【参加者募集】看護についての考えや悩みを編集部員と話しませんか?
『エキスパートナースweb』では、看護専門のウェブサイトや雑誌制作の参考にさせていただくため、オンラインでのヒアリングの参加者を募集しています。ふだん考えていることやお悩みなどを、編集室スタッフとお話しませんか?
ヒアリング参加者には雑誌『エキスパートナース』と書籍をプレゼント!
日々の業務や勉強のなかで、「本当に知りたい情報が見つからない」「現場で役立つコンテンツがもっとほしい」「こんなテーマを記事で取り上げてほしい」などと思ったことはありませんか?
『エキスパートナースweb』では、ナースの皆さんにとってより役立つ記事やコンテンツをお届けするため、オンラインでのヒアリングにご協力いただける方を募集しています。
ヒアリングでは、日頃の業務や学習での悩み、看護に役立つWEBコンテンツへのご意見などをお伺いします。現場で感じていることを、ぜひお気軽にお聞かせください。
ご参加いただいた方には、雑誌『エキスパートナース』のバックナンバー(最新号~過去1年間発行分)からご希望の1冊と、弊社発行指定書籍からご希望の1冊、計2冊をプレゼントいたします!
こんな方はぜひご参加を!
・看護の学習や情報収集を日常的に行っている方
・看護師向けのWEBコンテンツづくりに協力してみたい方
・看護の学習に雑誌やWEB記事、セミナーなどを活用している方
・「看護に役立つこんなコンテンツがあったらいいのに」との思いがある方
ヒアリング開催概要
日程:7月21日(火)~7月31日(金)の期間の平日いずれか1日
形式:オンライン(Zoom)にて、参加者の方数人+編集室スタッフで実施
所要時間:2時間程度
対象:看護師、准看護師、看護教員等の方
https://questant.jp/q/expertnurseweb_202607
※応募締切:2026年7月10日(金)12:00まで
※ご参加をお願いする場合のみ、2026年7月15日(水)までに編集部より詳細をメール差し上げます。
日本老年看護学会が『認知症の人と医療機関の架け橋となる看護への提言』を公開
日本老年看護学会が、『認知症の人と医療機関の架け橋となる看護への提言』をホームページで公開しました。認知症看護の質向上をめざして作成された、同提言の概要を紹介します。
認知症基本法、身体的拘束の最小化等を受けて刷新
2026年3月、日本老年看護学会は『認知症の人と医療機関の架け橋となる看護への提言』を同会ホームページで公開しました(表1)。同提言は、2016年に公表された『「急性期病院において認知症高齢者を擁護する」日本老年看護学会の立場表明 2016』(以下、『立場表明2016』)を見直し、刷新したものです。
『立場表明2016』は、急性病院に入院する認知症高齢患者への援助不足を改善するために、同会の立ち位置を示すものとして作成されました。その『立場表明2016』の表明から10年が経ち、認知症を取り巻く社会の状況が大きく変わったとし、同会は、看護職が認知症の人と家族に向けてよりよい看護実践を探求する際の道標になるよう同提言をまとめたとしています。“社会状況の大きな変化”としては、2024年に施行された「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」(認知症基本法)、同年の診療報酬改定による「身体的拘束の最小化」等が挙げられます。
認知症看護での目的意識をチームで確認する際に活用できる
『立場表明2016』の見直しにあたって、同学会会員へのweb調査と並行して、認知症の人とその家族にこれまでの受療経験をふまえたヒアリングやアンケートを実施しています。老人看護専門看護師・認知症看護認定看護師を対象のグループインタビュー、認知症療に携わる医師による意見等を含め、推敲が重ねられました。同会ホームページにて同提言の詳細が確認できるため、認知症看護での目的意識をチーム内で確認するためにも活用できます。
同会は同提言を看護職と共有することで、医療機関が認知症の人と家族にとって安心できる場となっていくこと、認知症看護の質向上を図り、認知症の人と医療機関の信頼を確固たるものにすることをめざしています。
表1 認知症の人と医療機関の架け橋となる看護への提言
提言1 看護職は、自らの認知症に対する認識を振り返り、時代に合う認知症観へと更新していきます。
提言2 看護職は、認知症の人をひとりの人としてとらえ、認知症の人の日々の意向に気づき、誠実に意思決定支援を積み重ねていきます。
提言3 看護職は、認知症の人ならびに家族との対話を通して、認知症の人が望む生活を共有し、その実現に向けた最善の看護を提供していきます。
提言3-1 安全の確保と意思に基づく行動の自由を両立していく看護
提言3-2 認知症の人の言葉や表情、振る舞いに深い関心を寄せ、伝えたい思いに真摯に向き合う看護
提言3-3 受療前後の生活の継続性に注目し、認知症の人の「できること・やりたいこと」を引き出す看護
提言3-4 医療機関の内外に在るさまざまな人々と手を携え、認知症の人と家族の多様なニーズに応える看護
提言3-5 認知症の人にとって居心地がよく、本人の持てる力を引き出す環境を創る看護
提言3-6 これまでに表明された認知症の人の思いを紡ぎ、自分の人生を生きることを守る看護
提言4 看護職は、認知症の人の家族が置かれている状況や揺れ動く気持ちを受け止め、最善の選択と対応ができるよう支援していきます。
提言5 看護職は、地域共生社会の中で、医療機関が認知症の人と家族から信頼される存在となるよう日々の看護実践に力を尽くしていきます。
- 1.日本老年看護学会:認知症の人と医療機関の架け橋となる看護への提言(簡易版).
https://rounenkango.com/houkoku/pdf/ninchi_kakehasi_teigen_short.pdf
2.日本老年看護学会:認知症の人と医療機関の架け橋となる看護への提言(詳細版).
https://rounenkango.com/houkoku/pdf/ninchi_kakehasi_teigen_detail.pdf
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ICU看護とは?集中治療・クリティカルケアの基礎知識とICU看護師の役割
ICU看護とは何かを基礎から解説。ICU・集中治療医学・クリティカルケアの定義を確認しながら、ICU看護師の役割、求められる知識・スキルを紹介します。ICU看護の全体像を学べる入門記事です。
※本記事は『新 これならわかるICU看護』の内容を再構成したものです。
- ●ICU看護の概念
・ICUと集中治療医学
・集中治療とクリティカルケア
・ICU看護(クリティカルケア看護)とは
・クリティカルケアは、ICU以外の場で必要とされることもある
●ICU看護師の役割
・基盤となるのは「安全に」基本的看護を提供すること
・安全な看護提供のため、患者さんの全体像を知ることが必須
・チーム医療の要となるために、基盤となる知識を身につける
・正しい知識をもち「患者さんのための最良」を追求する
●本書が「看販会看護書大賞2026」にノミネート!
ICU看護の概念
ICUの患者さんは「生命の危機状態」にある
ICUと集中治療医学
ICU(集中治療室)は「内科系、外科系を問わず、呼吸、循環、代謝、その他の重篤な急性機能不全の患者さんを収容し、強力かつ集中的に治療看護を行うことによりその効果を期待する部門」1)と定義されています。
また、ICUで行われている集中治療医学は「生命の危機に瀕している急性期重症患者を救命、安定化して、原因となった疾患を解明して治療へと導く急性期全身管理医学である。重症患者の全身状態を病態に即して至適な状態に維持するtitrating therapy(侵襲にさいなまれた身体を癒す)を主として行い、原因疾患の治療と回復を図る。このための診断、モニタリング、治療、病態生理の解明がその学問体系である」2)とされています。集中治療を専門に行う医師がintensivist(インテンシヴィスト)です。
集中治療とクリティカルケア
集中治療(intensive care)は、多くの場合、主に専門ユニット(ICU)で行われる治療・看護そのものや環境をさします。一方、クリティカルケア(critical care)は、やや包括的・総合的な概念で、ICU以外の高度救命救急センターや各科の重症管理病棟などで行われる治療・看護も含みます。
クリティカルケアは、生命の危機状態にある患者さんに対するキュア(cure)とケア(care)を併せた概念です。キュアは「治療」、ケアは「疾病などの影響によって、さまざまな苦痛(症状)を取り除いたり、少しでも安楽な状態へ導いたりすることをさし、もともと米国などで広く用いられています。
現在では「クリティカル(生命の危機的な状態、重篤な状態)な患者さんをケアする」という意味で、日本で用いられるようになり、集中治療とほぼ同義に扱われています。
ICU看護(クリティカルケア看護)とは
AACN(米国クリティカルケア看護師協会)は、クリティカルケアを「看護のなかでも特に生命に危険を及ぼしている健康問題に対する人間の反応を診断し、専門的にケアする分野」と定義しました。
また、日本では「急激に生命を脅かす重度の侵襲にさいなまれた人々(患者さん)に対してさまざまな生体反応を緩和し、現在ある機能を最大限に高めてゆく援助である」3)と定義づけられています。
すなわち、ICU看護とは、種々の健康問題によってこれらの機能が破綻し、生命の危機的状態に陥った(または、そのリスクが著しく高い)急性かつ重篤な患者さんの健康問題をアセスメントし、重篤化を回避しながら早期回復に向けた看護実践であるといえます。
その看護実践の提供は、24時間継続して、患者さん2人に対して看護師1人配置が最低の単位体制で行われることが特徴です。
生命の危機状態=ホメオスタシスが破綻した状態
生命の危機的状態とは「生命を脅かす重篤な健康問題(潜在的、顕在的)があり、それに対して身体機能の安定や合併症の予防、最大限の人間らしさを保つために、集中的・濃厚な介入(治療・看護)を持続的に必要とする状態」のことです。
そのような状態にある患者さんが、過大な侵襲を受けると、身体のみならず心理・精神的にも、社会的にも、生命を営むうえでの重大な機能的変調が生じます(→本書p22)。その結果、ホメオスタシス(恒常性)の破綻をきたし、いわばカタストロフィ(安定の破綻)の状況に陥ってしまうのです(図1)。

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「重篤な健康問題」の原因はさまざま
①先天性の障害
(先天性心臓疾患、超・極・低出生体重児など)
②後天性疾患
(心筋梗塞、重症呼吸不全(急性呼吸窮迫症候群/ARDS)など)
③事故
(外傷:交通事故、重症熱傷を含む重度外傷)
④医学的治療
(大手術:心臓手術、臓器移植など)
クリティカルケアは、ICU以外の場で必要とされることもある
クリティカルケアは、一般的にICUで行われます。しかし、必ずしもICUで救命を目的としてだけ行われるものではありません。救命を目的とせずとも、集中ケアが必要な場(一般病棟など)も、クリティカルケアを実践する場に該当します。
また、ICUは、管理別・疾患群別など複数の種類に分類されます。高密度な医療を提供するICU(集中治療室)、CCU(冠動脈疾患ICU)、三次救急医療の初療室、その他の生命の危機状況にある患者さんへの救命治療を行うHCU(ハイケアユニット)、SCU(脳卒中ケアユニット)などです。
ただし、日本においてはその形態が施設によって種々に異なるのが現状です。日本に多いのは、いわゆる総合ICU(general ICU)、 高度救命救急センターなどが有する三次救命救急ICU(Emergency ICU)です。
ちなみに、総合 ICUは、以下のような入院患者さんを収容対象としています。
●各種の基礎疾患を有し、過大侵襲を伴う大きな手術を受けた患者さん(高齢者、小児を含む)
●呼吸・循環機能低下など、術後合併症の種々のハイリスク因子を有する患者さんの術後管理
●各種慢性疾患(心、肺、腎、肝、脳神経、血液など)の急性増悪、あるいは、これらの基礎疾患に重篤な合併症を伴った患者さんの集中ケア
●病院内で発生した重篤な急変患者に対するすみやかな全身管理
ICU看護師の役割
患者さんの代弁者としてチーム医療の要となる
ICU看護の役割は、大きく2つに分けられます。
①生命の危機状態にある患者さんの病態変化を予測した重篤化の予防
②廃用などの二次的合併症の予防および回復のための早期リハビリテーション看護を管理・実践すること
基盤となるのは「安全に」基本的看護を提供すること
ICUで行われるケアは多岐にわたりますが、実践されるケア内容が、他分野の看護ケアと大きく異なるわけではありません(図2)。基盤となるのは、日常生活にかかわる基本的看護の実践です。

