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【連載中】看護師のがん終末期ケア

 がん終末期のケアにおいて、看護師が注意したいポイントをわかりやすく解説。根拠とともに確認していきます。

【第1回】痰の吸引をむやみにしない理由と代替ケア

〈目次〉
●終末期患者の喘鳴の原因とは?
●がん終末期における痰の吸引によるリスクとは?
●排痰の苦痛を緩和するケアとは?
●死前喘鳴とは?
●家族への対応のポイント

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【第2回】SpO2値のみを基準にしたがん終末期患者への高流量酸素投与はNG!

〈目次〉
●パルスオキシメータでのSpO2測定時の注意点は?
●がん終末期患者に高流量酸素投与は有効?
●がん患者の呼吸困難の特性

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【連載中】看護師が注意したい危険な心電図

 危険な心電図を見逃さないために、看護師が知っておきたい知識を解説!遭遇しがちな患者さんの状態・既往とあわせて、注意するべき心電図波形を紹介する連載です。

【第1回】心電図モニタ装着の目的は?代表的な不整脈を一覧で紹介

〈目次〉
●病棟で心電図モニタを装着する理由は?
●典型的な「不整脈」の一覧

①洞性頻脈(sinus tachycardia)
②洞性徐脈(sinus bradycardia)
房室接合部調律(A-V junctional rhythm、A-V ジャンクション)
④Ⅰ度房室ブロック
⑤Ⅱ度房室ブロック/ウェンケバッハ型房室ブロック(Wenckebach type A-V block)
⑥Ⅱ度房室ブロック/モビッツⅡ型房室ブロック(Mobitz typeⅡ A-V block)
⑦Ⅲ度房室ブロック/完全房室ブロック(Ⅲ°A-V block/complete A-V block)
⑧心房細動(af)
⑨心房粗動(AF)
⑩発作性上室性頻拍(PSVT)
⑪心室期外収縮(PVC)
⑫心室細動(VF)
⑬心室頻拍(VT)
●心電図波形の観察が必要なときとは?
●モニタ心電図の誘導(3点誘導)

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【第2回】術後に注意!洞性頻脈、心房細動、PSVTの波形の特徴

〈目次〉
●術後患者はどんな状態?
●術後患者に心電図モニタが装着されている理由は?
●洞性頻脈の心電図波形の特徴
●心房細動の心電図波形の特徴
●発作性上室性頻拍(PSVT)の心電図波形の特徴

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【連載中】in-out(水分出納)を確認すべき状況や病態とは?

 「in-out(水分出納)」は、患者さんの状態を評価するために重要な観察項目。in-outの乱れを示すサインや対応など、看護師が知っておきたい知識をわかりやすく解説する連載です。

第1回:水分出納の重要性と体液の機能

〈目次〉
●生体からのSOS信号の原因を探るため、in-outの確認を
・体の約60%を占める体液は、以下の機能を担っている
・脱水、溢水、出血により体液量を一定に保てなくなると、生体からSOS信号が!
・たかがin-out、されどin-out!

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第2回:水分出納でわかる!水欠乏性・Na欠乏性・混合性脱水の違い

〈目次〉
●脱水の種類とは
●水欠乏性脱水(高張性脱水)とは
●Na欠乏性脱水(低張性脱水)とは
●混合性脱水とは

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第3回:脱水の症状と輸液での正しい対応方法

〈目次〉
●ベッドサイドで注意したい脱水のサイン
●脱水時の尿の色、尿比重も観察を
●脱水の原因ごとの輸液の対応
細胞外液保管(類似)液(等張液)
●水欠乏性脱水(高張性脱水)への輸液
●Na欠乏性脱水(低張性脱水)への輸液

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第4回:水分出納の乱れで起こる溢水とは?サインと観察ポイント

