日本感染症学会は8月10日、「震災時に問題となる感染症―避難所・災害現場で注意すべき感染症とその対応―」を公開しました。
症候からの鑑別、初期対応のポイントなどを紹介
本資料は、2011年3月に同学会が公表した「東日本大震災―地震・津波後に問題となる感染症―Version 2」を基に、COVID-19の流行と知見を踏まえて内容が見直されたものです。現場で活用しやすいようにと、実践的な構成に改められました。
避難所や災害現場において初期対応の判断に役立つよう、疑うべき感染症、症候からの鑑別、初期対応の要点、避難所の環境衛生対策、食中毒対策を中心とした夏期の停電・断水時の対応や、ワクチン摂取・予防のポイントが整理されています。
例えば、「Ⅰ.災害時に危険が増加する感染症(外傷・環境曝露)」では、外傷後の創部感染、破傷風、汚染水の曝露による感染(レジオネラ肺炎、レプトスピラ症等を含む)を示しています1。
「Ⅱ.避難生活時に問題となる感染症」としては、集団生活の長期化に伴い、表1の感染症に特に注意が必要だとしています。感染経路別に対応が異なるため、それぞれに見合う感染対策を実施するよう呼びかけられています。
表 避難生活時に問題となる感染症
飛沫またはエアロゾルによる感染
●インフルエンザ
●新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
●肺炎球菌性肺炎
●マイコプラズマ肺炎
●百日咳経口感染
●感染性下痢症(細菌性・ウイルス性)
●食中毒接触感染
●黄色ブドウ球菌感染症
●A群連鎖球菌感染症
●疥癬
空気感染
●結核
●麻疹
●水痘(文献1を参考に作成)
暑い時期と寒い時期に、それぞれ問題となりやすい感染症もまとめられました。夏期は高温・多湿と停電・断水が重なる影響で、食品や水、皮膚を介した感染症のリスクが高まり、冬期は屋内での密集と乾燥・低換気により、呼吸器感染症と感染性胃腸炎が集団発生しやすくなるといいます1。
本資料は同学会のホームページより閲覧できます。
- 1.日本感染症学会ホームページ:震災時に問題となる感染症―避難所・災害現場で注意すべき感染症とその対応―.
https://www.kansensho.or.jp/modules/topics/index.php?content_id=65(2026.8.19アクセス)
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