第2ステップ フィジカルアセスメント
Bさんのフィジカルアセスメント
●意識状態:JCSⅠ-1
●やややせ型で小柄な体型、栄養状態はよさそう
●きちんとした身なり、カーディガンを着て首にはシルクのスカーフを巻いている
●バイタルサイン:血圧146/74mmHg(普段は収縮期100mmHg程度)、脈拍66回/分、整、呼吸数12回/分、体温36.8℃(平熱36.5℃)
●頭部外傷なし、眼瞼結膜に貧血なし、眼球結膜黄染なし。口腔内軽度乾燥、入れ歯・齲うし歯なし
●瞳孔3mm/3mm、直接および間接対光反射は保たれている
●頸静脈怒張なし、甲状腺腫大なし
●胸部:視診、触診、聴診、打診で特に異常を認めず
●心音整、雑音なし
●腹部:視診、触診、聴診、打診で、特に異常を認めず
●皮膚、四肢:皮疹なし、出血斑なし、末梢は暖かい。皮膚のツルゴールは軽度低下している
●脳神経の異常所見なし、運動および感覚神経も異常なし。小脳、協調運動検査も異常なし、歩行もゆっくりだが明らかな異常なし
フィジカルアセスメントの結果、血圧は普段よりやや高く、脈拍はやや遅めでした。
●血圧が普段より高め
●脈はやや遅め
→まだ診断がつけにくいけれど、バイタルサインに異常がありそう!?
第3ステップ 気になる情報をさらに深める
ここまでの情報だけではまだ鑑別が難しいため、最も情報がありそうなハイキングの前後に集中して、もう少し病歴を詰めてみました。
娘とBさん本人からはそれ以上の情報がないため、2人の承諾を得てハイキングに同行したBさんの友人宅に電話し、当日何か変わったことがなかったかを聞きました。
電話口の友人の話では特に変わったことはないとのことで、せいぜい下山のときに地面がぬかるんだところで滑り、軽く尻餅をついたということ程度でした。Bさんもそのことを覚えていましたが、尻餅をついただけでほかに外傷はなく、腰や下肢など体で痛みを感じるところはないとのことでした。
●ハイキング中に尻餅
→尻餅が原因でこの症状が引き起こされている?
ナースの臨床推論【第9回】全身倦怠感と食欲低下[Step4]追加のアセスメントと画像
この記事は『エキスパートナース』2018年10月号特集を再構成したものです。
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