-
iDeCoとDC制度の違いは?初心者向けにやさしく解説
特別記事 -
【新規会員登録(無料)キャンペーン】PDFを1冊まるごとプレゼント!
- 会員限定
- お知らせ
-
春から差がつく!看護師の学び特集:おすすめ本、確認テスト、AI活用術
特集記事 -
脳梗塞の画像の見方とケアでの活用ポイント
- 会員限定
- 特集記事
-
オノマトペで認知機能低下を早期発見、順天堂大が論文公開
ニュース -
【おすすめBOOK】糖尿病看護スタンダード
BOOKレビュー -
【連載まとめ】心電図波形の読み方の要点を解説
特集記事 -
【連載まとめ】ナースが共有したい看護介入・ケア実践事例
患者対応 -
【連載まとめ】NPPV(非侵襲的陽圧換気)のポイント
特集記事 -
【連載まとめ】がん治療・ケアの最新知識
特集記事
特集記事

春から差がつく!看護師の学び特集:おすすめ本、確認テスト、AI活用術
この春新人ナースとなる方や、先輩としてしっかり学び直しをしたいと考えている方へ。エキナスwebで読める、「勉強」に関連した記事をピックアップしました。おすすめの本や、確認テスト、生成AIの活用ポイントなど、役立つ記事が満載です! 勉強のための本選びに迷っているなら 「勉強会担当になった」というナースにおすすめの本を紹介 本が大好きな看護師のおともさんが、“あなた”に寄り添った本を紹介するブックセラピー企画。「勉強会担当になった」というナースにおすすめの、資料づくりやプレゼンの基礎を学べる本がラインアップしています。 「ブランクがあっても大丈夫」病院外で働く看護師の学び直しを支える本 お悩みを寄せたのは、ブランクがある施設看護師さん。特に急変対応やフィジカルアセスメントについて学び直したいときにおすすめの本がそろっています。 「文字ばかりの本は苦手」そんな中堅ナースのためのビジュアルで学ぶ看護書 文字ばかりの本は苦手……という中堅ナース向けに、イラストや図解などが多く、応用も充実している本をチョイス。後輩も増え、自身のスキルアップも意識し始めたという方は注目です。 【2025年】看護書ランキングTOP5:臨床現場で「本当に役立つ」1冊 2025年、看護師から人気を集めた照林社の書籍トップ5〈臨床編〉をご紹介。どの本を買おうか迷っている人はチェックを。 【2025年】看護師向けポケットサイズ書籍ランキングTOP5 こちらは〈ポケットサイズ本〉のご紹介。コンパクトなサイズで手軽に持ち歩ける、心強い味方です。 若手ナースの勉強スタイルを参考にするなら 先輩ナースがすごい!と思った新人ナースの勉強法 「ほかの新人と違うな」「自分にはできない!」と、先輩ナースが思わず感心した・驚いたエピソードを集めました。この春、新人ナースになった皆さんも、自分に合いそうな勉強法を試してみて。 業務時間外の勉強、どう思う? 業務時間内に勉強ができれば理想的ですが、なかなか難しいもの。Z世代ナース、先輩ナースの皆さんは業務時間外の勉強について、どう思っているのでしょうか。 身についた知識をチェックするなら 看護師のための知識チェックテスト エキナス2025年6月号特集「学び直し+実践力アップ 看護に必要な知識の総復習」に連動したWeb確認テストです。苦手分野の把握や復職前の総点検にもおすすめ!クイズ感覚でチャレンジしてみましょう! 生成AIを勉強に活かすなら 生成AIで何ができる?メール・レポート・要約など役立つ活用術 勉強にも生成AIを活用したいという方もいるのでは? メールやレポートの作成、企画のアイデア出し、要約・翻訳など、生成AIにできることをまとめています。 看護記録作成、文献検索を効率化!看護現場で役立つ生成AI活用法 生成AIは看護現場で具体的にどう役立つ?看護記録・サマリー作成、文献検索、情報収集を効率化するために知っておきたいポイントが学べます。 生成AIを使いこなすために重要な「プロンプト」とは? 生成AIを使いこなすには、質の高いプロンプト作成が重要です。看護記録をSOAP形式にまとめる具体例を取り上げながら、プロンプトを作るコツを紹介しています。 雑誌『エキスパートナース』2026年4月号では、特集「「勉強して」って言えない先輩へ “押しつけない勉強”のはじめかた」をお届けします。ぜひ併せてご覧ください!詳細はこちら