そのうえで、情報収集(全身観察、種々の身体計測、生体モニタリング情報・高密度なバイタルサイン測定の綿密な確認、全身のフィジカルイグザミネーション)を行い、得られた情報をもとに、総合的な臨床推論とアセスメント(全身状態の評価)を行います。そして、それらを根拠とした臨床判断および看護計画と評価、専門的な記録と報告、レコメンデーションを行うわけです。
安全な看護提供のため、患者さんの全体像を知ることが必須
ICUに入室している患者さんは、さまざまな原因からクリティカルな状況に陥っています。しかし、原因がどうであれ、多くの患者さんには共通の生体反応がみられます。その反応を緩和・正常化することが、ICU看護では最も重要です。
クリティカルな状況にある患者さんの全体像を理解するためには、疾患ベースだけの知識では足りません。このレベルで看護過程を展開しても、患者さんの有する問題を解決するための看護実践を提供することはできないのです。
ICU看護とは「急激に生命を脅かす重度の侵襲に急性的にさいなまれた患者さんに生じているさまざまな生体反応を緩和し、現在ある機能を最大限に高めてゆく援助」です。患者さんの心身両面から基本的なアセスメント・臨床推論に基づく臨床判断を行って、タイムリーに必要とされるベストなケアを選択・実践し、早期回復へと導く援助技術だといえます。
そのためには、侵襲のレベルと生体のストレス反応の様相、時期に相応した優先性とバリエーションを理解することが重要です。なぜなら、患者さんの多くは侵襲を受け、そこから離脱・回復するまで続く呼吸・循環・代謝を中心とした複雑かつダイナミックな病態にさらされているからです(→本書p22)。
したがって、ICUに入室している間(超急性期から安定をみるまでの時期)は、①循環調節とそのための呼吸調節、②免疫応答調節、③炎症反応の調節、④エネルギー代謝の調節、⑤ホメオスタシスの維持・調節を前提とした救命的治療と看護を優先すべきです。
その際のフィジカルな看護アプローチの視点は「その時点で、患者さんに不都合となる全身管理と看護ケアを回避すること」となります。
このような看護を実践するために、経験とともにさまざまな能力を育んでいくことが望まれているのです(表1)。
表1 ICU看護師に必要な能力
●短時間内での客観的洞察能力
●細胞レベルでの思考・分析能力
●不測・不慮の事態への迅速な処理能力
●危機的状況を短時間で判断する能力
●日常-非日常を区別する能力
●アサーティブに表現・主張する能力
●対人関係・コミュニケーションの能力
●患者アドボケイトを実践する能力
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経験と学習を重ね、リーダーとなったら…
●実践を通じて看護過程の分析・評価を行い、それに基づいて他者に指導する力
●患者さんと家族の意思決定にかかわる問題の調整と支援を行う力
●倫理的問題の調整を行う力
●コンサルティングを行う力
●実践を通じた研究的活動を行う力 なども必要
チーム医療の要となるために、基盤となる知識を身につける
チーム医療は「多種多様な医療者が、各々の高い専門性を尊重し、目的と情報を共有し、業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い、最大限の能力を引き出し合うことで、患者さんの状況に的確に対応した最善の医療を提供する取り組み」4)です。
患者さんの健康を維持・回復するために、必要な多職種の専門家と重要他者(家族またはそれに相当する人的資源)が協働・連携しながら医療サービスを提供します(表2)。

チーム医療の実践が、医療の効率化とアウトカムの改善につながること、種々発生する問題に対する問題解決が円滑にゆくことなどが明らかとなっています。また、医療者による協調的コラボレーションの向上により、①疾病の早期発見・回復促進・重症化予防など医療・生活の質の向上、②医療の効率性の向上による医療者の負担の軽減、③医療の標準化・組織化を通じた医療安全の向上なども期待されています。
密なコミュニケーションがカギとなる
多くの場合、チーム医療におけるチームリーダーは医師です。しかし、患者さんにとって最も効果的な治療法や方針を検討するためには、各専門分野でそれぞれの職種が医師と対等な立場で所見を述べ、コミュニケーションを密にすることが必要です。
場面によっては、医師以外の職種がチームリーダーの役割を担うこともありますし、医師と他の医療職の協働に限らず、専門分野の壁を越えた医師同士・看護師同士の協力体制をとる場合もあります。
加えて、純粋な医療者だけでなく、医療情報のデータベース化を担う医療事務スタッフなどがチーム医療のメンバーとなることもあります。
多職種連携には「基盤となる知識」が必要
今後、ICUにおいては、多職種が高度な専門性を発揮し、協働連携するチーム医療の必要性がますます高くなっていくでしょう。
そのためには、関係職種同士がそれぞれの専門性を共有・理解し、互いに尊敬し合いながら、各職種の知識・技術の高度化への取り組みや、ガイドライン・プロトコルなどを活用した治療の標準化の浸透などが必要です。
また、患者さん・家族とともにより質の高い医療を実現するためには、各医療職の高い専門性に委ねつつも、これをチーム医療という活動スタイルを通して再統合していくことが重要となります。
正しい知識をもち「患者さんのための最良」を追求する
ICUは、高密度な治療とケアを提供する場です。看護師は、患者さんの特徴と問題点を十分に認識・理解したうえで看護を実践しなければなりません。
そのためには、真に「患者さんのため」の医療が提供されるよう、患者さんの代弁者としての役割を発揮できるよう、実践者が、患者さんに提供されている医療を正しく牽引できる力が必要です。
その目的を果たすため、ICU看護を提供する看護師には、疾患(disease)の特徴と病態生理(pathologic physiology)、それによる心理も含めた生体反応と回復過程の特徴および治療を含めた対応策を正しく理解することが求められます。
そのうえで、個々のケースにおいて優先的に改善すべき健康問題は何か、また、それに対する優先すべき緩和・改善策は何かを判断・実践することが期待されます。
- 1)ICU研究会・日本麻酔学会:ICU設置基準(厚生労働大臣の定める施設基準特定集中治療室管理の施設基準 保険局長発第8号 ), 1973.
2)今井考祐:集中治療医学の定義.日集中医誌 2009;16:503-504.
3) 道又元裕:クリティカルケア看護の特性.山勢博彰,道又元裕編,系統別看護講座別巻クリティカルケア看護学第2版,医学書院,東京,2020:2-10.
4)厚生労働省:チーム医療の推進について.https://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/03/dl/s0319-9a.pdf(2026.3.19アクセス).
本書が「看販会看護書大賞2026」にノミネート!

新 これならわかるICU看護
道又元裕 監修
夛田 覚 編
B5・272ページ
定価:3,520円(税込)
照林社
この記事の続きは書籍で! 本書は、「看販会看護書大賞2026」の「フレッシュナース部門」にノミネートされています。投票を受け付け中ですので、ぜひチェックしてみてください。
「看販会看護書大賞2026」の詳細・投票はこちら
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【連載まとめ】がん薬物療法レジメンまるわかりBOOK
『がん薬物療法レジメンまるわかりBOOK 第2版』の試し読み記事を公開!がん薬物療法のレジメンの見方・読み方や、副作用としてみられる末梢神経障害と味覚障害についてわかりやすく解説します。
【第1回】レジメンの見方とは?抗がん薬・副作用の基礎知識
〈目次〉
●レジメンの見方
・レジメンの名称
・抗がん薬による副作用リスクの確認
・その他のチェックポイント
●レジメンに含まれる抗がん薬の理解
・レジメンに含まれる抗がん薬の種類
●副作用の理解
・副作用の発現頻度
・発現頻度とGradeの考え方
・発現時期
【第2回】がん薬物療法の副作用対策:末梢神経障害の症状、アセスメント、ケアのポイント
〈目次〉
●抗がん薬による末梢神経障害のしくみ
1 感覚神経の障害(急性)
2 運動神経の障害(慢性)
3 自律神経の障害
●末梢神経障害の症状を起こしやすい薬剤
●末梢神経障害のアセスメント
●末梢神経障害のケア
1 症状の予防·緩和
2 二次障害の防止(感覚障害に伴うリスク)
3 精神的な支援(症状がよくならないことへの不安)
●末梢神経障害の患者説明・セルフケア支援
【第3回】がん薬物療法の副作用対策:味覚障害の症状、アセスメント、ケアのポイント
〈目次〉
●抗がん薬による味覚障害のしくみ
●味覚障害を起こしやすい薬剤
●味覚障害の観察・アセスメント
●味覚障害の患者指導・セルフケア支援
そのほかの連載はこちら
映画『急に具合が悪くなる』往復書簡の世界を描くために取り入れたユマニチュード
6月19日(金)公開の映画『急に具合が悪くなる』。パリの介護施設の施設長とがん闘病中の演出家、同じ名前の響きをもつ女性2人が偶然出会い、絆を深めていく物語です。映画化にあたり、ユマニチュードが取り入れられた背景についても紹介します。
カンヌ国際映画祭で最優秀女優賞をW受賞
第79回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、主演のヴィルジニー・エフィラさんと岡本多緒さんが最優秀女優賞を受賞した、『急に具合が悪くなる』。『ドライブ・マイ・カー』でアカデミー賞®国際長編映画賞を受賞した濱口竜介監督の最新作です。
原作は、がんの転移を経験しながら生き抜く哲学者・宮野真生子さんと、臨床現場の調査を積み重ねた人類学者・磯野真穂さんが交わした、20通の往復書簡からなる同名書籍。映画では主人公をフランス人と日本人に置き換え、原作のエッセンスをすくいあげた新しい物語を展開しています。

理想の介護を追求するマリーと、余命半年の舞台演出家・真理
パリ郊外の介護施設「自由の庭」のディレクターとして、理想の介護を探求するマリー=ルー(演:ヴィルジニー・エフィラさん)。知覚・感情・言語による包括的なケア技法である「ユマニチュード*」を浸透させようと奮闘しています。ユマニチュードの研修を推進するものの、人手不足を理由に現場からは反発が起こります。
そんなある日、マリー=ルーは偶然出会った日本人の舞台演出家・森崎真理(演:岡本多緒さん)の公演を観に行くことに。上演後の質疑応答で、マリー=ルーの問いかけに対し、真理は進行がんで余命半年であることを伝えます。
劇場の外で待ち合わせ、日本語とフランス語を交えながらお互いのことを伝え合う2人。少子高齢化や資本主義といった社会の構造、ユマニチュード、死について……。会話は止まらず、夜通し語り合い、お互いがお互いの唯一無二の友人となります。
2人の絆が深まっていくなか、真理の病は進行していき――。彼女たちがともに過ごし、魂を通わせたひとときが、3時間16分の上映時間に凝縮されています。
ユマニチュード
フランスで生まれた、知覚・感情・言語による包括的なケアの哲学・技法。ケアを受ける人を「対象」ではなく、「人間」としてとらえる。「見る」「話す」「触れる」「立つ」の4つの要素を柱とし、複数を組み合わせながらケアを行う。さらに、すべてのケアを1つの物語のように一連の手順で実施する。
*ユマニチュードについての詳細はこちら

