集記事
-
川嶋みどり 看護の羅針盤 第289回
読み物 -
NPPV(非侵襲的陽圧換気)機器の組み立て・設定手順は?#2
- 会員限定
- 特集記事
-
【連載まとめ】血ガスの勉強、何からしたらいいの?
特集記事 -
【連載まとめ】看護現場での「口腔ケア」実践ガイド
特集記事
特集記事
発熱による高張性脱水のサインとは?水分出納で見るべきポイント【in-out#8】
特に意識して水分出納(in-out)を確認すべき状況や病態とは?今回は発熱で起こる高張性脱水について。脱水を疑ったときの水分出納の観察ポイントや、経口補水液、輸液による対応を解説します。 「in-out(水分出納)をみるのはこんなとき!」の連載まとめはこちら 脱水(in<out) 体温調整のため発熱し、高張性脱水と血管内脱水が起こる 体温中枢は視床下部にあり、そこで設定されたセットポイントに深部体温を維持するよう、厳密に37.0℃にコントロールされています。その調整は「熱産生」と「熱放散」のバランスによって行われています(図1)。 図1 体温の調整 ここに病原菌やウイルスの侵入が起こると、炎症細胞(マクロファージなど)がサイトカインを産生させて血管内皮細胞に作用し、プロスタグランジンが産生されることでこのセットポイントが上がり、生体は新しい体温設定まで体温を上げようとします。こうして発熱は起こります。 セットポイントまで体温が上昇すると、生体は末梢血管の拡張や発汗(熱放散)を促進して体温を下げようとするわけですが、このとき起こる発汗により、体は通常以上の水分の喪失を起こします(不感蒸泄*)。 発熱時は生体の防御機構として水分を喪失します。不感蒸泄の増加では、水分喪失量が電解質(主にNa+)の喪失量を上回るため、高張性脱水となります。 しかし、局所の炎症が全身性に波及した状態(SIRS)や、感染による臓器不全では、さまざまなサイトカインの産生により血管内皮細胞が傷害され、血管の透過性亢進が起こり、血漿成分が血管外に漏出することで循環血液量が減少します。それにより、発汗などによる単純な体内水分の喪失だけではなく、血管内の脱水も促進されます。 *【不感蒸泄】=本来、呼吸や皮膚からの蒸発による“自分にはわからない水の喪失”を「不感蒸泄」という。発汗は感覚として自覚できるため通常は不感蒸泄に含まれないが、この項では説明上、不感蒸泄としてまとめて考えている。 【参考】体温調節のしくみとは? 発熱による脱水を疑った場合のin-outの見方のコツ out:不感蒸泄の計算 不感蒸泄は発熱・高温多湿環境で増加します。成人では毎日15mL/kgの水分が不感蒸泄として喪失していると言われていますが(表1-①)、さらに、体温が1℃上昇するごとに15%増加します(表1-②)。 つまり感染を契機とした高体温の持続は、不感蒸泄による水分の喪失を増加させることになります。 表1 発熱による不感蒸泄の増加(1日あたりの例、体重60kg、平熱より2℃上昇として) ①体重あたりの喪失(15mL×60kg)=900mL②発熱による喪失(15mL×60kg×15%×2℃)=270mL①(900mL)+②(270mL)=1,170mL程度? ※室温によっても不感蒸泄は左右されるが、院内の環境はほぼ28℃前後に管理されているため、ここでは割愛している。 in-out:血液・尿データでは“Naが上昇” 不感蒸泄増加に伴う高張性脱水では、血清ナトリウム濃度、尿中ナトリウム濃度が上昇します。 なお、高張性脱水症では血管内の血球成分は電解質や水のように血管外に移動することはないので、Hb・Ht値はほぼ正常であることがあります。 out:高張性脱水の進行に伴う症状を念頭に置く 不感蒸泄による水分の喪失が進行すると、細胞外液のナトリウム濃度が上昇し、体液の浸透圧が上昇するため、例えば口渇感は初期から強く現れます。 水が体重の2%程度欠乏すると口渇と尿量減少、7~14%で精神症状(錯乱、興奮)が現れます1。