〈目次〉
●溢水とは?
●ベッドサイドで注意したい溢水のサイン
●検査値や画像などでの溢水の観察ポイント
●溢水への薬剤投与、輸液投与

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そのほかの連載はこちら

川嶋みどり 看護の羅針盤 第260回

 20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。 

 この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。

何が変革の動機となったか
それは
看護実践を通じて得られた
喜びの共有であると思う

 看護師たちが最も評価してくれたのは、職場の人間関係の改善であった。新旧の相克(そうこく)や資格の相違による陰湿ないがみ合いがなくなった。何が変革の動機となったか。それは、看護実践を通じて得られた喜びの共有であると思う。

 人手が足りないからといって、 だれにも平等に平均的な看護を繰り返していただけでは進歩はない。限界を承知しつつ、 1~2人の患者に対して納得のいく看護の提供をはかることにより、主体的な力がついていく。その結果が確信となる。その体験の共有ほど現場を変える大きな力となるものはない。

(出典:『看護現任教育 プログラムづくりとその展開』26ページ、医学書院)

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川嶋みどり 看護の羅針盤 第259回

 20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。 

 この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。

チーム医療のなかで主体的な役割を発揮するためには
看護に何ができて何ができないかを
常に他のチームメンバーに情報提供すべきだ

 チーム医療のなかで主体的な役割を発揮するためには、看護に何ができて何ができないかを、常に他のチームメンバーに情報提供すべきだし、看護実践によって起きた患者の変化を客観的に説明できなければならない。そのためには、主体的な判断力と看護実践能力を高めるための研鑽や努力を抜きにはできない。

(出典:『チーム医療と看護 専門性と主体性への問い』34ページ、看護の科学社)

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川嶋みどり 看護の羅針盤 第258回

 20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。 

 この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。

観察の誤りを注意深く分析すると
次の3つの要素に分類される
①見落とし
②見過ごし
③先入観

 看護師の予期しない患者の急変や死亡・事故事例を集め、その過程を分析し次のような考察をした。すなわち、いずれの事例でも、看護師の観察の誤りがみられ、そのことが次の看護過程の要素につながっていき、結果として患者の病状の悪化や生命の危険、最悪の場合には死を招いたということである。

 観察の誤りを注意深く分析すると、次の3つの要素に分析される。
 ①見落とし、②見過ごし、③先入観

(出典:『新訂 看護観察と判断 看護実践の基礎となる 患者のみかたとアセスメント』51ページ、看護の科学社)

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川嶋みどり 看護の羅針盤 第257回

 20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。 

 この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。

安全性の追求が
看護の技術化へ一歩接近する
方法論である

 私たちは、安全性の追求が看護の技術化へ一歩接近する方法論であることを学び、この学習を通じて、看護技術の柱として“安全性”と“安楽性”を位置づけることは正しいと確信するに至った。

 すなわち、看護実践において、患者の安全と安楽を保証することは、患者の生命を守り、人間としての諸権利を守る人権尊重につながるということである。 そして、 安楽保持の最低の保証は、安全性を維持することにより得られるのである。

(出典:『看護における安全性』「まえがき」4、医学書院)

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川嶋みどり 看護の羅針盤 第256回

 20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。 

 この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。

入院や療養生活そのものが
その人の人生のひとこまであることを理解すれば
貴重な一日を
無為に過ごしてしまうことがあってはならない

 健康な若者にはきわめて理解しにくいことかもしれないが、高齢や病気であるということは、残された人生の持ち時間の限度を意識せざるを得ないということに通じる。したがって、ケアそのものが、一人ひとりの残された貴重な日々を大切にすることに通じることを教えたい。

 その入院や療養生活そのものが、その人の人生のひとこまであることを理解すれば、貴重な1日を無為に過ごしてしまうことがあってはならないだろう。

(出典:『看護の技術と教育 看護の時代3』60ページ、勁草書房)

