3月23日、日本循環器学会・日本心臓移植学会は2学会合同で「心臓移植Status1A制度」の開始にあたり、制度改正について発表しました¹。

優先する選定基準として「Status1A」が設けられた

 心臓移植の「待機リスト」に登録している心臓移植希望者において、新たな選定基準として「Status1A」が設けられ、4月1日から運用されています()² 。

表 「Status1A」を含む 新しい心臓移植希望患者選択基準

Status1A
緊急に心臓移植を施行しないと短期間に死亡が予測される病態や疾患群で、予測余命1か月以内の60歳未満の者

Status1
Status1A以外で次の(ア)~(エ)までのいずれか1つ以上に該当する状態
(ア)補助人工心臓を装着中の状態
(イ)大動脈内バルーンパンピング(IABP)、経皮的心肺補助装置(PCPS)、セントラル体外式膜型人工肺(ECMO)、又は補助循環用ポンプカテーテル
(ウ)人工呼吸管理を受けている状態
(エ) カテコラミン等の強心薬の持続的な点滴投与を受けている状態

*カテコラミン等の強心薬にはフォスフォディエステラーゼ阻害薬なども含まれる

Status2
待機中の患者で、上記以外の状態

*ドナーが18歳以上の場合
*同一Status内でも、年齢やABO式血液型の一致/適合などを考慮して優先度を考慮する
(文献2を参考に作成)

 従来の心臓移植希望者の選定基準は優先度順にStatus1~3で、同じStatus内で親族への優先提供の意思や治療等の状況などの諸条件が同一の希望者が複数いる場合、待機期間が長い希望者を優先していました。ただ、Status1の希望者でもよりよいドナー条件を求めて移植を辞退することなどがあり、より緊急度の高い希望者を早期にマッチングするシステムが求められていました¹。

 今回運用が始まった制度では、「Status1A」として「緊急に心臓移植を施行しないと短期間に死亡が予測される病態や疾患群で、予測余命1か月以内の60歳未満の者」が定められ、待機中死亡率の低減や、LVAD*に適応がないために移植登録をあきらめていた患者に移植の機会ができることなどが効果として期待されています¹。

*【LVAD】left vantricular assist device:左室補助人工心臓。心臓移植を待つ間などに、心機能を補助するために患者自身の心臓に装着する装置。

1.日本循環器学会・日本心臓移植学会:心臓移植Status 1A制度開始にあたっての発表.
https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2026/03/status1a_media_01.pdf(2026.4.20アクセス)
2.厚生労働省:心臓移植希望者(レシピエント)選択基準.
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001526470.pdf(2026.4.20アクセス)

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