高張性脱水の臨床症状について表21に示します。 このブロック以降のコンテンツは非表示になります 表2 高張性脱水の臨床症状〈症状:高張性脱水の場合〉口渇:高度口腔・舌乾燥:高度めまい:なし悪心:なし頭痛:なしけいれん:なし倦怠感:軽度精神神経症状:錯乱・興奮 〈臨床検査所見:高張性脱水の場合〉皮膚緊張度(ツルゴール)低下:なしい血圧低下:なし尿量:減少尿比重:上昇尿中ナトリウム濃度:上昇ヘマトクリットor血中アルブミン:ほぼ基準値内血清ナトリウム濃度:上昇血中尿素窒素:軽度上昇 (文献1より引用、一部改変) 発熱による脱水を疑ったときのin-out報告のポイント out:高張性脱水の徴候(口渇感)に注意して報告する 発熱が持続している場合は、水分喪失に伴う口渇感などの高張性脱水の初期症状にまず注意します。 しかし、水分を喪失する高張性脱水では、血管内は高ナトリウム、高浸透圧となり、細胞内液から細胞外液へ水分が移動するため、通常、循環動態は変動しにくいと考えられます。 ただし高齢者では、細胞内液が減少しているため細胞内液から細胞外液へ水分の移動が十分に行われず、循環血液量が減少します。高齢者では高張性脱水の初期からめまいや立ちくらみなどの症状が出現する場合があるため、これらの徴候にも注意が必要です。 out:尿量と尿色調を把握する 体は水分を保持し、ナトリウム濃度を一定にするために抗利尿ホルモン(ADH)を分泌し、水だけを再吸収します。 そのため尿量が低下し、濃縮尿となります。尿量・尿色調も把握して報告します。 in-out:水分出納バランスを推測する 発熱が持続し、経口摂取が制限されている場合や十分に行えていない場合は高張性脱水の可能性を考慮し、不感蒸泄量や輸液、経口的な水分摂取のバランスがとれているかを推測して、症状(表2参照)とあわせて報告する必要があります。 体温をあわせてアセスメントする 臨床的には37.5℃以上が発熱とされていますが、体温の変動はさまざまな要因によって起こります。悪寒を伴う発熱は細菌が関与しているときにみられるため、その後の体温をこまめに測定し、体温上昇に伴う不感蒸泄の増加が持続していないか推測します。 また、この時期に血液培養を行えば陽性率が高くなるとされています。 発熱による脱水を疑ったときのin-outを考えた対応 水分・経口補水液の補給 高張性脱水は水欠乏型の脱水のため、発熱し口渇がある場合、経口摂取が許されるのであれば定期的な水分や、経口補水液(oral rehydration solution、ORS)の摂取を促します(図2)。即効性を求めるならば、ORSを選択すべきです。 図2 経口補水液(ORSの例) 経口補水液 オーエスワン®シリーズ 個別評価型病者用食品(画像提供:株式会社大塚製薬工場)●世界保健機関(WHO)による経口補水療法の考え方に基づいた飲料(組成は米国小児科学会の指針に基づく)●100mL=10kcal 明治アクアサポート(画像提供:株式会社明治)●塩味があっても飲みやすいリンゴ風味●100mL=9kcal 輸液の投与 経口摂取が困難であれば低張輸液剤が選択されます。 前述したように、水欠乏により血清ナトリウムが上昇している可能性があるため等張液(生理食塩水など)などが投与されている場合は、医原性の高ナトリウム血症となってしまいます。輸液管理中は投与されている輸液の性質も把握しましょう。 また、感染による全身性の炎症が遷延すればショックへと移行し、循環不全を起こします。その場合は循環血液量を維持するために大量の輸液投与を行います。 輸液による循環器系の反応、また投与した輸液量に対し尿量が保てているか、in-outバランスを正確に把握していく必要があります。 引用文献1.守尾一昭:脱水症の病態、病型:高齢者に特徴的な病態、病型はあるか?.GeriatricMedicine 2008;46(6):562-563.2.EFSA:Panel on Dietic Products,2010. 