特集記事
脳梗塞の画像の見方とケアでの活用ポイント
脳梗塞を画像で理解するための基本を解説。脳梗塞診断におけるCT・MRIの特徴や、画像の見方、画像を見てケアで予測すべきことなどを紹介します。 脳梗塞とは? ●脳動脈が何らかの原因により閉塞し、閉塞部位より末梢の組織(脳実質)に壊死が起こる病態を「脳梗塞」といいます。●脳梗塞は時間経過とともに梗塞巣が明瞭化し、一度壊死を起こした脳細胞は回復しません。このような状態になる前に、一刻も早く血管の閉塞を取り除き、血流を改善させることが治療の根本です。●脳梗塞の病型分類は、大きく「アテローム血栓性」「心原性血栓症」「ラクナ梗塞」の3つに分類されます(表1)。 脳梗塞の画像診断 1)脳梗塞診断におけるCTとMRIの違い 脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)が疑われる患者さんが搬送されてきたとき、多くの施設では、まず脳のCTが行われます。なぜなら、CTのほうが短時間で撮影ができ、早急に情報を得ることができるためです。 しかし、脳梗塞におけるCT所見は、発症数時間でうっすらと変化(early CT sign)を認めることがあるものの、CT上、脳梗塞として判断できる低吸収域(黒色)になるには、発症後24時間以上かかります。それでは超急性期の脳梗塞を診断できず治療には間に合いません。 これに対してMRIは、画像の種類によって超急性期脳梗塞を捉えることができ、発症経過がわかりやすくなります。 2)MRIの画像の種類 脳梗塞の病期を診断するために必要なMRIの画像の種類は「拡散強調像(DWI)」「ADCmap」*「T2強調像」です。 DWIでは脳梗塞発症から30分程度で信号変化が起こりはじめます。またDWIと同時に撮影されることの多いT2強調像では、発症から6~12時間が経過すると梗塞部位が高信号域になりはじめます。 そして、脳梗塞の際には、MRA(磁気共鳴血管造影法)を確認することも病態を知るうえで重要です。MRAは脳実質に供給している血管のみを描出することができ、動脈硬化により狭窄した脳血管や、閉塞した脳血管の途絶などを確認することができます。 *【ADCmap】=脳梗塞と特定するために補助的に行うもので、脳梗塞の場合は低信号域(黒く写る)となる。 表1 脳梗塞の病型分類 ①アテローム血栓性脳梗塞 (文献1を参考に作成) ●要因として「動脈硬化などにより狭窄した脳血管が閉塞する場合」「頸動脈などに形成されたプラークが剥がれて脳血管を閉塞する場合」「脱水や低血圧により狭窄した脳血管の血流が低下して起こる場合」の3種類がある ●アテローム硬化の好発部位は、主幹動脈である総頸動脈、内頸動脈、中大脳動脈、椎骨動脈の起始部(これより末梢の動脈に生じることもある) ●動脈硬化による血管の狭窄が緩やかに起こり、閉塞した際には軽い感覚障害や運動障害などが出現し、数分~24時間ほど持続し、消失を繰り返す。