ベテラン看護師とのケアに対する価値観の違い
意見の相違からマリー=ルーと激しく対立するのが、ベテラン看護師のソフィ(演:マリー・ビュネルさん)。年3回ユマニチュードの研修に人員を割くことを、「現場の現実と合わない」と批判します。また、入居者の「歩く」行為を重視する方針にも、転倒リスクの点から疑問を呈します。
ケアに対する価値観が異なるものの、現実的なプロフェッショナルとして描かれるソフィ。真理との出会いを果たしたのち、マリー=ルーはソフィに歩み寄ることを決断します。さらに、理想を追い求めることに対する彼女の考えも明らかになり……。
他者を理解することの難しさ、それでもあきらめずに対話をした先にある喜びを映し出しています。
往復書簡を映像化するために盛り込まれたユマニチュードと演劇
往復書簡として構成された原作を映画化するにあたり、濱口監督は「距離」が必要だと考えたとのこと。その「距離」をつなぐ要素として思い当たったのが、以前から興味があったというユマニチュードでした。
濱口監督は、「この技法がめざす、高齢者個々の人生を活性化させようとする態度は、お2人の往復書簡ともつながるような印象があったからです。(中略)『介護』という行為が、単に抽象的に論をやり取りするだけでない『アクション』を映画にもたらすだろうとも考え、ここでようやく『急に具合が悪くなる』を映画にするうえでの筋道が立ったような気がしました」と語っています。
ユマニチュードに加えて濱口監督が盛り込んだのが、真理の演劇です。真理が手がけた公演「Da vicino nessuno è normale. 近づいてみれば、誰もまともな者はいない」は、イタリアで精神病院がどのように廃絶していったかをテーマにした物語。長塚京三さん演じる清宮吾朗が主演俳優として登場します。

主人公は精神病院でディレクターを務め、イタリア精神医療改革の中心的存在となったフランコ・バザーリア。文化人類学者・松嶋健さんの『プシコ ナウティカ―イタリア精神医療の人類学』(世界思想社)を参考とし、濱口監督がオリジナル戯曲を書き上げました。
同書に記された「〈人間〉に対するアニミズム」について、濱口監督は「『アニミズム』という言葉は、本来は魂を持たない存在に魂を感じることを指すわけですが、何よりも人間が人間を『魂をもった存在』として扱うことができていない、それをさせないのがこの社会なのではないか。そのことをこれほど端的に指摘した言葉はないように思われ、それを問題にする姿勢は『急に具合が悪くなる』とも響き合うように感じました」と話します。

「誰が精神病院を解体できると思った?重要なのは不可能が可能になることを示したことだ」との吾朗の言葉。困難な状況のなかでも希望を見いだしたくなる、そんな思いに寄り添ってくれます。
それぞれの方法で生と死を見つめながら、ともに過ごせる短い時間のなかで交流を深めていくマリー=ルーと真理。偶然が導いた2人の結びつきを、静けさをたたえた映像のなかで丁寧に描き出しています。
『急に具合が悪くなる』
6月19日(金)TOHO シネマズ日比谷ほか全国ロードショー出演:ヴィルジニー・エフィラ 岡本多緒 長塚京三 黒崎煌代
監督:濱口竜介
原作:宮野真生子・磯野真穂著『急に具合が悪くなる』(晶文社)
製作:Cinéfrance Studios, オフィス・シロウズ, ビターズ・エンド, Heimatfilm, Tarantula
配給:ビターズ・エンド
提供:Soudain JPN Partners フランス=日本=ドイツ=ベルギー合作
映倫:G
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『風、薫る』医事考証に聞く、医療描写のリアルと明治のナース
NHK連続テレビ小説『風、薫る』の医事考証を担当する冨田泰彦先生にインタビュー。手術シーンや医療器具の再現へのこだわり、明治期のナースの姿、今後の医療的見どころなど、詳しく語っていただきました。
話を聞いたのは
冨田泰彦先生
杏林大学 医学部医学教育学 特任教授、同付属病院 総合研修センター 副センター長杏林大学医学部脳神経外科、救急医学(高度救命救急センター)にて診療・研究・教育に従事。日本医学史学会・医学史教育に関する委員会・委員。漫画およびドラマ『JIN-仁-』(集英社/TBS)の医療監修をきっかけに、NHK大河ドラマ『龍馬伝』『どうする家康』、NHK連続テレビ小説『らんまん』『虎に翼』『あんぱん』など、多数のドラマや漫画の医療監修・医事考証・医事指導を担当。
ワイシャツにベスト、今井教授の手術シーンはどこまで本当?
――「医事考証」とはどのような役割なのでしょうか。
『風、薫る』の医事考証では脚本の第1稿から目を通し、医療描写が医学的・時代的に合っているかを確認します。問題ない場合は「○」、専門家が見ると違和感があるものは「△」、絶対だめなものは「×」という3段階に分けています。例えば、手術をする病気として一般の視聴者にもなじみのある虫垂炎が脚本に書かれていましたが、明治期は手術適応ではありませんでした。なので、「△」をつけて「違う病気にしたほうがいいです」といったコメントをして調整してもらう、そうしたことの積み重ねです。
――劇中で今井教授(演・古川雄大さん)がワイシャツ、ベストという日常着のままで手術をするシーンがありました。時代設定は1888(明治21)年とのことですが、当時は手術着や手袋、マスクを着用せずに手術をしていたのでしょうか。
手術について、明治20年代までは写真の史料があまりなく、イラストや文章で確認をしました。『東京大学医学部百年史』には、お雇い外国人でドイツ人外科医のユリウス・スクリバが、シャツの袖をまくり、チョッキの上に革の前掛けをして手術を行ったと書かれています。これになぞらえて、今井教授の手術シーンはあのスタイルになりました。明治20年代以降、だんだんと割烹着のような手術着が広まっていきます。

世界の外科医の手袋について調べた論文によると、1890(明治23)年では着用率は5%程度。1900(明治33)年で28%です。100%になるのは1950(昭和25)年とのことでした。
ちなみに、手術用のゴム手袋は1889(明治22)年にアメリカで開発されました。ジョンズ・ホプキンズ大学の外科医で、乳がんの術式の名前にもなっているハルステッドが、タイヤメーカーに開発を依頼。なぜゴム手袋をつくろうとしたかというと、手術室看護師の婚約者の手が消毒薬で荒れていたからだそうです。人間味のあるお話ですよね。
マスクについては、明治30年ごろから有効性が提唱され始めましたが、社会的に普及したのは1918(大正7)年のスペイン風邪がきっかけ。日本で使い捨てのマスクが一般的になったのは1960年代です。マスクの歴史については、北多摩薬剤師会のサイトに詳しく紹介されています。
手術シーンで横から噴射しているのは、消毒薬の石炭酸(フェノール)です。当時はまさに、細菌学が発展していく時期。それ以前は、ナイチンゲールが悪い空気(ミアズマ)が病気の原因だから換気が大切、ということを唱えていたように、社会的にも医学的にも、細菌という定義がきちんと理解されていなかったんです。
1870年代から1890年代にかけて、ドイツのコッホや北里柴三郎、志賀潔といった細菌学者らの発見により、特定の細菌が病気の原因であると認識されていきました。

明治期の医療カタログを参考に医療器具を再現
――手術シーンに登場した医療器具は、どのように準備されたのでしょうか。
当時の医療器具にはどのようなものがあったのか、調べるのには本当に苦労しましたね。古書店で明治20年ごろの医療カタログを手に入れ、手術シーンの参考になるものをチェックして、打ち合わせの際に医療美術担当の方に用意できるかを相談しました。当時は海外から輸入された手術器具が多く、徐々に日本製のものを作るようになっていった時代です。

手術器具は、石炭酸の消毒薬に漬け置きをして消毒していたようです。煮沸消毒はもう少し後、1892(明治25)年にはシンメルブッシュ式の蒸気滅菌器が日本に導入されたことがわかっています。その後、蒸気滅菌器が普及すると、石炭酸のスプレーは使われなくなりました。
乳がん手術などのシーンで出てきた麻酔の方法は、開放点滴法といいます。クロロフォルムなどの液体麻酔薬を滴下したガーゼでマスクを覆って吸入させる方法です。昭和の半ばくらいまで、この方法で麻酔を行っていたことが書かれた文献もあります。

ドイツ留学の設定をもとに「メス」は「メッサー」に
――明治期、看護ではイギリス式が取り入れられましたが、医学ではドイツ式がリードしていた印象です。『風、薫る』の医事考証において、これまでの作品と異なる部分はありましたか。
明治政府が、北里柴三郎や森鴎外らをドイツに留学させたように、日本ではドイツ医学が主流だった面はあります。ただ、ドイツ式はどちらかというと研究がメインであり、一方でイギリス式は実臨床型だったのです。東京慈恵会医科大学を立ち上げた高木兼寛はイギリスに留学しました。ドイツ派とイギリス派の対立では、「脚気論争」が有名ですね。脚気の原因としてドイツ派は細菌説、イギリス派は栄養説を唱えました。
『風、薫る』では学術研究的な話が主流ではないため、ドイツ式、イギリス式を意識しているつもりはありませんが、今井教授はドイツに留学をしていた設定になっています。執刀シーンで、最初は脚本に「メス」と書いてあったのですが、ドイツ語だと「メッサー」なんですよね。ドイツ語監修の方に確認していただいて、OKなら「メッサー」を使ってください、とお伝えしました。そうした手術時のセリフで、ドイツ式を表現したというところはあります。
――仲間由紀恵さん演じる和泉千佳子が、乳がんを告知されるシーンがありました。当時、実際にがんの告知は行われていたのでしょうか。
がんの告知についてはほぼ史料がないものの、岩倉具視が日本で初めてがん告知をされたのではとのエピソードがあります。昭和期に胃がんを胃潰瘍として手術する、ということがあったようですが、胸を切除する乳がんは告知せざるを得ないだろうと考えました。
当時、乳がんがどの程度治るのかを調べたところ、東京大学では1890(明治23)年から33年間で乳がんのデータが86例あり、全治したのは20例で23%。劇中で言われていた「成功率2割」はここからきている数字ですね。

りんや直美のもつ、バイタリティーと観察力
――明治期のナースが主役という点で、『風、薫る』の見どころを教えてください。
私の知る限り、看護師の最初を描いたドラマというのはあまり例がなく、とても価値のある作品だと思います。当時は、梅岡看護婦養成所のモデルとなった桜井女学校附属看護婦養成所や、有志共立東京病院看護婦教育所など、いくつかの学校ができ始めたばかりのころ。教育をする学校と学ぶ生徒、お互いにとってハラハラ、ドキドキの体験ですよね。りんと直美のモチーフとなった大関和さん、鈴木雅さんのような、フロンティア的存在の人たちのバイタリティーはすごいと思います。
現代の看護師が明治期の医療現場に行ったら、さまざまな医療機器がないことにまず驚くと思います。例えば、血圧計もレントゲンも、点滴もまだ普及していません。衛生観念についても先ほどお話ししたとおり、現代の認識とまったく違います。
とはいえ、看護師の視聴者の方から「看護学校時代にシーツ交換で不合格になったのを思い出した」といった感想があるように、自分の若いころを振り返る機会になるのではないでしょうか。