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川嶋みどり 看護の羅針盤 第255回

 20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。 

 この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。

看護師として
生命と生きることの意味について
絶えず社会に
問題提起をしていかなければならないと思う

 人間の根元的な課題として、歴史的にも追求されつづけてきた生命の重みや生きることへの意味について、いまここで明快な回答が得られるはずはない。だが、生命の極限状況にあって、最も切実に生を希求する人々とのかかわりを通して、また、重い障害や難治の疾患との闘病をつづける人々の生きざまを通して、他のどの領域の人々よりも学ぶ機会の多い立場にある看護師として、生命と生きることの意味について、絶えず社会に問題提起をしていかなければならないと思う。

(出典:『看護学のすすめ』17ページ、筑摩書房)

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川嶋みどり 看護の羅針盤 第254回

 20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。 

 この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。

患者と看護師としての
自分をつなぐもの
それはケアであり
看護師の手そのものです

 看護における感性の大切さと感性に磨きをかけるポイントについて前章で触れました。しかし、その感性もただ相手と向き合っているだけでは、その力を十分に発揮できません。患者と看護師としての自分をつなぐもの、それはケアであり、看護師の手そのものです。
 「手のひら」の力を看護に生かし、 看護の原点に立ちましょう。

(出典:『看護技術の基礎理論』166ページ、ライフサポート社)

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川嶋みどり 看護の羅針盤 第253回

 20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。 

 この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。

専門的な学習のほかに
音楽や絵画をはじめ様々な芸術に触れ
登山やスポーツに汗を流したりすることのすべてが
看護に役立ち得るのである

 看護は人々の生活の中から生まれた機能である。その看護をよくしていくためにも、看護師自身が本当に人間らしい豊かな生活をすることが、生活者である患者や家族の気持ちや生活を知る上で大切なことである。(中略)

 専門的な学習のほかに、音楽や絵画をはじめ様々な芸術に触れ、登山やスポーツに汗を流したりすることのすべてが、看護に役立ち得るのである。そして、それは、他人に押しつけられたり強要されて行うのではなく、個々の人の持ち味で自分自身の生活をエンジョイすればいいのである。

(出典:『看護現任教育 プログラムづくりとその展開』14~15ページ、医学書院)

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川嶋みどり 看護の羅針盤 第252回

 20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。 

 この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。

業務のすっきりしない点を
すべて自分以外の要素に
結びつけてしまうことはないだろうか

 人手が足りない、看護以外の仕事が多い、忙しすぎる、医師との関係がうまくいかない、というような条件が先にたち、業務のすっきりしない点をすべて自分以外の要素に結びつけてしまうことはないだろうか。 そして、 結果として、なりゆきまかせの現状肯定論―しかたがないからあきらめよう―ということで妥協してしまうのである。それではいつまでたっても、看護業務はその本来の道を歩まないであろう。

(出典:『ともに考える看護論』51ページ、医学書院)

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川嶋みどり 看護の羅針盤 第251回

 20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。 

 この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。

同じ情報であっても
その情報を判断して
抽出する問題点の一致度は
決して高くない

 注意しなければならないことは、判断が分かれたときの処理の仕方である。患者の状態は流動的である。看護師によって見方が異なったり、判断が一致しないことがあるのは当然である。通常の場合は多数の見方が優先されると思われるが、 その場合でも少数の違った見方のあったことを記録に載せておく必要がある。

 かつて、著者らの行った研究であるが、同じ情報であってもその情報を判断して抽出する問題点の一致度は決して高くないことを知った。だからこそ、集団の判断思考の大切さと、同時にばらついた問題の処理について、 リーダーは十分配慮しなければならない。

(出典:『看護カンファレンス 第2版』13ページ、医学書院)

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川嶋みどり 看護の羅針盤 第250回

 20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。 

 この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。

看護独自の治療的な意味を
もっと深く掘り下げる必要がある

 現在話題になってきている看護業務の拡大にしても、診断業務の方向へ少しずつ向かおうとしていて、治療についての関心は薄いように思われます。そこで私はナースたちに「人間をケアすることの価値に目覚めよう」と大きな声で訴えたいのです。なぜなら、看護独自の治療的な意味をもっと深く掘り下げる必要があると思うからです。

