Q. エアリークは何を意味するの?

患者要因としては、気胸による空気の漏れを意味し、その他の要因としては、ドレーンの抜けを意味します。

エアリークの量で、気胸の改善・増悪を推し量る

 エアリーク胸腔内からの空気の漏れを示しているため、気胸の状態の増悪を確認することができます(図1-①)。エアリークが少なくなれば気胸が改善していると考えることができますし、エアリークが増強していれば気胸の状態が増悪している可能性が考えられるわけです。

 しかし、エアリークはただ単に肺の状態だけを示しているものではありません。それ以外にもエアリークに関係しているものがあります。

図1 エアリークには患者要因と患者外要因がある

急なエアリークの増強は、ドレーンの抜けの可能性も

 胸腔ドレーンの水封部分の気泡は、水封部分より患者側にエアリークを起こす原因がある場合に見られます。特に吸引圧をかけている場合でわかりやすいのですが、胸腔ドレーンが抜けかけている場合や完全に抜けている場合、そして接続部が外れている場合には、エアリークの急な増強が起こりえます(図1-②)。

 このときには、胸腔ドレナージが効果的ではないだけでなく、胸腔内の陰圧が維持できなくなり危険な状態となる可能性があります。エアリークの原因を観察し、患者起因ではないことが確認された場合には、すぐに医師に報告するとともにすみやかに適切な処置が図られるように対処が必要です。

咳嗽・深呼吸時のエアリークは正常

 咳嗽時深呼吸時に一時的にエアリークを起こすことがあります。 それは咳嗽時や深呼吸時に過度な圧がかかることによって、胸腔内の空気が押し出されて一時的に引き起こされるもので問題はありません。 エアリークを起こしているときには、それが何を意味しているのか、原因を確認していくようにしましょう。

1.露木菜緒編:インシデント事例から学ぶ 重症患者のドレーン管理. 急性・重症患者ケア 2013;2(4).
2.二ツ森智子:胸腔ドレナージの管理. 救急看護&トリアージ 2013;4・5月号.

もう迷わない!胸腔ドレーン管理【第12回】エアリークはどう観察する?

この記事は『エキスパートナース』2018年12月号特集を再構成したものです。
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