参考文献1.幸村近:熱型と臨床像から病態を推定する 特集・熱型と鑑別診断.臨床病理レビュー2009;143:23-25.2.小松康宏:シチュエーションで学ぶ輸液レッスン(第3版).メジカルビュー社,東京,2021.3.飯野靖彦:一目でわかる輸液(第3版).メディカルサイエンスインターナショナル,東京,2013.4.谷口英喜:「脱水症」と「経口補水液」のすべてがわかる本.日本医療企画,東京,2014.5.谷口英喜:経口補水療法ハンドブック改訂版.日本医療企画,東京,2013. この記事を読んだ方におすすめ経口補水液(ORS)による術前管理熱産出時に悪寒が起こるメカニズムそのほかの連載記事 【第9回】経腸栄養投与中の水分・電解質管理:水分出納のチェックポイント(10月23日配信予定) ※この記事は『エキスパートナース』2016年10月号特集を再構成したものです。当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載および複製等の行為を禁じます。
- 会員限定
- 特集記事
NPPV(非侵襲的陽圧換気)機器の組み立て・設定手順は?#2
人工呼吸器の一種で、挿管せずマスクで呼吸管理ができるNPPV(非侵襲的陽圧換気)。今回はNPPV装置の組み立て・設定手順を紹介します。 「NPPV(非侵襲的陽圧換気)のポイント」の連載まとめはこちら 急性期にはグラフィックモニター搭載の機器を使用 急性期には、「酸素濃度」を正確に設定でき、治療中の「気道内圧」「吸気 ・ 呼気フロー」「換気量」などを経時的に観察するためのグラフィックモニターを搭載しているNPPV装置を使用します。 代表的な製品例を以下に示します。 V60ベンチレータ(画像提供:株式会社フィリップス・ジャパン) ●トリガー機能が更新され、より適確に呼吸をサポートできるようになった。●内蔵バッテリーを搭載しており、最大6時間の作動が可能。●患者がNPPVを受け入れやすく、長く続けられるように考えられた2つの機能がある。①Ramp:吸気圧に違和感がある患者に有効②C-Flex:息を吐きづらい患者に有効 NPPVの内部構造 NPPVの機器構成と内部構造、ならびにその組み立て手順とマスク ・ 呼気ポートの設定を図1に示します。 NPPV用人工呼吸器と一般の人工呼吸器との違いは、圧縮空気を必要としないことです(酸素と非常電源への接続は必要)。また、使用の際には送気口にバクテリアフィルターを装着することが望ましいです。 図1 機器構成・内部構造と回路の組み立て(「V60 ベンチレータ」を例に) NPPVの組み立て・設定手順①回路 ①加温加湿チャンバーをセット加温加湿チャンバーをセットし、加温加湿用注射用水をチャンバーに入れます。 ②バクテリアフィルターをセットバクテリアフィルターを機器の送気口にセットします。 ③④⑤⑥回路を接続バクテリアフィルターと加温加湿チャンバーを接続し、加温加湿チャンバーからマスクに接続する回路にウォータートラップを組み込みます。 写真はリユース回路を使用。リユース回路では、回路の付け根が痛んで破れやすくなっている場合があるので、確認してから接続 このブロック以降のコンテンツは非表示になります ⑦⑧呼気ポートと圧チューブを接続回路先端に呼気ポートを装着し、圧チューブをつければ、NPPV回路の完成です。 完成 *加温加湿器への給水には、自動給水システムを使用します。加湿水として使用できるのは、注射用水のみです。 NPPVの組み立て・設定手順②マスクと呼気ポート ①機器前面の「オン/オフ」ボタンを押す ②「メニューウィンドウ」を開き、「マスク/ポート」にタッチする ③使用するマスクのリーク記号を確認し、「< >」で選択・確定する「ET/Trach」「1」「その他」の場合は、必ず呼吸回路内に呼気ポートがあることを確認してください。 マスクのリーク記号一覧 ●シングルユースのマスクには、マスク本体にリーク記号が書かれているものもあります。