その後、脳梗塞を発症すると、時間経過とともに麻痺などの症状が固定し、段階的に症状が悪化していくことが多い ②心原性脳梗塞 (文献1を参考に作成) ●不整脈や急性心筋梗塞、拡張型心筋症、人工弁などの心臓壁に血栓を形成させるような基礎疾患により、血栓子が脳動脈を詰まらせて発症する●突然に動脈を閉塞するため、短時間で広範囲の梗塞巣が完成する●発症時に意識障害を伴うことが多く、麻痺や失語などの症状が重症化する場合が多くみられる ③ラクナ梗塞 (文献1を参考に作成) ●主幹動脈から分岐する穿通枝などの微小血管に血栓が詰まることで発症する●起床時などの安静時に発症することが多く、例えば、夜寝ていて朝、目が覚めたときに手足のしびれを感じ様子を見ていると麻痺が徐々に出てきたなど、症状の進行が緩やかなことが多くみられる ●穿通枝は細い脳血管であり、小梗塞で済むことが多く、症状が軽症であることが特徴。しかし、穿通枝の根元に血栓が詰まると数時間~数日かけて梗塞巣が拡大し徐々に症状を悪化させることがあるため、小梗塞とはいえ慎重に対応する必要がある ●高齢者ではラクナ梗塞があっても神経症状が出現しない場合がある(無症候性脳梗塞)。しかし発症を何度も繰り返すと、脳血管性認知症やパーキンソン症候群、嚥下障害などの症状が重症化していく こちらもチェック!●脳梗塞既往患者では心房細動(AF)に注意!心原性脳梗塞と危険な心電図波形について解説しています。 脳梗塞の画像の見方 1)脳梗塞(急性期アテローム血栓性脳梗塞) 異常所見 車の運転中に左上下肢の脱力と感覚障害を自覚し受診された患者さんの例です。受診当初のCTに異常所見はありませんでしたが(図1-1)、MRIを撮影したところ、拡散強調像(DWI、図1-2)で脳の右側に高信号域があり、右内包後脚の急性期脳梗塞と診断されました。 図1-1 急性期アテローム血栓性脳梗塞のCT画像 図1-2 急性期アテローム血栓性脳梗塞のMRI(DWI、拡散強調像) T2強調像(図1-3)でもすでに高信号となっていることが確認できたため、発症後6~12時間が経過した右内包後脚の急性期のアテローム血栓性脳梗塞と診断され、急性期治療に準じて抗凝固薬(アルガトロバン)の投与が開始されました。 図1-3 急性期アテローム血栓性脳梗塞のMRI(T2強調像) 責任血管 右内包後脚(図1-4)の責任血管は、内頸動脈より分岐する前脈絡叢動脈であるため、内頸動脈に関連する中枢から末梢の脳血管のどこかに狭窄や閉塞を起こしていることが考えられます。 図1-4 急性期アテローム血栓性脳梗塞の障害される部位 関連する脳機能 本症例の脳梗塞では、右内包後脚周辺に梗塞を起こしているため、症状としては、梗塞巣と反対の四肢・顔面に運動麻痺や感覚障害を呈することがあります。これは、大脳皮質の運動野から延びるニューロンが収束して内包後脚を通過するからです。 また内包後脚周辺には視床があり、全身の感覚ニューロンが通過しているため、感覚障害も同時に出現していると考えられます。 図1の症例では、右内包後脚の急性脳梗塞のため、左の四肢・顔面に運動麻痺や感覚障害が出現した。 2)脳梗塞(急性期の心原性脳梗塞) 異常所見 突然の意識障害が出現したため、家族が救急要請して搬送されてきた患者さんの例です。 すぐにCT(図2-1)が撮影され、右中大脳動脈領域において低吸収域を示していました。そこで脳梗塞が疑われMRIを施行し(図2-2)、その結果、DWIでは広範囲に高信号域を、ADCmapでは低信号域を認め、またT2強調像においても高信号域が認められました。 発症後、数時間が経過している急性期の右中大脳動脈領域の心原性脳梗塞と診断され、ヘパリンの投与が開始されました。 図2-1 急性期の心原性脳梗塞のCT画像 図2-2 急性期の心原性脳梗塞のMRI(DDWI、拡散強調像) 責任血管 この症例のMRA(図2-3)では、左中大脳動脈と比較して右中大脳動脈が消失し途絶していることがわかります。 内頸動脈から分岐する中大脳動脈は、主に前頭葉、頭頂葉、側頭葉の外側面などの大脳の広範囲に血流を供給しています(第3回の記事参照)。 