臨床場面でナースがとりたい画像からの情報をわかりやすく示します。今回は、人工呼吸器装着の原因となるARDSを画像で見るポイントを紹介します。

 人工呼吸管理中での画像の着目ポイントは第7回の記事を参照してください。

ARDSで胸部X線や胸部CTの浸潤影を見る

 急性呼吸促迫症候群(ARDS)は、両側の肺野に異常陰影をきたし、酸素化が障害(PaO2/FIO2≦ 300)された状態で、前項のような心臓を原因とした機序だけでは説明できないものと定義されます。通常、先行する重症病態(敗血症、肺炎、誤嚥などが多い)が存在します。

 胸部X線では両側の浸潤影が典型的ですが(図1)、非特異的で、これで診断できるというものではありません。胸部CTでは、重力の影響で背側優位に病変(浸潤影)が広がる像が特徴的です。

図1 肺炎球菌性肺炎からARDSへと進展した症例

図1 肺炎球菌性肺炎からARDSへと進展した症例

 ARDSの治療では比較的高い気道内圧をかけ、つぶれてしまった肺胞を広げようとする治療戦略(リクルートメント)が図られることが多いので、経時的に陰影の改善が得られているか、気胸や皮下気腫などの圧損傷が生じていないかをチェックします。

(第11回)

次の記事:VAPを胸部X線画像で見るポイント

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※この記事は『エキスパートナース』2019年4月号特集を再構成したものです。当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載および複製等の行為を禁じます。