――もしご自身が明治期の医師ならば、ナースにどのような資質・スキルを求めますか?
やはり報告・連絡・相談と、ドラマでも登場した観察力、“Observation(オブザベーション)”ですね。よく患者さんを観察して変化に気づき、それを評価して、医師に伝え、治療に活かしていくことが大事な基本ですから。
りんさんも観察力がありますが、直美さんは周囲をよく見て、知恵を使っていますよね。ちょっと悪く見えるかもしれませんが、いろいろなことに気づいて鋭い。2人合わせると、とてもよい看護婦さんになると思います。
感染症に立ち向かう今後の展開に注目を
――医療の観点から、『風、薫る』の今後の見どころを教えてください。
過渡期ですので、これから看護婦の活躍の場面が変化していきます。ドラマ冒頭でコレラの話がありましたが、コロナのパンデミックを経験したからこそ、ドラマで描けることもあると思います。
明治期にコレラが起こったとき、防疫のために井戸に石灰をまいて消毒していた若い医師に対し、「毒をまいている」との噂が広がり、住民たちが襲って殺してしまうという事件が起きました。“朝ドラ”という制約があるとは思いますが、こうした史実に基づき、少し辛辣に描いてもいいのではという気持ちが個人的にはありますね。
――エンタメとして、医療を描くことの魅力とは?
医療監修・医事考証は、単に医学的なファクトチェックだけではなく、その作品にリアリティを盛り込むことによって、受け手の関心を高められます。ある意味、医療の情報発信のような面があるんです。多くの方に医療について考えていただく機会をつくることには、大きな意義があると思います。
作品を見て「医師になりたい」「看護師になりたい」と思ってもらえるのは、一番うれしいですね。勤務先の大学にも、私がこれまでかかわった作品に影響を受けたという学生さんがいました。
私の医療監修・医事考証としての原点である『JIN-仁-』の原作者の村上もとか先生から、「こうした作品はやはり見てくれる人が『へー!』と思ってくれなきゃダメなので、その『へー!』のためのアイディアをできるだけ教えてほしい」と言われたことが、とても印象深いです。
ドラマを見て、「えー!」とか「へー!」という感嘆詞を口にした経験は記憶に残り、さまざまなことを考えるきっかけになると思います。そういう意味では、『風、薫る』において、ショッキングに見えても、今までにないものを提供することには意義があるのではと感じます。
『風、薫る』放送情報
NHK総合: 毎週月~土曜 午前8時~8時15分
※土曜は1週間振り返り。
NHK BS:毎週月~金曜 午前7時30分~7時45分
NHK BSプレミアム4K: 毎週月~金曜 午前7時30分~7時45分※NHK ONEで同時・見逃し配信予定。
(写真提供:NHK)
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妊娠中の感染予防をマンガで学べる冊子:病院などに寄贈するキャンペーンを実施
妊娠中の感染予防についてマンガやイラストで学べる冊子をNPO法人トーチの会が作成。この冊子を医療機関や教育機関に寄贈するキャンペーンが実施されています。
妊婦と赤ちゃんを守るために注意したい場面を解説
NPO法人トーチの会(http://toxo-cmv.org)は、先天性トキソプラズマ&サイトメガロウイルス感染症の患者会。“トーチ”は、経胎盤感染によって赤ちゃんに重篤な臓器・神経・感覚器障害をきたす病原体の頭文字を取って名付けられたTORCH(トーチ)症候群に由来しています。
TはToxoplasma gondii(トキソプラズマ原虫)、OはOthers(その他)としてTreponema pallidum(梅毒トレポネーマ)などを含み、RはRubella virus(風疹ウイルス)、CはCytomegalovirus(サイトメガロウイルス:CMV)、そしてHはHerpes simplex virus(単純ヘルペスウイルス:HSV)を指します。
同会はTORCH症候群のうち、トキソプラズマとサイトメガロウイルス(CMV)による先天性感染症をターゲットとしています。先天性トキソプラズマ症と先天性サイトメガロウイルス感染症は、いずれも感染時の母体の症状が少なく、赤ちゃんに症状が現れていなければ見つけにくい病気です。まだワクチンはありません。症状が出ないこともありますが、流産や死産となったり、先天性トキソプラズマ症は脳や眼、先天性サイトメガロウイルス感染症は脳や聴覚などに重篤な障害が起こる場合もあります。
同会が手がけた小冊子が『マンガとイラストで学ぶ妊娠中の感染予防』(サウザンブックス社)。先天性トキソプラズマ症と先天性サイトメガロウイルス感染症をはじめとした、母子感染症の予防方法を学べる本です。

『マンガとイラストで学ぶ妊娠中の感染予防』
制作:NPO法人トーチの会(先天性トキソプラズマ&サイトメガロウイルス感染症患者会)
監修:森内浩幸(国立大学法人長崎大学 高度感染症研究センター センター長・小児科医師)
マンガ・イラスト:山中正大
発行:サウザンブックス社
A5判、36ページ、定価:1,100円(税込)

子どもの世話をするとき、ペットと触れ合うとき、外食するときなど、妊娠中の感染に注意が必要な場面をピックアップ。妊婦と赤ちゃんを守るため、周囲の人が知っておきたい知識をわかりやすく解説しています。
マンガを読みながら、イラストを見ながら、自然と知識を身につけられる点が特徴。“妊娠中の感染予防11か条”のほか、当事者の体験談や、監修の医師による解説も掲載されています。
啓発・予防教育のため医療機関や教育機関に寄贈
NPO法人トーチの会では、先天性トキソプラズマ症と先天性サイトメガロウイルス感染症の啓発・予防教育を目的として、『マンガとイラストで学ぶ妊娠中の感染予防』を医療機関や教育機関に届けるキャンペーンを実施しています。
病院の待合室や図書コーナーに設置する、両親学級で使用する、スタッフに教材として配るなど、母子感染症予防のために活用してほしいとのこと。
申し込み方法など、キャンペーンの概要は下記参照。
キャンペーン概要
実施期間
2026年12月末まで(寄贈冊数の上限に達し次第終了)申し込み対象
医療機関や教育機関で、先天性トキソプラズマ症とサイトメガロウイルス感染症の啓発・予防教育を目的として、冊子を活用・配布する人申し込み冊数
1施設あたり10冊以上30冊まで費用
無料(小冊子の代金・送料は不要)
申し込み方法
下記フォームより申し込みを。
https://docs.google.com/forms/d/1zDzieT0t6j7HoE2N6WkPh3SoD1hlEdF_h5_OJOGngeI/
問い合わせ先
『マンガとイラストで学ぶ妊娠中の感染予防寄贈プロジェクト事務局(株式会社サウザンブック社内)
メール:info@thousandsofbooks.jp
ホームページ:http://thousandsofbooks.jp
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現役ナースは朝ドラ『風、薫る』をどう見ている?好きなシーンや見どころを調査
明治期に看護の道を切り拓いた2人のナースが主人公の、NHK連続テレビ小説『風、薫る』。現役看護師は、どんな視点でドラマを楽しんでいるのでしょうか。アンケートをもとに、印象的なシーンや好きな登場人物、見どころなどを紹介します。
※エキスパートナースモニターアンケート、エキスパートナースwebアンケート(2026年5月実施、n=55)より集計。
※本記事では当時の時代背景をかんがみて、歴史的な表現として「看護婦」という名称を使用しています。
NHK連続テレビ小説『風、薫る』
栃木県那須地域の町で元家老の娘として育ち、若くしてシングルマザーになった一ノ瀬りん(演・見上愛さん)と、生まれてすぐに親に捨てられ、教会で保護されて育った大家直美(演・上坂樹里さん)。看護婦養成所に通い、手探りで始まった看護教育を受けながら、「看護とは?」「患者と向き合うとは?」ということを考えていく2人。明治の新しい風を感じながら、刻々と変わり続ける社会のなかで、“自分らしく幸せに生きること”を模索していく。
『風、薫る』公式サイトはこちら(写真提供:NHK)
働くナースの『風、薫る』視聴スタイル
『風、薫る』の視聴スタイルを聞いてみたところ、もっとも多かったのは「録画」。「仕事から帰ってきたから、家族と一緒に見ている」(ナース歴6~10年)「翌日の朝6:00ごろに、子どもの世話をしながら見る」(ナース歴21年以上)といったコメントが寄せられました。
続いて集まったのは、「7:30からのNHK BS放送」を見ているとの声。朝ドラは「NHK総合で8:00から」というイメージが強いかもしれませんが、じつはその前にBSで放送されているのです。「小学校1年生の娘と見ています」(ナース歴6~10年)という人もいました。
職場で見ている場合は、「待合室で流れているのをたまに見ている」(ナース歴16~20年)「休憩時間の昼帯に流れているのを見たことがある」(ナース歴11~15年)「夜勤明け、患者さんが食事をとるホールでテレビがついているときに見る」(ナース歴6~10年)と、忙しい合間を縫っての視聴となっているようです。
そのほか、「NHK ONEの配信」を活用している人も。1週間分が無料で見逃し配信されているので、スマートフォンなどで気軽に見たいときに便利です。また、「土曜日のダイジェスト版」を見ているという人もいました。
自分の生活スタイルに合った形で視聴できる点が、ドラマを楽しみ続けやすい理由の1つといえそうです。
『風、薫る』の“気になった”“印象的だった”シーンはここ!
りんと直美が出会うまでのエピソードや、看護婦養成所で学んだ日々、帝都医科大学附属病院での看護実習など……。これまでたくさんの見どころがありましたね。
気になった、印象的だったシーンを聞いてみると、ナースならではの視点を感じさせる回答が集まりました。
りんの父との別れ
●コレラにかかったりんのお父さん(演・北村一輝さん)が自ら納屋に行き、隔離体制に入ったシーン。感染症の正しい対応が周知されていなかった時代、自分で隔離体制に入ることが印象的でした。療養環境は悪いものの、接触しない方法をとったのは現代にも通用する考えなので、お父さんの行動はすばらしかったと思います。(ナース歴6~10年)
●りんが父を亡くしたシーンは見ていて苦しかったですが、おり鶴を渡したり、歌を歌ったりと、自分の子どもがもし同じ場面でそのようにかかわってくれたらうれしいだろうなと思いました。(ナース歴21年以上)

看護婦養成所での学び
●「看護」とは、病気ではなく人をみる、観察することだと主人公たちが気づくシーンが印象的です。自分自身も学生時代に問われ続けた問いで、今もまだ課題が続いているような感覚になります。看護観のレポート、つらかったなぁ……とか、とにかく学生時代を思い出す!(ナース歴6~10年)
●シーツ交換のシーン。角を三角に折る、マットレスに敷き込むときは手のひらを下に向ける。基本に忠実でした。(ナース歴11~15年)
●バーンズ先生(演・エマ・ハワードさん)がりんに、患者さんにとってのゴールは治ることであり、 患者からの感謝をほしがるとは欲深い、と言うシーン。(ナース歴6~10年)