●「3」に対応するマスクは現在ありません。●Comfort Full などリーク記号のないマスクは「その他」を選択します。 ④呼気ポートを「< >」で選択・確定する ●「 なし 」を選択する場合は、マスクに呼気ポートがあることを確認してください。●「PEV」「その他」の場合は呼気ポートテストを行います。●呼気ポートを確定すると、メニューウインドウに戻ります。これで、マスクと呼気ポートの設定完了です NPPVの組み立て・設定手順③呼気ポートテスト ①呼気ポートの送気口をふさぎ、 「テスト開始」をタッチする 使用途中にマスクや呼気ポート変更を行う場合は、マスクを外してから「テストを開始」にタッチします。 ②テスト完了まで、送気口をふさいだまま待つ ③画面が切り替わればテスト終了。「喚起を開始」にタッチすると送気が開始される。 この記事を読んだ方におすすめ【連載まとめ】人工呼吸器の看護ケアのよくあるギモン【連載まとめ】看護に必要な酸素療法の基礎知識そのほかの連載記事 ※この記事は『エキスパートナース』2014年10月号特別付録を再構成したものです。当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載および複製等の行為を禁じます。
- 会員限定
- 特集記事
【連載まとめ】血ガスの勉強、何からしたらいいの?
動脈血液ガス分析(血ガス)の“ここだけ”おさえたいポイントを、会話形式でわかりやすくレクチャー。「やり直したいけれど、何から勉強したらいいのかわからない……」という人は注目です! 【第1回】血ガスの基準値とみる順番を覚える! 用語が多く、難しいと思いがちな血ガス。理解するポイントは、「正常からどうはみだしているか」です。まずおさえておきたい、「みる順番」とは? 〈目次〉●私たちが血ガスを“ややこしい”と感じる理由●血ガスの型を覚えれば、 そんなに難しくない! 詳細はこちら 【第2回】血ガス「pH」の基準値と異常値 そもそも、なぜ医師は血ガスをとりたいのでしょうか。その理由を知れば、血ガスの“みかた”が覚えやすくなります。「アシデミア」と「アルカレミア」についても知っておきましょう。 〈目次〉●なんのために血ガスをとるの?●pHの異常を表す言葉:「アシデミア」と「アルカレミア」・pH(水素イオン濃度)のポイント 詳細はこちら 【第3回】血ガス「pH」を異常にしている原因は?「PaCO₂」編 pHの変動に影響を与えるのが「CO2」と「HCO3-」。動脈血の中の二酸化炭素の値である「PaCO2」についてみていくと、pHの異常には2つのパターンがあります。 〈目次〉●「pH」を異常にしている原因は?●パターンA.アシデミア(pH<7.35)で、PaCO2が増えている●パターンB.アルカレミア(pH>7.45)で、PaCO₂が減っている・PaCO2(動脈血二酸化炭素分圧)のポイント 詳細はこちら 【第4回】血ガス「pH」を異常にしている原因は?「HCO₃-」編 「HCO3-」つまり重炭酸イオンの観点から、pHの異常の原因を探ります。それには、「代謝性アシドーシス」「代謝性アルカローシス」の原因を考える必要があります。 〈目次〉●「pH」を異常にしている原因は?●パターンC.アシデミア(pH<7.35)で、HCO3-が減っている●パターンD.アルカレミア(pH>7.45)で、HCO3-が増えている・HCO3-(重炭酸イオン)のポイント 詳細はこちら 【最終回】血ガスをみるために大切な呼吸回数と治療の方向性 日ごろから大事なのが、呼吸回数の測定。また、血ガスの値をアセスメントしていくだけで、最終的には「どんなところに原因があるか、どういう方向性で対応したらよいのか」までわかります。 〈目次〉●血ガスをみるべき状態を判断するには、「呼吸回数」を測定!●方向性をイメージしてアセスメントしよう 詳細はこちら そのほかの連載はこちら
特集記事