図2-3 急性期の心原性脳梗塞のMRA 図2の症例では10日間ほどで意識障害から脱したものの、顔面を含む左上下肢の片麻痺、注意障害、左側空間無視の症状が残存した。 関連する脳機能 中大脳動脈の支配領域(前頭葉、頭頂葉、側頭葉)の障害では、梗塞巣と反対の上下肢の麻痺と感覚障害、構音障害、視野障害(同名半盲:両側の同じ部位が見えなくなる)などの症状が出現します(第3回の記事参照)。 また、注意障害や遂行機能障害、失行 ・ 失認などの高次脳機能障害に加えて、優位半球の障害では主に失語症が出現し(表2)、劣位半球の障害では半側空間無視などのさまざまな症状が出現します。 表2 言語障害の区分 ●失語症要因:大脳皮質における言語中枢の損傷運動性失語(ブローカ失語)感覚性失語(ウェルニッケ失語) ●構音障害要因:大脳皮質の顔面・咽喉頭・舌運動にかかわる領域の損傷 (文献2を参考に作成) 脳梗塞の病型を診断することは適切な薬剤を選択するうえで重要となります。その補足の検査として、心原性脳梗塞を疑う場合には、心電図により心房細動などの不整脈や心筋梗塞の有無を確認し、心臓超音波検査などにより心臓内に血栓形成がないかを確認します。アテローム血栓性脳梗塞では、必要に応じて、3DCTA、脳血流シンチグラフィなどを行う場合もあります。 脳梗塞の画像を見る際に大切なのは、脳梗塞の発症時間や発症部位はもちろんのこと、出現している症状が梗塞巣と合致しているかを確認することです。 こちらもチェック!●脳梗塞を疑う症状と鑑別の判断基準「脳梗塞」の症状や特徴的な所見、初期対応などを解説しています。 脳梗塞の画像を見てケアで予測すべきことは? 1)脳浮腫の徴候があれば全身状態を確認していく 脳梗塞の急性期では意識障害を呈することがあり、その原因としては、意識を司る部位が直接損傷を受けた場合と、脳梗塞による脳浮腫が原因で起こる場合があります。 脳浮腫は、脳梗塞により細胞が壊死することで細胞内から水が漏れ出し、脳内に貯留することで起こります。脳浮腫は、脳梗塞発症から3~5日でピークを迎えて2週間ほど続く可能性があり、その間の状態変化の観察が重要となります。脳浮腫は、CTで見ると浮腫の部分は正常な脳より黒く描写され、脳溝がはっきりと確認できなくなります。特に、広範囲の脳梗塞を起こした場合や脳幹梗塞では、意識障害に加えて呼吸・循環動態の悪化を認めることがあります。 また、広範囲の脳梗塞や脳幹梗塞では、脳浮腫により脳ヘルニアに移行することがあり、その場合、意識障害や呼吸状態の悪化を起こします。 そのため、GCSやJCSなどによる意識障害の程度の把握や、瞳孔、バイタルサインなどの経時的な観察を行う必要があります。 2)嚥下障害が起こることを念頭に置く 急性期の脳梗塞患者における摂食嚥下障害の有病率は、病変部位や発症時期によって異なりますが、約30~81%であるといわれ、6か月以降の慢性期になっても摂食嚥下障害が残存していた患者は約8%であったとの報告があります3,4。 特に、脳梗塞の発症後3~4日は、脳浮腫によって摂食嚥下障害が顕著に現れることがあります(図4)。 このブロック以降のコンテンツは非表示になります 図4 脳浮腫より起こる嚥下障害 脳梗塞の急性期は摂食嚥下障害を併発しやすく、誤嚥性肺炎の発症リスクが高くなりますが、この間に誤った対応をすると、以下のようなリスクが考えられ、重症化させてしまうことがあるので注意が必要です。●口腔ケアが不十分で口腔内衛生不良の状態で放置する●意識障害のある時期に経口摂取を行う、嚥下の能力に合っていない食形態を提供し評価を怠る●摂食嚥下障害による経口摂取量の減少に気がつかずに低栄養の状態になる 3)患者さんのできること・できないことを予測してケアに活かす 「脳梗塞の画像の見方」の項で脳梗塞の画像と症状が合致しているかを確認することが必要であると述べましたが、脳の画像を大まかにでも把握ができると、その障害される機能がある程度把握できます。