帝都医科大学附属病院での実習
●りんが患者の園部さん(演・野添義弘さん)とコミュニケーションをうまくとれなかった場面を見て、自分の実習を思い出しました。実習後、看護師は患者さんのそばにいないと看護ができないんだなと痛感。りんが渡した花の花瓶の水を園部さんが交換していたと知ったときには、受け入れられていたことがわかり、見ていて安堵しました。(ナース歴21年以上)
●今井教授(演・古川雄大さん)の手術シーン。よくわからないマスクを被せて麻酔をしていました。手袋はなし、ワイシャツで手術。今では考えられません。(ナース歴21年以上)
●りんが看護学生となり、看護実習が始まったころから方言(栃木ことば)を話さなくなっているところ。彼女自身が意識してそうしているのか、それとも、自然と東京の発音や話し方になっていったのか……。(ナース歴6~10年)
今井教授の手術シーンについてはこちらの記事をチェック↓
ナースが選ぶ!『風、薫る』の好きな登場人物
好きな登場人物を尋ねたところ、やはり主人公のりん、直美という意見が多数。「お互いのことをわかり合っているりんと直美のやりとりが好き」(ナース歴6~10年)「ひたむきにがんばる2人の姿がいい」(ナース歴6~10年)など、「2人合わせて好き」との声も目立ちました。
主人公2人の次に人気だったのが、バーンズ先生。印象的なセリフの数々に、看護学生時代を思い出す人が多かったようです。
下記のほか、島田健次郎(演・佐野晶哉さん)、吉江善作(演・原田泰造さん)、環(演・英茉さん、宮島るかさん)、松井エイ(演・玄理さん)の名前も挙がりました。
皆さんの“推しポイント”をふまえて、今後の彼らの活躍に注目してみてください!
りん

●1つひとつのことがらをしっかり考えて行動し、患者に寄り添う姿勢がナースに向いている! まだ看護を学ぶ前、通りすがりの子どもが嘔吐をしたら、すぐに駆け寄って看護していたのが印象的です。(ナース歴21年以上)
●りんの「だいじ?」は愛おしさや慈しみがあふれ出る感じがして、「大丈夫?」と言われるよりも胸がほっこりします。(ナース歴21年以上)
直美

●実習中の様子から、彼女の割り切った性格が看護婦の仕事に向いていると思いました。(ナース歴6~10年)
●お局に負けない感じがいい!(ナース歴11~15年)
●鹿鳴館で働き始めて炊き出しをした際、吉江先生に遭遇し他人扱いするも、その後教会を訪れてそのときの態度を謝るところ。素直でマナーはしっかりしていると思いました。(ナース歴6~10年)
バーンズ先生

●バーンズ先生の「This is not nursing(これは看護ではありません)」というセリフ。学生時代のシーツ交換の試験のとき「患者に声かけはしましたか? 患者の状態をみましたか?」と全体講評があったとき、誰も何も答えられなかったあの日を思い出しました。「看護」とは何か、本当に難しいなと思います。(ナース歴6~10年)
●「あなたが病に倒れてしまえば、その患者はあなたの看護を受けられません。あなたたちの手は家族の数百、数千倍の人を助ける手なんです」というセリフがすてきでした。(ナース歴16~20年)
●私が教わった基礎看護の教授と重なる部分があって好きです。私の看護をつくってくれた人です。(ナース歴6~10年)
●「看護は見返りを求めてするものではありません」というセリフが印象に残っています。(ナース歴6~10年)
その他
一ノ瀬美津(演・水野美紀さん)
●外国人の前で琴を奏でるシーンが好き。小さいころからの習い事が身を救うのだと学べたような気がしました。(ナース歴21年以上)
工藤トメ(演・原嶋 凜さん)
●リンゴが送られてきたことから、青森にいる家族が故郷から応援していることが伝わったので、応援したくなりました。(ナース歴21年以上)
大家トヨ(演・松金よね子さん)
●存在感がいいです!(ナース歴11~15年)
もし自分が『風、薫る』のなかのナースだったら?
患者さんへの接し方や仲間とのかかわり方など、「自分がりんや直美だったらこうする!」と想像しながら見るのも楽しみ方の1つ。りんが担当になった患者の園部さんへの対応や、看護婦見習いの仲間たちとの交流について、コメントが寄せられました。

●患者の園部さんに冷たくされるりんについて。いい反応がなくても、専門職としての知識と技術を武器にやるべきことを全うします。時に沈黙が必要なこともある、と思っています。笑顔だけがいいわけではなく、会話だけがすべてではないので。(ナース歴6~10年)
●自分はどちらかというとりん寄りなので、園部さんとコミュニケーションがとれなかったことを悔やんでいる姿に共感しました。私の学生時代なら、同じことをしていたと思います。(ナース歴6~10年)
●看病婦たちの行動の根拠を聞いてみます。また、看護婦の仕事について、看病婦との共有の場をつくると思います。(ナース歴6~10年)
●実習中、つらいときは今日のできごとを吐き出して、最後は「今日も1日よくがんばった! また明日ね。あと○日!」と前向きな言葉で締めくくって別れて家に帰っていました。りんちゃんみたいな寄宿舎だったら、夜中ずっとしゃべってレポートどころじゃなかったかも(笑)。(ナース歴6~10年)
●看護婦見習いの仲間みんなと一緒に、寮で勉強会をしたい!(ナース歴21年以上)
りんや直美に伝えたい! 看護のコツやメッセージ
看護を学び始め、さまざまな試練に直面するりんと直美。患者さんとのかかわり方に悩みながらも、ひたむきにナースをめざす2人に向けて、届けたいメッセージを聞いてみました。

●まじめに、実直に向き合えば必ず何かが得られる! と、私は思っています。いいことばかりじゃないし、感謝されることばかりではないけれど、患者さんが笑顔になったり、元気になったり、穏やかな死を迎えたとき、看護の意味に気づけて自分自身も成長できる気がします。あなたたちがつくった看護を、今の私たちが引き継いでいます。がんばれ!(ナース歴6~10年)
●自分が悪戦苦闘しているとき、患者さんと楽しそうに過ごす同期はまぶしく見えるもの。“私は○○したい”じゃなくて、“患者さんがどうあるべきか”。患者さんを主語で考えてみてね。あなたは伴走者です。(ナース歴6~10年)
●学生のころに読んでもわからなかった『看護覚え書』が、認定看護師になって読み直すとすごく説得力があることに驚きました。看護とは患者さんをみること。病気以外の話題もたくさん聞いて、記録をしたり、他のスタッフと話し合ったりしてください。ぜひ、その人らしさに近づけるような看護や、コミュニケーションを大切にしてほしいです。また、自分のことを大切にする心を忘れないようにしてください。自分が健康でなければ、人を看護することは難しいですから。一緒に、日々の倫理的な悩みに向き合っていきたいですね。(ナース歴21年以上)
●丁寧で患者への思いが強いりんの性格と、割り切っている直美の性格を、足して2で割るとちょうどいい気がします(笑)。どちらも看護婦の仕事には向いている性格なので、“ほどほど”の気持ちで勉強をがんばってほしいです。(ナース歴6~10年)
●何年やっても悩むことばかりですが、過去に悩んだことや経験が確実に自分を成長させ、自信につながっていると感じます。責任が大きい仕事ではありますが、気張りすぎず、たるみすぎず、自分のバランスを見つけて看護をしてほしいです。(ナース歴16~20年)
『風、薫る』未視聴の人に伝えたい見どころ
まだ『風、薫る』を見たことがない人に向けた、おすすめポイントとは? 「初心を思い出せる」「励みになる」との意見から、ストーリーはもちろん、ファッションや主題歌の魅力まで……。皆さんの熱い声を紹介します。
学生時代や新人のころを振り返る機会に
●看病婦と呼ばれる人たちが知識のないまま療養上の世話をする世界に、りんたちが「空気が、清潔が」と看護の知識をもって乗り込みます。『看護覚え書』を読みたくなること間違いなし! 看護学校1年生からベテランナースまで、必見のドラマです。(ナース歴6~10年)
●看護の本質に悩んだときこそ、見てみるとよいのではないかと思います。看護は緩和ケアを深めることにもつながるため、私も初心に戻れています。これから、看護婦がどのように社会的立場を確立していくのか、海外から来てくれた先生がどのように日本の看護をつくり上げようとしたのかなど、それぞれの登場人物に対してもとても関心があるので、描かれることを願っています。(ナース歴21年以上)
●正直、仕事以外で看護の内容のドラマを見るのは心が休まらず、好まないタイプでした。ですが、『風、薫る』は学生時代や新人のころを思い起こされるので、こんなときもあったな~と気軽に楽しむことができます。ちょっと見てみるかな、くらいの気持ちで見始めてみてはどうでしょうか。(ナース歴16~20年)
●自国にはまだない新しい仕事や、新しい価値観を取り入れること、それを学ぶことの偉大さ・困難が伝わるすばらしいドラマだと思います。この時代に、女性が「働く」、そして、看病を「仕事」とする、いずれも理解されないことだったはずです。今、あたりまえに看護を学び、仕事にできていることに感謝の気持ちがわきます。私の看護が未来へつながっていると信じて、りんや直美のように、自分や家族、患者さんに対していつも誠実に、まっすぐにがんばります!(ナース歴6~10年)
●時代は違うとはいえ、看護学生のやりとり、病院でのナースの立場などは、現代でも通じる内容だと思います。懐かしさを感じることもあれば、つらいことを思い出すこともありますが、初心に戻れる機会とも思って見ています。りんや直美たちの成長を、一緒に見届けませんか。(ナース歴6~10年)
ファッションや主題歌にも注目を
●ナース服がかわいい!(笑) この時代の洋服と和服、髪型など、ファッションも楽しみの1つです。美術もすばらしくて、近代史がお好きな方は特に楽しめるはず。(ナース歴6~10年)
●Mrs. GREEN APPLEが歌う主題歌「風と町」がいい!(ナース歴11~15年)
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がん薬物療法の副作用対策:味覚障害の症状、アセスメント、ケアのポイント
がん薬物療法の副作用としてみられる味覚障害について解説。発症のしくみや症状を起こしやすい薬剤、アセスメント、ケア、患者説明のポイントなどをわかりやすく紹介します。
※本記事は『がん薬物療法レジメンまるわかりBOOK 第2版』の内容を再構成したものです。
抗がん薬による味覚障害のしくみ
■味覚障害の原因
●味覚障害は以下の3つの要因が関与することが多い。
①末梢性(味蕾障害) :抗がん薬や放射線により、味蕾の再生が障害される
②中枢性:薬剤(オピオイドなど)による神経系への影響
③環境要因:口腔乾燥、口腔内感染(カンジダ)、亜鉛欠乏など
■がん治療中に生じる味覚障害
味覚減退:味が薄く感じる
異味・錯味症:本来と異なる味に感じる(例:醤油が苦い)
自発性異常味覚:口の中に何もないのに、苦味や渋味を感じる
■症状の経過
発現時期:治療開始から2~6週間程度
回復時期:治療終了後に改善するが多くは長期化し、頭頸部への放射線治療後では不可逆的となることもある
●味覚障害を放置すると、味覚消失に進行する可能性があるため、原因の評価と適切な対策が重要である。
味覚障害を起こしやすい薬剤1)2)
●単独投与時よりも併用療法のほうが、より味覚障害が生じやすい。
●患者のリスク因子として、頭頸部への放射線照射がある。
●味覚障害は細胞障害性抗がん薬以外の薬剤や治療でも生じうる。例えば、分子標的治療薬(VEGFR阻害薬、EGFR阻害薬、mTOR阻害薬)や、併用薬(オピオイド、抗コリン薬、抗菌薬)などもリスクがある。また、頭頸部照射、亜鉛欠乏も鑑別する。