 どこにその隘路(あいろ)があるのでしょうか。『看護の危機』にも出てきますが、「経済中心から倫理的価値観に基づく専門職としての実践へ」「機械的アプローチから精神性に価値を置く癒やしのプロセスへ」「機械的に反復する非倫理的な看護実践からより意識的で意図的なケアリング理論に導かれた職業的行動へ」「人為的なアメニティから真の癒やしの環境へ」「工業的生産ラインから関係中心のパートナーシップへ」、これらはすべてそれに対しての解決策です。

(出典:『看護の危機と未来 今、考えなければならない大切なこと』55~56ページ、ライフサポート社)

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川嶋みどり 看護の羅針盤 第249回

 20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。 

 この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。

看護技術研究に臨むとき
技術と科学の違いを
きちんと把握しておくことが必要です

 看護技術研究に臨むとき、技術と科学の違いをきちんと把握しておくことが必要です。
 技術ではその有効性が最大のテーマとなります。たとえば、「40℃の湯で15分間足浴をすれば眠れる」ということがわかれば技術として成立します。科学では、その背景を生理学や睡眠のメカニズムにまで迫って明らかにして、根拠を解析していきます。
 この点が技術と科学の違いであり、看護研究と生理学的研究の違いです。

(出典:『看護技術の基礎理論』128ページ、ライフサポート社)

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川嶋みどり 看護の羅針盤 第248回

 20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。 

 この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。

医師の行う診療と
看護師・保健師の行う
看護との違いを
明確にしておく必要がある

 在宅患者のホームケアの個人営業を計画すると、患者を取られるといって地域の医師から横やりが入ることもあることを聞くと、やはり、医師の行う診療と、看護師・保健師の行う看護との違いを明確にしておく必要がある。医師の医療行為の代行を行ったり診療の介助をすることだけが看護師の仕事ではないのである。

(出典:『看護の自立 現代医療と看護婦』100ページ、勁草書房)

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川嶋みどり 看護の羅針盤 第247回

 20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。 

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看護の理論は、患者のケアを高めることに役立ち
しかも
看護師が看護の実践をせずにいられない必然性を
動機づけるようなものでなくてはならない

 日常ケア研究会は、ベッドサイドの患者の立場に身をおいて、できるだけ患者の気持ちに近づきながら、患者の受けているもろもろの事実、看護師の行っている各種の行為を直視し、反省して、本来の看護のありようを考えるのが目的であった。

 しかし、回を重ねるにつれて、看護の理論は、患者のケアを高めることに役立ち、しかも、看護師が看護の実践をせずにいられない必然性を動機づけるようなものでなくてはならないと、今、しみじみと思う。

(出典:『CHECK it UP② 日常ケアを見直そう あなたの職場の看護チェック』「まえがき」5、医学書院)

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川嶋みどり 看護の羅針盤 第246回

 20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。 

 この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。

加害の立場からの
歴史の認識と
誠実なお詫びの気持ちは
忘れてはならないと思います

 その時、自分はそこにいなかったのだから知らない、関係ないで済ませてはいけないのです。

 日本の場合も、戦争で多くの被害を被ったことも事実です。生き残ったとしても、いまだにその傷跡が残ったまま苦しむ人々も多くいます。でも、加害の立場からの歴史の認識と誠実なお詫びの気持ちは忘れてはならないと思います。

(出典『戦争と看護婦』32ページ、国書刊行会)

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川嶋みどり 看護の羅針盤 第245回

 20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。 

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手を出さない看護を
看護と言えるのか

 直接手を触れず、機械越しにしか触れない、「本当にそれで看護と言えるの?画面上の選択肢でアセスメントをしてそれでいいの?」と、こういった状況すべてを私は危機的状況と言いたいのです。(中略)

 サンデロウスキーは質的研究のオーソリティですが、「脈拍を指先で触 れリズムと強度を診るといった五感と身体ツールの延長としての道具(聴診器)を排除し、モニター装置が到来して心電図、ディスプレイなど画面上の世界で患者監視を行い、機械のもたらす情報の判読・解釈で患者を把握している」と書いています。今、私が言ったことですよね。「結果として、新しい種類の手を出さない看護をもたらした」とも書いています。