そうすると、患者さんへの介入方法も変わってきます。 例えば、左の大脳半球にある言語中枢が障害された場合、失語症のため言葉の表出ができにくくなりますが、会話の速度をゆっくりとし、短く質問をすれば、理解できることが多くあり、有効なコミュニケーションを図るうえで重要となります。 また、症例に挙げている右の大脳半球が障害された場合は、多くは半側空間無視が出現し、左空間の認知能力が低下します。半側空間無視は、歩行や車椅子の操作時に左半身をぶつけるなど、今後の生活全般の障害にかかわってきます。このような場合は、無視側の左側から話しかけたり、左側に目印を置いて注意が向くようにしたりして、空間認識を促していくことが大切です。 大まかな脳の機能を知っておくと、急性期の介入方法がすいぶんと変わり、慢性期のリハビリテーションがスムーズになることが多くあります。 脳梗塞の治療の進み方 t-PA静注療法 脳血管が閉塞すると、脳実質では、閉塞した中心部にほとんど血流は行き届かず早期に脳の不可逆性変化を起こしますが、その周囲には血流が再開すれば脳細胞が回復する可能性のある可逆的な領域が存在します。 その領域を「ペナンブラ」と呼びますが、このペナンブラが不可逆性変化を起こし脳梗塞巣が拡大する前に、できる限り早期に血流を回復させる必要があります。そのため、脳梗塞では初期対応が重要となります。 近年、脳梗塞治療を迅速に開始できるように、多くの病院では脳卒中初期診療(ISLS)アルゴリズムが導入されています。この背景には、2005年から「t-PA静注療法」が保険適用となったことが要因として挙げられます。 t-PA静注療法とは、発症から4.5時間以内の超急性期脳梗塞患者が適応となり、アルテプラーゼ(t-PA)という脳梗塞治療薬を投与するもので、症状の著明な改善が期待できる治療です。投与方法は、1回目に投与総量の10%を静脈内に急速投与し、2回目に残りの90%が1時間で点滴投与されます。 投与中は副作用として脳出血のリスクが高くなるため、投与から1時間では15分ごとの血圧・呼吸のモニタリングや、NIHSS(National Institutes of Health Stroke Scale)による神経所見の評価などが行われ、厳重な管理が必要となります。 そのため、年齢や既往歴、抗凝固薬の内服歴がないか等の適応条件が詳細に示されています。それ以外にも、4.5時間を経過した急性期脳梗塞では、脳梗塞の病型によって投与される薬剤が異なります。 脳浮腫の改善 ・ 予防に対し浸透圧利尿薬を、脳梗塞発症後に産生される有害物質から脳を守るための脳保護薬(エダラボン)なども併用して投与されます。必要時には、血栓回収療法やステント留置術などの血管内外科的治療が行われます。 脳梗塞の管理・ケア ①血圧管理と異常の早期発見 通常、血管は常に一定の血流を送るための自動調節機能がありますが、脳梗塞巣周辺の血管では自動調節機能が破綻するため、血流量の変化により血圧が変動してしまいます。そのため、血圧が高すぎると脳血流量が増加して出血性梗塞を起こしやすくなり、逆に血圧が低すぎると梗塞巣が虚血状態となり、症状が悪化する場合があります。 脳梗塞患者の血圧管理の基本は、降圧薬を使用しない方針ですが、収縮期血圧>220mmHg、拡張期血圧>120mmHg以上が持続する場合に、ニカルジピン塩酸塩などの持続静注による降圧療法が行われます。 特に注意が必要なのは、血圧が急激に上昇したときで、脳出血や脳梗塞の再発の可能性があります。その際には、再度、意識レベルや身体症状の増悪がないかを観察する必要があります。 ②嚥下障害 脳梗塞の急性期には嚥下障害が起こりやすいと先述しましたが、脳梗塞の発症部位によっても嚥下障害の重症度が変わります。 