●患者の生命に直接かかわるがん薬物療法を、味覚障害によって中止・減量する必要はない。しかし、がん患者にとって、食事は数少ない楽しみの1つである。したがって、味覚障害発症時には、抗がん薬以外の原因薬剤の可能性も考慮し、優先順位の低い薬剤の中止や代替を検討する必要がある。
●味覚障害の原因となりうる抗がん薬以外の薬剤として、血圧降下薬、心血管作動薬、抗てんかん薬、抗ヒスタミン薬、抗菌薬、抗うつ薬などが知られている。
治療
対症療法として、下記の治療を行う。亜鉛欠乏:亜鉛製剤(ポラプレジングなど)
口腔内乾燥:人工唾液(リン酸二カリウム・無機塩類〈サリベート®エアゾール〉)、麦門冬湯
口腔粘膜炎:含嗽薬(アズレンスルホン酸ナトリウム、ベンゼトニウム)、半夏瀉心湯
口腔感染症:口腔カンジダ治療(アムホテリシンBシロップ、フルコナゾール)
味覚障害の観察・アセスメント
食事量の変化:食事量低下による体重減少や低栄養がないか
口腔内の変化:口腔内乾燥、舌炎や口腔粘膜炎、カンジダ症による白苔がないか
血液検査:微量元素(亜鉛※・銅・鉄)やビタミンB12の測定
※亜鉛欠乏について、亜鉛の血清/血漿亜鉛値60μg/dL未満で亜鉛欠乏症、60~80μg/dL未満で潜在性亜鉛欠乏と評価される。亜鉛製剤投与時には銅欠乏や、まれに鉄欠乏性貧血をきたすことがあるため注意する
味覚障害の患者指導・セルフケア支援
●薬物性味覚障害の予防・治療法は確立していない。
●治療終了により改善することもあるが、長期化することが多い。
●低栄養は治療中断につながりかねないため、食事の楽しみを維持できるよう、味覚の変化に合わせて食べられるレシピを工夫していく。
■ケアのポイント
患者の嗜好に合わせる
だし・香味や酸味で味を調整
量やタイミングの調整
少量頻回、温度や食感を変える
口腔内衛生
ソフトブラシの使用、うがい、入れ歯の管理、こまめな水分摂取などを励行する
味覚の変化に対する工夫
・金属味→プラスチック・木製食器を使用
・味が薄い→酸味や香辛料で調整
・苦味→冷やした食事を選択
・口腔乾燥→レモンや飴で唾液分泌促進
医師からのワンポイント
歯科医・歯科衛生士による口腔ケアや、栄養士による食形態の工夫といったチーム医療が重要である。がん薬物療法開始時に歯科受診や栄養指導を施行し、ベースラインの評価を行っておくことで、症状発現時にスムーズに介入することができる。
本書の試し読み記事一覧はこちら
\続きは書籍で/

がん薬物療法レジメンまるわかりBOOK 第2版
下山達、山村康比古、松尾有花 編
B6・288ページ
定価:2,750円(税込)
照林社

※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載および複製等の行為を禁じます。
がん薬物療法の副作用対策:末梢神経障害の症状、アセスメント、ケアのポイント
がん薬物療法の副作用としてみられる末梢神経障害について解説。発症のしくみや症状を起こしやすい薬剤、アセスメント、ケア、患者説明のポイントなどをわかりやすく紹介します。
※本記事は『がん薬物療法レジメンまるわかりBOOK 第2版』の内容を再構成したものです。
抗がん薬による末梢神経障害のしくみ
1 感覚神経の障害(急性)
●末梢のしびれや感覚の鈍麻、チクチク感(電気が走るような疼痛)を生じる。
●薬剤の総投与量に比例(例:オキサリプラチンでは800mg/m2)して発現することが多い。
●感覚優位の末梢部位(手袋靴下型)で障害が始まる。運動は比較的保たれるが、進行すると運動障害を伴う。
2 運動神経の障害(慢性)
●ボタンが掛けづらい、力が入りにくいなど、動作に支障が出る。
●筋萎縮/麻痺や腱反射の低下による歩行障害を生じる。
3 自律神経の障害
●便秘、イレウス、排尿障害、発汗異常、起立性低血圧などを生じる。
治療
●予防が基本であり、障害が残る前に抗がん薬の減量・中止する。
●予防:運動、冷却(タキサン系薬剤)■しびれ・疼痛に対する治療
推奨される薬剤:デュロキセチン(サインバルタ®)
臨床で用いられる薬剤:プレガバリン(リリカ®)、NSAIDs、オピオイド、ビタミンB12製剤、牛車腎気丸
その他:運動
末梢神経障害の症状を起こしやすい薬剤
●白金製剤、微小管阻害薬が代表的な薬剤である。
●微小管阻害薬が結合した抗体薬:トラスツズマブ エムタンシン、ブレンツキシマブ ベドチン
●多発性骨髄腫で用いる薬剤:ボルテゾミブ、レナリドミド、サリドマイド

末梢神経障害のアセスメント
■発現リスクのアセスメント
累積投与量/曝露期間:脊椎転移、脳転移
神経障害を伴う基礎疾患:糖尿病、貧血、低アルブミン血症、元からある神経障害
患者背景:高齢、飲酒習慣、喫煙
末梢神経障害のケア
1 症状の予防·緩和
●運動療法による末梢神経刺激:手の掌握運動、軽度の散歩、ストレッチの実施
●末梢循環の改善:マッサージ、手浴、足浴、炭酸系入浴剤の使用、靴下や手袋の着用
●症状増悪の回避:革靴やハイヒールを運動靴に変更、下剤で排便コントロール
CHECK
●オキサリプラチンの急性知覚障害を予防する(寒冷刺激を避ける)。
冬季:外出時の手袋・マスク・マフラー・耳当て、温水の使用
夏季:エアコンの冷気、アイスクリームなどの冷たい食品に注意
2 二次障害の防止(感覚障害に伴うリスク)
●けが、転倒の防止:料理時の刃物でのけが、スリッパでの転倒に注意
● やけどの防止:こたつ・ストーブ・湯たんぽによる低温やけど、調理時の器具の取り扱いに注意
3 精神的な支援(症状がよくならないことへの不安)
●治療終了後も、患者自身が症状に向き合えるように援助
末梢神経障害の患者説明・セルフケア支援
●医療者に末梢神経障害を早期に伝えることが重症化の予防につながるため、末梢神経障害で生じる症状について具体的にイメージできるように説明
➀運動神経の障害
手足の力が入らない、文字が書きづらい、物をよく落とす、椅子から立ち上がれない、歩きづらい、階段が上がれない、飲み込みづらい
➁感覚神経の障害
手足がしびれる(ビリビリ・ジンジン)、痛み、感覚がない 高い音(体温計の測定音など)が聞こえにくい、耳鳴りがする
➂自律神経の障害
便秘
医師からのワンポイント
●患者は治療が中止したり、薬剤が減量されてしまうのを恐れ、副作用について実際よりも軽く伝えてくることがある。患者にとっては、「これまで経験したことのないような未知の感覚」であり、他人にはわからないため、患者自身に語らせることが必要となる。
●日常的に患者との関係性を築き、気軽に話せるコミュニケーションに努め、医療者と患者の評価に乖離が起こることがないように努める。
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がん薬物療法レジメンまるわかりBOOK 第2版
下山達、山村康比古、松尾有花 編
B6・288ページ
定価:2,750円(税込)
照林社

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レジメンの見方とは?抗がん薬・副作用の基礎知識
がん薬物療法のレジメンの見方・読み方をわかりやすく解説。確認すべきポイントをはじめ、レジメンに含まれる抗がん薬の種類や副作用の理解に役立つ基礎知識を紹介します。
※本記事は『がん薬物療法レジメンまるわかりBOOK 第2版』の内容を再構成したものです。
レジメンの見方
レジメンとは、抗がん薬の投与計画書である。抗がん薬をレジメンによって管理することで、投与方法や投与量の誤りなどの事故を予防、治療の標準化を図る。
レジメン内容でチェックしたいポイントを以下に挙げる。
■レジメンのチェックポイント
①抗がん薬の種類、投与量
②投与経路:中心静脈ポート(CVポート)、末梢静脈注射、皮下注射、経口(内服)および、漏出時のリスク
③投与スケジュール:1コースの投与・休薬期間、投与サイクル数
④副作用:投与中に現れる症状も含めて

レジメンの名称
レジメンの名称は、同じものでもさまざまな呼び方があるため、注意が必要である。これは抗がん薬の略語が複数あることに起因している。
以前は商品名をレジメン名にも使用していたが、後発品(ジェネリック医薬品、バイオシミラー)が増えており、最近は避ける傾向にある。
同じレジメンでも臓器が違うと異なる呼び方をする場合もある。同じ薬剤の組み合わせであっても、投与量や投与期間(サイクル)が異なることがあるため、登録する名称には注意が必要である。
抗がん薬による副作用リスクの確認
催吐性リスク
外来の診察時間は限られているため、患者は医師に副作用を十分伝えきれていないこともある。がん薬物療法で生じる悪心・嘔吐は予防が重要であり、各薬剤の催吐性リスク(高度~最小度の4レベルに分けられる/本書P212参照)に応じて、制吐薬の予防投与は十分できているかチェックが必要である。患者の全身状態や治療歴にも大きく影響を受けるので、初回治療時の悪心評価も行い、変更、調整する。
血管外漏出時の組織傷害リスク
血管外漏出(EV)によって生じる組織傷害リスクは抗がん薬によって異なるため、リスクに応じて3つのレベル(壊死起因性、炎症性、非壊死起因性)に分けられている(本書P230参照) 。特に高リスクの壊死起因性抗がん薬が使用されている場合は、漏出を予防するための基本として、まずは血管確保を慎重に行う。血管が細く難しい場合は、医師にCVポートの造設を依頼する。
その他のチェックポイント
レジメン併用経口薬
経口薬は患者自身が自宅で服用する場合が多く、処方忘れがないか十分確認することが重要である。また、患者が服薬について正しく理解できているかどうか、適切に服薬管理できるかどうか、あわせて確認する。
投与順序・投与速度・ルートの確認
併用薬の確認も忘れずに行う。
休薬期間が過ぎても、治療再開とはならない場合
開始基準を満たしていなければ、治療は延期となる。例えば骨髄抑制の未回復は、治療を延期する理由の代表例である。
レジメンに含まれる抗がん薬の理解
がん薬物療法は、従来から行われている化学療法(細胞障害性抗がん薬を用いる)のほかに、分子標的療法(分子標的治療薬を用いる)、内分泌療法(ホルモン療法薬を用いる)、その他の薬物療法がある。さらに最近では、第4の治療法といわれる免疫療法(免疫チェックポイント阻害薬を用いる)も行われるようになっており、これらの治療は定められたレジメンのもと、さまざまな抗がん薬を使用して実施される。
がん薬物療法をレジメンに沿って実施する際に、薬剤ごとの特徴を理解しておくことで安全な治療につながる。
レジメンに含まれる抗がん薬の種類
レジメンは、副作用の異なる薬剤を組み合わせて作られる。レジメンの副作用を知るには、それぞれの薬剤のタイプ1)を理解しておくことが大切である。
基本となる薬剤は、従来からある細胞障害性(殺細胞性)抗がん薬である。これは細胞分裂への障害を起こす薬剤であり、骨髄抑制、皮膚・粘膜障害が共通して起こる。骨髄のダメージの回復に2~3週間かかることから、多くのレジメンは2~3週が1コースとなっている。
近年出てきた分子標的治療薬(分子標的薬)は作用機序が異なるため、既存のレジメンに併用する形で使われることも多い。作用を持続させるため、血中濃度を維持する投与方法がとられる。
免疫チェックポイント阻害薬(ICIs)は、当初は単剤で使われていたが、相乗効果を狙い既存のレジメンへの併用が増えてきている。副作用は強く出る傾向にあり、注意が必要である。
乳がんなどのホルモン依存性腫瘍では、ホルモン療法薬が用いられる。悪性リンパ腫ではステロイドにリンパ球傷害作用があるため、抗腫瘍効果目的で投与される。