 なんと皮肉な言い回しでしょうか。手を出さない看護を看護と言えるのかということです。こんなことを考えているのは私一人ではないんだなと思いました。

(出典:『看護の危機と未来 今、考えなければならない大切なこと』47~48ページ、ライフサポート社)

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川嶋みどり 看護の羅針盤 第244回

 20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。 

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現在のリスクマネジメントとして
行われている実態は、
患者その人をけっして
個として尊重する状況にはありません

 現在のリスクマネジメントとして行われている実態は、患者その人をけっして個として尊重する状況にはありません。看護倫理や生命倫理、人間の尊厳、人間性の尊重というように言葉だけはいっぱい謳われています。しかし、それが現実の場ではまったく生かされていないのです。

 つまり、「ここにいらっしゃる患者さん、あなたは私の大切な人」と思えば、間違いは起こさないのではないでしょうか。薬や処置は今日のオーダーに出ているかとか、副作用は大丈夫かとか、3回も4回もチェックしていろいろなことを考えると思います。

(出典『看護の危機と未来 今、考えなければならない大切なこと』40ページ、ライフサポート社)

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川嶋みどり 看護の羅針盤 第243回

 20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。 

 この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。

バイタルサインの測定は
毎時間ごとに実施しても
口腔内の清潔には
無関心である看護師がいないとは言えない

 すさまじいまでの医療行為の実 施により、患者の安楽性が二重に阻害されていると思う。処置や検査はその実施の結果が患者を安楽にするものであっても、その過程は患者を恐怖や不安に陥れる。医療技術の宿命的な性格とも言えよう。(中略)

 バイタルサインの測定は毎時間ごとに実施しても、口腔内の清潔には無関心である看護師がいないとは言えない。多忙を理由に、 身体や環境の清潔を省略したり、 食事の援助の手を抜いたりしていることも、多くの職場で見受けられることである。こうしたことは、患者の安楽を阻害するものでなくて何であろう。

(出典:『看護技術の現在 看護の時代 2』54~55ページ、勁草書房)

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川嶋みどり 看護の羅針盤 第242回

 20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。 

 この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。

教師は学生がどうすれば主体的に
学べるかを常に念頭に
おかなければならない

 学習は、優れて主体的な活動であり、誰かに命令されて行うのではなく、自分が学ぶのである。したがって、教師は、学生がどうすれば主体的に学べるかを常に念頭におかなければならない。(中略)

 高学歴化が進んでも、人々の生活の中から生まれ、一人の人の一生の過程における重大な出来事に直接関わる看護職者としては、研究や学問の成果を独占することなく、人々に公開し、謙虚に学び合うことが、今最も大切なことであると思う。

(出典:『看護の技術と教育 看護の時代3』78~79ページ、勁草書房)

そのほか「川嶋みどり 看護の羅針盤」の記事はこちら

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【連載まとめ】“急変未満”を見落とさない!

 ラウンド時にチェックしたい「急変未満の状態」。急変や重症化を防ぐためには、この状態を見落とさないことが重要です。ルーチン化せず意識的に患者さんをみるためのポイントを解説しています。

第1回:長期予後を悪化させないために!急変未満での対応

〈目次〉
●急変後は長期化しやすく予後が悪い
●急変後のイメージ
●患者さんを守るため“急変未満”を見落とさない

第2回:呼吸の変化で見抜く!急変未満のサイン

〈目次〉
●会話の様子から急変未満を見抜く
●呼吸のパターンから急変未満を見抜く
・努力呼吸の徴候
・呼吸しやすい体位は起座位または側臥位
・呼吸パターンがおかしいときにとりたい体位(例)
●呼吸数で急変未満を見抜く