嚥下中枢のある脳幹の延髄に梗塞がある場合は、嚥下反射が起こらなくなるような重度の嚥下障害を呈します。しかし、大脳半球であっても両側性に障害を受けた場合、仮性球麻痺と言って、嚥下に関連する筋肉の協調性がなくなり、誤嚥を起こしやすくなります。 特に、大脳基底核を両側性に障害された場合は、誤嚥したのにむせがない「不顕性誤嚥の危険性」が高まります。脳梗塞の急性期では、必要時には嚥下スクリーニングテストや嚥下内視鏡、嚥下造影検査などで嚥下評価を行い、食形態の選定や体位調整などの代償嚥下法を取り入れながら段階的に経口摂取を進めていくことが重要です。 意識障害などのために唾液誤嚥が著明な場合は、口腔ケアを十分に行い、誤嚥性肺炎の予防を図ることが必要です。 (第4回) 引用文献1.市川博雄:症状・経過観察に役立つ 脳卒中の画像のみかた.医学書院,東京,2014:37.2.西村和子:脳の障害で出現する「言語障害」にはどのような特徴があるの?.眞野惠子編,森田功 監修,「脳」から起こる症状・徴候見抜き方ガイド.エキスパートナース2016年5月臨時増刊号;32(6):85.3.才藤栄一,植田耕一郎 監修:摂食嚥下リハビリテーション 第3版.医歯薬出版,東京,2016:294.4.Smithard DG , O'Neill PA , England RE , et al . :The natural history of dysphagia following a stroke.Dysphagia 1997;12(4):188-193.5.前掲書3:292. 参考文献1.日本脳卒中学会脳卒中ガイドライン委員会 編:脳卒中治療ガイドライン2021[改訂2025].協和企画,東京,2025.2.阿部康二 編:レジデントのための脳卒中診療のコツ.文光堂,東京,2014.3.日本救急医学会,日本臨床救急医学会,日本神経救急学会 監修,『ISLSガイドブック2018』編集委員会 編:ISLSガイドブック2018 脳卒中の初期診療の標準化.へるす出版,東京, 2018. この記事を読んだ方におすすめ●画像検査の情報を看護に活かすための見方と注目ポイント●X線画像やエコー画像の原理などを解説!観察とケアがつながる画像●そのほかの連載記事はこちら ※この記事は『エキスパートナース』2017年2月号特集を再構成したものです。当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載および複製等の行為を禁じます。
- 会員限定
- 特集記事

【連載まとめ】心電図波形の読み方の要点を解説
代表的な18種類の不整脈の波形が読めるように、波形の読み方の要点をコンパクトにまとめました。知っておきたいポイントがぎゅっと詰まった、全24回の連載です。 【第1回】洞調律の心電図波形の読み方 〈目次〉●洞調律の特徴は?●洞調律を理解するために重要な刺激伝導系 詳しくはこちら 【第2回】P波とは?QRS波とは?心電図波形の各部の名称 〈目次〉●心電図波形の各部の名称を紹介(P波/QRS波/ST部分/T波/PQ間隔/QRS時間(間隔)/QT時間/PP間隔/RR間隔) 詳しくはこちら 【第3回】サイナス(洞調律)の心電図波形の読み方 〈目次〉●サイナス(洞調律)の特徴は?●心拍数が変化するとサイナス(洞調律)はどうなる?・洞徐脈(sinus bradycardia)・洞頻脈(sinus tachycardia) 詳しくはこちら 【第4回】洞徐脈の心電図波形の読み方 〈目次〉●洞徐脈の特徴は?●無脈性電気活動(PEA)、房室接合部調律との違いは?・洞徐脈の場合はまず薬剤の影響を確認・房室接合部調律へ移行する可能性も 詳しくはこちら 【第5回】洞頻脈の心電図波形の読み方 〈目次〉●洞頻脈の特徴は?