副作用の理解

副作用の発現頻度
同じレジメンであっても、適応されるタイミング(一次治療〈ファーストライン〉、二次治療〈セカンドライン〉以降)では副作用の発現頻度は異なる。特に、最近は術前、術後でもがん薬物療法を行うことが増え、再発時の治療が初回のがん薬物療法ではない場合があることに注意が必要である(本書で記載されている副作用のデータは、代表的な適応疾患における、代表的なレジメンによるものであることに注意)。
副作用の発現頻度は個人差が大きいが、予防によって軽減が可能なものがある。患者の状態を把握し、医師や薬剤師と情報を共有する。
発現頻度とGradeの考え方
がん薬物療法において、副作用の発現頻度が多くても、重症化しなければ治療は継続されがちである。
患者のQOLを保つには、副作用のGrade(CTCAE v6.0〈本書P244参照〉では重症度に応じて5つのレベルに定義)にかかわらず、それに対するケアは大切である。“治療継続=副作用がない”ではないことに注意したい。
発現時期
基本的に、副作用はサイクルが進むにつれて蓄積していく。
例えば、パクリタキセルやビンクリスチンなどの微小管阻害薬で生じやすい神経毒性は、投与後に症状が強くなるものの、その後に改善する。しかし、サイクル数を重ねるにつれて毒性が蓄積していき、元に戻らないまま次の治療を受ける場合が出てくる。この場合、治療後も神経障害が残ってしまう可能性がある。そのため、一過性の副作用ではなく、蓄積している副作用にも注意が求められる。
抗がん薬の副作用は、治療中だけではない。肺毒性や心毒性は治療後数年~10年以上経過してから現れることもあるため、若年者へのがん薬物療法は事前に説明が必要である。
必要に応じて、薬剤の減量・中止を判断する。
副作用の発現時期は個人差が大きいため、1サイクル目に起きた副作用の発現パターンを把握する。
CHECK
●レジメンを設定することの最大の目的は、がん薬物療法において医療ミスをなくすことである。しかし、同一レジメンが複数の診療科で登録されてしまうと、それぞれの診療科の特性や好みによって、投与時間や前投薬が異なってしまい、混乱を招き、医療ミスにつながる。レジメンは診療科だけでなく、入院-外来など投与場所が異なっていても、内容は統一されている必要がある。そのため、医師・看護師・薬剤師の職種だけでなく、診療科、部門すべてにまたがって決定していく必要がある。
●最近では、薬剤の投与にかかる時間も、外来がん薬物療法の混雑を回避するために短縮される傾向にある。古いレジメンのままで運用していると、長い投与時間のままになっていることも多いため、最新知見にあわせて定期的にレジメン内容を見直すことが必要である。
- 1) 国立がん研究センターがん情報サービス:薬物療法 もっと詳しく 薬物療法で使われる薬の種類.https://ganjoho.jp/public/ dia_tre/treatment/drug_therapy/dt02.html(2026.4.10.アクセス)
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家出をした看護助手とがん患者たちの交流を描く映画『小春日和~Indian Summer~』
がん治療中の精神科医であり俳優としても活動する楠部知子さんが企画・プロデュースした映画『小春日和~Indian Summer~』。看護助手として働くことになった女性と、がん患者たちの交流が描かれています。
病院でがん患者たちと出会い、新たな一歩を踏み出す
ある秘密を打ち明けられずに家族から孤立し、家出をしてしまった小春(演・水村美咲さん)。偶然、町で人助けをしたことをきっかけに、看護助手として働き始めることになります。
病院で出会ったのは、がんで入院しながらも明るく毎日を過ごす女性3人組「キャンサーズ」や、彼女たちに慕われている、同室の由紀(演・柴田理恵さん)。さらに、小春に縁ある人もがんで入院してきます。それぞれの形でがんと向き合う姿を見て、小春も自分の人生と向き合うように。
人に言えない苦悩を抱えた小春の支えになっていたのは、祖母の鈴子(演・由美かおるさん)。鈴子が亡くなったことを知った小春は、大切な思い出を振り返りながら、ある決心をします。
小春の過去に何があったのか、彼女が胸の内に秘める思いとは――。

48年ぶりの映画出演となる由美かおるさん、多発性骨髄腫を経験した佐野史郎さんらが登場
企画・プロデュースは、精神科医で俳優の楠部知子さん。38歳で大腸がんに罹患し、2023年に多発性骨髄腫の診断を受け、骨髄移植後の現在も抗がん剤治療を継続しています。
「人は真につながり支え合える、少しの勇気をもつことで成長し何度でもやり直せる」。そんな人生に前向きになれるメッセージを贈りたいとの楠部さんの思いから、『小春日和~Indian Summer~』が製作されました。
楠部さんが同じくがん治療中の俳優2人と結成した「キャンサーズ」は、劇中でもがん患者3人組「キャンサーズ」として出演。
さらに、鈴子役には、48年ぶりの映画出演となる由美かおるさん。初の”おばあちゃん”を演じ、主題歌も担当しています。
がん患者の由紀を演じたのは、柴田理恵さん。自身の病状を受け入れ、残りの人生を自宅で過ごすために退院を選択するという役どころです。
由紀の主治医・上田博役は、自身も多発性骨髄腫を経験した佐野史郎さんが演じました。

おそらく賛否が分かれるであろう小春の行動。その根底にある大切な人だからこそ本当の思いを伝えられない苦しさ、人とのつながりを支えに懸命に生きようとする姿が、繊細に表現されています。
ラストでは、小春とその大切な人・ひよりの名前に込められた、名付け親である鈴子の思いが明らかに。さまざまな境遇を抱える人々と出会い、その人生や思いに触れるなかで、小春が少しずつ家族の絆を取り戻していく過程が描き出されます。
『小春日和~Indian Summer~』
5/16(土)大阪:第七藝術劇場/シアターセブンにて、先行ロードショー
5/29(金)東京:池袋シネマ・ロサ他、順次先刻ロードショー出演:
水村美咲 千原ゆら 由美かおる 佐野史郎 柴田理恵 国木田かっぱ企画・製作・プロデュース:楠部知子
脚本・監督:松本動
共同プロデュース:水村美咲
アシスタントプロデューサー:福井由美子
音楽プロデュース:渡邊崇
助監督:鬼村悠希
制作担当:佃光
撮影:安田光
照明:落合芳次
サウンドデザイン:西岡正巳
監督助手:山中太郎
演技事務:森野くるみ 藤元優希主題歌:由美かおる「とまり木」
配給:フリック
Ⓒ2026「小春日和」PROJECT
2026年 | 日本映画 | カラー | シネマスコープ | ステレオ | 119分公式サイト:koharubiyori-movie.com

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【第8週】朝ドラ初心者編集者が観てみたNHK連続テレビ小説『風、薫る』視聴日記
『風、薫る』第8週「夕映え」の見どころや乳がん患者の特徴を解説。
ドラマはほぼ観ない編集者が、朝ドラに挑戦中。
毎日の感想はXでメモ感覚で発信しながら、週に1回まとめて振り返っています。
これまでの視聴日記はこちらから
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『風、薫る』のモチーフ、大関和と鈴木雅―看護の道を切り開いた2人の歩み
ボディイメージの変容への看護が重要
今週は、乳がんの手術のために入院してきた患者と、看護学生とのかかわりが描かれました。仲間由紀恵さん演じる和泉千佳子さんは、乳房切除の手術を拒んでいます。
今回の場合、乳房の切除術が行われると示されていますが、一般的に乳がんの患者さんの看護では、「ボディイメージの変容がもたらす影響」というのが大きな課題となります。
ボディイメージとはひらたくいえば、自己概念の一部であり、「自分の体とはこういうもの」という認識のことをいいます。この自分がもっているイメージが手術などで変化してしまうことを、「ボディイメージの変容」といいます。
乳房は特に、女性のシンボルでもあり、切除や変形といった変化が生じると、女性としてのアイデンティティを喪失したと感じる場合も少なくありません。
千佳子さんも、乳房を失った自分が旦那の横に立っていられるのかといった想いを吐露していました。
こうした変化を受容して生きていくには、看護師や家族のサポートがとても重要になります。
来週には手術を行う千佳子さんに、りんや家族たちはどのようにかかわっていくか注目したいところです。
それでは第8週の感想まとめです!
第8週「夕映え」感想まとめ
第8週のあらすじ
乳がんで入院する和泉公爵家の千佳子(仲間由紀恵)の担当に、りん(見上愛)が抜てきされる。直美(上坂樹里)にも励まされ、りんは千佳子に向き合おうとするが、当の千佳子はなかなか心を開こうとしない……。
(番組公式ホームページを参考に作成)
8-1 手術を拒む患者を受け持つことに
手術を拒む患者(千佳子さん)を受け持つようにといわれたりん。情報収集もケアもさせてくれず、挙句には「患者の気持ちがわかるなんて簡単に言うな」と言われる始末。前途多難です。
8-2 すっかり戦友となっている同級生
相変わらず千佳子夫人と距離のあるりん。直美と話し合うなかで、患者の気持ちをわかるということは、「看護師としてわかる」ということが大切なのかもと思い始める。宿舎に戻ってこないりんと直美のために、夕飯を外で食べよう(夕飯ピクニック)と試みる同級生たち。あんなに最初はギスギスしていたのに、すっかり同志となってにっこりなシーンでした。夕飯ピクニック、真似してみたいです。
8-3 千佳子夫人と少し近づくりん
朝にリアタイできなかったという話をしていたら、編集部員が「めちゃ面白かったのでおすすめ」と言うので、お昼休みに観ました!便利な時代ですね!
千佳子夫人とちょっとお話ができるようになったりん。でも、まだまだ本音は違うところにありそうな雰囲気。
そして、シマケンの友人の兄上という新キャラの登場!しかもりんの妹に見初められる!りんの妹はてっきり、シマケンと過ごす時間が長くなり、シマケンのことを想うようになったのかと思っていたのですが…(恋愛ドラマを見る能力なし)。
8-4 千佳子夫人の本音がついに!
ついにりんと千佳子夫人の関係に変化が。同じ武家の娘であるということをきっかけに、千佳子夫人の武家の娘としての矜持、そして旦那への変わらぬ想いゆえに胸がなくなってしまうことへの恐れなどがわかってきました。乳がんのことを、「なんて意地悪な病気」と形容する千佳子夫人の痛みがせつせつと伝わる回でした。
8-5 家族の想いが患者を変える
千佳子夫人の本音を聞けたけれども、自分では力不足であると感じるりん。そこで千佳子夫人の夫に話をしてみることに。千佳子夫人がどれほど夫のことを想っているか語り、自分の看護だけでは足りないと伝えます。夫は千佳子夫人に「自分のために手術を受けてほしい」と懇願します。自分の愛する人にこんなこと言われてしまったらねぇ…受けるしかないですよね。ということで、この1週間いろいろありましたが、ついに千佳子夫人の腹も決まった模様。
来週は、千佳子夫人の手術から術後の管理と、さらにさまざまな看護のシーンが描かれそうで、楽しみです!千佳子夫人の手術が成功しますように!
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映画『アダムの原罪』小児科病棟に入院した4歳児とシングルマザーを看護師目線で描く
6月5日(金)より公開の映画『アダムの原罪』。骨折して入院してきた4歳の男の子と移民のシングルマザーの処遇をめぐって繰り広げられる人間模様を、2人に寄り添おうとする看護師の視点で描くヒューマン・サスペンスです。
自身もシングルマザーの看護師は孤立する母子に寄り添おうとするが…
献身的で経験豊富な看護師長・ルシーが勤務する、とある小児科センター。育児放棄や虐待など家庭環境に問題のある子も集まるなか、4歳のアダムという男の子が左腕を骨折して入院してきます。アダムは慢性的な栄養失調で、骨がもろくなっていました。