第3回:脳卒中を急変未満で見抜く!意識障害を防ぐ観察のポイント

〈目次〉
●話しかけて意識状態をチェックし、急変未満を見抜く
・FASTに注意して脳卒中を見逃さない
・脳梗塞を疑ったらすぐにMRIへ
・脳梗塞対応の流れと「DWI-FLAIRミスマッチ」の例
・頸動脈エコーで脳梗塞の危険性を判断
・頸動脈のエコー観察例
●意識障害を招きやすい原因がないか確認して急変未満を見抜く

最終回:ショックの前に!循環異常を急変未満で見抜くには

〈目次〉
●爪・皮膚の色で循環異常を急変未満で見抜く
・CRT(毛細血管再充満時間)でのチェック
・「Mottling score」(斑状皮膚スコア)
・ショックを疑ったら血ガスで“乳酸値”をみる
●胸痛の緊急性を考えて急変未満を見抜く
・心筋梗塞対応の流れ

そのほかの連載

【連載まとめ】日常治療・ケアの「そこが間違い!」

 思い込みで行ってしまった日常的な治療・ケアが症状の悪化や事故の原因になることも。看護師が知っておきたい、注意が必要なポイントを解説します。

第1回:術後疼痛管理における鎮痛薬の選択:機序の異なる薬剤の組み合わせ

〈目次〉
●術後疼痛対策に用いる薬剤はNSAIDsだけでよいわけではない!
●NSAIDsは腎機能低下や消化管障害の患者には注意が必要
・NSAIDs の副作用
●NSAIDsが使用できない場合は、アセトアミノフェンの使用を考慮
●多角的鎮痛が疼痛対策のポイント
・NSAIDsとその他の鎮痛薬

第2回:NSAIDsの使い分けとアセトアミノフェン使用時の注意点

〈目次〉
●NSAIDsの剤形ごとの使い分け
1)静注薬:経口摂取ができない手術直後の患者に使用
2)坐薬:意識状態が悪いときや吐気が強い、 座位を保持できない患者などに使用
●効果の強さに応じたNSAIDsの使い分け
●アセトアミノフェン使用時の注意
・アセトアミノフェンの最大使用量は1日4,000mg
・術後の患者には注射薬を使用する

第3回:習慣的な蓄尿による感染の危険性と代用評価法

〈目次〉
●尿測目的の蓄尿をルーチンで行ってはいけない!
●蓄尿の目的とは?
●蓄尿によって薬剤耐性菌が増加する
●蓄尿の代わりとなる測定方法は?
●診断に必要で他の方法で代替不可な場合は蓄尿を行う
●蓄尿は最長24時間

第4回:温罨法で腹痛が悪化する?効果と危険性を解説

〈目次〉
●腹痛時、すぐに温罨法を行ってはいけない!
●腹痛が起こる原因は?
・疼痛の部位と原因疾患
●温罨法の効果は?
●温罨法が禁忌となる場合は?
●温罨法の効果は明確にはなっていない

第5回:気管切開術中の高濃度酸素と電気メスの使用による引火のリスク

〈目次〉
●気管切開術中に高濃度酸素を使用してはいけない!
●気管切開術によって、火災や熱傷事故が引き起こされることがある
1)高濃度酸素投与中の気管切開が危険
2)漏出する酸素により、大事故につながりやすい
●事故の予防法:引火の原因がないかを確認し、タイムアウトを行う
1)高濃度酸素と電気メスの使用をできるだけ避ける
2)医療チームで、引火の可能性・危険性を共有しておく
●事故発生時の対処:チューブを抜去・消化し、呼吸を再開する

最終回:アイスマッサージによる摂食嚥下訓練の効果と適応

〈目次〉
●摂食嚥下訓練のアイスマッサージは、すべての患者に行うわけではない!
●アイスマッサージで嚥下反射を誘発する
●アイスマッサージの効果が疑問視されている
1)反射を訓練することはできない
2)嚥下反射が生じる部位と刺激部位が異なる
●アイスマッサージの効果がある患者の例
1)意識レベルが低下している患者
2)嚥下頻度が低下している患者
●適応症を選んでアイスマッサージを行う

そのほかの連載記事