●心房細動(AF)、発作性上室頻拍との違いは?●洞頻脈の原因とは?・心房細動(AF)に移行している場合もある 詳しくはこちら 【第6回】洞不全症候群(SSS)の心電図波形の読み方 〈目次〉●洞不全症候群の特徴は?●Rubenstein分類 詳しくはこちら 【第7回】房室接合部調律の心電図波形の読み方 〈目次〉●房室接合部調律の特徴とは?●「P波が出ていない」とはどんな状態? 詳しくはこちら 【第8回】心房期外収縮(PAC)の心電図波形の読み方 〈目次〉●期外収縮と相対不応期の重なりに注意●心房期外収縮の特徴は?・心房期外収縮の二段脈がポイント・多発する場合は循環血漿量不足の疑いあり 詳しくはこちら 【第9回】心室期外収縮(PVC/VPC)の心電図波形の読み方 〈目次〉●心室期外収縮(PVC/VPC)の心電図波形の特徴は?●Lown分類で重症度を判断●心室期外収縮(PVC/VPC)とともに見るべき検査データは? 詳しくはこちら 【第10回】心電図波形の陰性化のメカニズム 〈目次〉●陰性化とは?・P波が陰性になる・QRS波が陰性になる・T波が陰性になる 詳しくはこちら 【第11回】心房細動(AF)の心電図波形の読み方 〈目次〉●心房細動の特徴は?●心房細動により心拍出量が下がり、血圧が低下・輸液を絞ったことでAFに移行する場合も 詳しくはこちら 【第12回】心房粗動(AFL)の心電図波形の読み方 〈目次〉●心房粗動(AFL)の特徴は?・心房粗動(AFL)では、ドクターコールと12誘導心電図は必須 詳しくはこちら 【第13回】発作性上室頻拍(PSVT)の心電図波形の読み方 〈目次〉●発作性上室頻拍の特徴とは?・PSVTが出現したらどうする? 詳しくはこちら 【第14回】心室頻拍(VT)の心電図波形の読み方 〈目次〉●心室頻拍の特徴は?・脈が触れなければ即CPR 詳しくはこちら 【第15回】心室細動(VF)の心電図波形の読み方 〈目次〉●心室細動の特徴とは?・心室細動(VF)は実質上の心停止、すぐにドクターコールを 詳しくはこちら 【第16回】房室ブロックの心電図波形の読み方 〈目次〉●房室ブロック(AVB)とは?・Ⅰ度房室ブロック・Ⅱ度房室ブロック・完全房室ブロック 詳しくはこちら 【第17回】Ⅰ度房室ブロック(Ⅰ°AVB)の心電図波形の読み方 〈目次〉●Ⅰ度房室ブロックの特徴とは?・通常は経過観察でOK 詳しくはこちら 【第18回】Ⅱ度房室ブロック(Ⅱ°AVB)の心電図波形の読み方 〈目次〉●ウェンケバッハ型(Wenckebach型)/モビッツⅠ型(MobitzⅠ型)の特徴とは?・基礎疾患がなければ予後は良好●モビッツⅡ型(MobitzⅡ型)の特徴とは?・モビッツⅡ型はペースメーカーの適応 詳しくはこちら 【第19回】完全房室ブロック(Ⅲ°AVB)の心電図波形の読み方 〈目次〉●完全房室ブロック(Ⅲ度房室ブロック)の特徴とは?・循環動態が保たれているかをアセスメント 詳しくはこちら 【第20回】房室解離の心電図波形の読み方 〈目次〉●房室解離の特徴は?●房室解離が起こる原因は? 詳しくはこちら 【第21回】右脚ブロック・左脚ブロックを見るために必要な「電気軸」とは? 〈目次〉●軸偏位とは?●軸偏位の原因となる疾患●12誘導心電図で確認すること 詳しくはこちら 【第22回】右脚ブロック(RBBB)の心電図波形の読み方 〈目次〉●右脚ブロックの特徴とは?●右脚ブロックとはどんな状態? 詳しくはこちら 【第23回】左脚ブロック(LBBB)の心電図波形の読み方 〈目次〉●左脚ブロックの特徴とは?●左脚ブロックとはどんな状態? 詳しくはこちら 【最終回】QT延長症候群の心電図波形の読み方 〈目次〉●QT延長症候群の特徴とは?●後天性QT延長症候群の原因とは? 詳しくはこちら そのほかの連載はこちら
特集記事