しかし、移民のシングルマザー・レベッカは「腹痛を起こすから」という理由でアダムに病院食を食べさせません。裁判所は彼女に、アダムとの面談は毎日2回の食事のときのみと制限しますが、レベッカは面会時間が過ぎても「今夜だけでも泊まりたい」と主張。かたくななレベッカに根負けしたルシーは、裁判所の調査官に連絡をとってもらうよう、センター長に頼みます。
レベッカと同じく、ルシー自身もシングルマザー。業務の合間に立って食事をしながら、子どもに電話をかけて様子を尋ねる様子も描かれます。そんなルシーは、レベッカとアダムを引き離すべきではないと考え、2人に寄り添おうとします。

そんななか、レベッカの軽率な行動により状況は悪化。母子を救おうとするルシーですが、上司や同僚からのプレッシャーによって追いつめられ、病院が従うべき司法制度との間で板挟みになっていきます。アダムの父親も病院に呼び出され、レベッカは親権を失いかねない事態に……。葛藤するルシーがとった行動とは。
守られるべき子どもの“命”についての問いかけ
ローラ・ワンデル監督は、実際に病院に3週間通い詰め、スタッフミーティングや患者の診察に立ち会うなどして現場を体験。その後も入念なリサーチを重ね、約4年をかけて脚本を書き上げたといいます。
医療従事者はすべての患者をケアしたい、母親は我が子のそばにいたい――。そんな当然ともいえる思いがままならなくなってしまった、現代社会の歪みを描こうとした本作。ローラ・ワンデル監督は、「もちろん医師であれ、責任者であれ、判事であれ、それぞれが子どもにとっての最善を考えています。そして心の奥底で、それを自身に影響する何かを守る口実として利用しているのです。この映画ではそこを描いています」と語ります。

『アダムの原罪』の英題は『Adam‘s Sake(アダムのために)』。“Adam”とは特定の人物ではなく、“私たちすべて”を指し、アダムのためになることは人類のためになる、とのメッセージが込められているとのこと。勇気あるルシーの行動を通して、人間の良心や他者への共感、最優先すべき子どもの命についての問いが浮かび上がってきます。
予告編のラストにも流れる、「ママがいい。でも死ぬのはヤダ」とのアダムの言葉。これを聞いてレベッカが出した決断は――。
本編時間は79分。長編映画としてはコンパクトな時間が、常に動き回るルシーのめまぐるしい仕事ぶりを、切迫感をもって描き出しています。
『アダムの原罪』
6月5日(金) 新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開監督・脚本:ローラ・ワンデル
製作:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟
出演:レア・ドリュッケール、アナマリア・ヴァルトロメイ
2025年/ベルギー、フランス/フランス語/79分/16:9/5.1ch/原題: L’intérêt d‘Adam /英題: Adam‘s Sake
日本語字幕:岩辺いずみ
提供:ニューセレクト
配給:スターキャットアルバトロス・フィルム
後援:駐日ベルギー大使館、在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ公式サイト:https://adam-film.com
©DRAGONS FILMS – LES FILMS DU FLEUVE – LES FILMS DE PIERRE – LUNANIME – FRANCE 3 CINÉMA – BE TV & ORANGE – PROXIMUS – RTBF (TÉLÉVISION BELGE) – SHELTER PROD

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【連載まとめ】ナースができる終末期ケア
余命告知や病状の説明など、難しい場面が続く終末期のケア。非がん疾患患者の告知~死亡の各時期における、看護師に求められている役割・ポイントを解説します。
【第1回】終末期の定義と緩和ケアの対象となる非がん疾患の特徴
〈目次〉
●非がん疾患患者の終末期における看護師の役割
●緩和ケアの対象は?
●終末期の定義
●近年の主な死因
●非がん疾患の特徴は?
【第2回】余命告知から看取り期における看護のポイント
〈目次〉
●余命宣告に対する患者さん・家族の想いを把握する
●病名告知・余命宣告は、エンド・オブ・ライフケア実践開始のタイミング
●意思決定支援と多職種連携
●非がん疾患患者の終末期におけるケア
【第3回】臨死期における看護のポイント
〈目次〉
●臨死期にみられる変化とは?
●臨死期における看護ケアの実際
・臨死期の患者さんの状態を家族へどう伝える?
・家族の苦しみを聞いてから、医療従事者の言葉を伝える
・臨死期の患者さんの主治医への支援は?
・家族が寄り添える環境づくりとは?
【第4回】死亡時の看護のポイント
〈目次〉
●死亡時のケアにおける看護のポイント
・死亡診断の流れは?
・エンゼルケアのポイントは?
・グリーフケアとして故人の代弁者となる
●死亡退院時における看護のポイント
【第5回】COPDの終末期ケア:告知・臨死期・死亡時の看護のポイント
〈目次〉
●患者設定
●非がん性呼吸器疾患の終末期の概要
●非がん性呼吸器疾患の余命告知時における看護師の役割は?
●非がん性呼吸器疾患余命告知時~看取り期における看護師の役割は?
●非がん性呼吸器疾患の臨死期における看護師の役割は?
●非がん性呼吸器疾患の死亡時における看護師の役割は?
●非がん性呼吸器疾患の死亡退院時における看護師の役割は?
【第6回】慢性心不全の終末期ケア:告知・臨死期・死亡時の看護のポイント
〈目次〉
●患者設定
●心不全の終末期の概要
●心不全の余命告知時における看護師の役割は?
●心不全の余命告知時~看取り期における看護師の役割は?
●心不全の臨死期における看護師の役割は?
●心不全の死亡時における看護師の役割は?
心不全の死亡退院時における看護師の役割は?
【第7回】腎不全の終末期ケア:告知・臨死期・死亡時の看護のポイント
〈目次〉
●患者設定
●腎不全の終末期の概要
●腎不全の余命告知時における看護師の役割は?
●腎不全の余命告知時~看取り期における看護師の役割は?
●腎不全の臨死期における看護師の役割は?
●腎不全の死亡時における看護師の役割は?
●腎不全の死亡退院時における看護師の役割は?
【第8回】認知症の終末期ケア:告知・臨死期・死亡時の看護のポイントを解説
〈目次〉
●患者設定
●認知症の終末期の概要
・アルツハイマー型認知症
・レビー小体型認知症
・血管性認知症
・前頭側頭型認知症
●認知症の余命告知時における看護師の役割は?
●認知症の余命告知時~看取り期における看護師の役割は?
●認知症の臨死期における看護師の役割は?
●認知症の死亡時における看護師の役割は?
●認知症の死亡退院時における看護師の役割は?
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「看護実習とは何か」を解説【第7週】朝ドラ初心者編集者が観てみたNHK連続テレビ小説『風、薫る』視聴日記
『風、薫る』第7週「届かぬ声」に関連して、現代の看護実習について解説します。
ドラマはほぼ観ない編集者が、朝ドラに挑戦中。
毎日の感想はXでメモ感覚で発信しながら、週に1回まとめて振り返っています。
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『風、薫る』のモチーフ、大関和と鈴木雅―看護の道を切り開いた2人の歩み
看護学校の実習とは?目的・内容・制度上の位置づけを解説
いよいよ病院での看護実習が始まったりんと直美。今週は、現代の看護教育で実施されている看護実習について解説します。
看護学生にとって山場である「実習」
看護学校で学ぶなかで、多くの学生が大きな山場として感じるのが「実習」です。 講義や演習で学んだ知識・技術を、実際の医療現場で患者さんとかかわりながら深めていく大切な学びの機会です。
現代の看護教育で実施される実習とは、病院や施設、地域などの実際の看護の場で、看護師の役割や患者さんへのかかわりを学ぶ授業の1つです。座学で学んだ解剖生理、病態、看護技術、コミュニケーション、看護過程などを、実際の患者さんの状況に合わせて考え、実践につなげていきます。
看護実習は制度上、正式なカリキュラムの一部
看護実習は、学校ごとの独自の取り組みではなく、看護師になるための教育課程に位置づけられた正式な授業です。 看護師養成課程のカリキュラムは、国の「保健師助産師看護師学校養成所指定規則」などに基づいて定められています。
3年課程の看護師養成所では、講義・演習・実習を含めた教育課程のなかに、臨地実習が組み込まれています。つまり実習は、「現場に慣れるための見学」ではなく、看護師国家試験の受験資格につながる教育課程の一部です。実習で学ぶ内容や単位は、看護師として必要な能力を身につけるために設計されています。
なぜ実習が必要なのか
看護師に求められる力は、知識を覚えることだけではありません。 患者さんの状態を観察し、変化に気づき、必要な援助を考える力。患者さんや家族の思いを受け止め、医療チームの一員として行動する力。こうした力は、座学だけで身につけることが難しいでしょう。
例えば、同じ疾患名でも、患者さんの年齢、生活背景、治療への受け止め方、家族の支援状況によって、必要な看護は変わります。実習では、こうした「一人ひとり違う患者さん」に向き合いながら、看護を考える力を養います。
実習では何をする?
実習の内容は、学校や学年、実習領域によって異なりますが、一般的には次のような流れで進みます。 まず、実習前にオリエンテーションを受け、実習病棟や施設の特徴、注意点、受け持ち患者さんに関する情報などを確認します。
実習が始まると、学生は患者さんを受け持ち、バイタルサイン測定、観察、日常生活援助、コミュニケーションなどを行います。患者さんの病状や生活状況を把握しながら、「今、この患者さんに必要な看護は何か」を考えていきます。
また、実習中は毎日記録を書きます。患者さんの情報、観察したこと、考えたこと、実施したケア、振り返りなどをまとめ、翌日の看護につなげます。
カンファレンスでは、学生同士で患者さんへのかかわりや学びを共有します。自分では気づかなかった視点を得られることも多く、実習での重要な学びの場です。
実習の種類
看護実習には、いくつかの領域があります。
例えば、成人看護学実習では、急性期や慢性期の病気をもつ患者さんへの看護を学びます。
老年看護学実習では、高齢者の生活機能やその人らしい暮らしを支える看護を考えます。
小児看護学実習では、子どもの成長発達や家族への支援、母性看護学実習では、妊娠・出産・産後の母子への看護を学びます。
精神看護学実習では、心の健康に課題を抱える人との関係づくりや支援について考えます。
さらに、地域・在宅看護論実習では、病院の外で生活する人々を支える看護を学びます。
このように、看護実習ではさまざまな場面を経験しながら、看護の対象が「病気」だけではなく「生活する人」であることを実感していきます。
実習で大変だと感じやすいこと
看護実習では、多くの学生が不安や大変さを感じます。 特に多いのが、記録の負担です。患者さんの情報を整理し、アセスメントし、看護計画につなげるには時間がかかります。
また、患者さんとのコミュニケーションに悩むこともあります。りんや直美も感じていましたね。「何を話せばよいかわからない」「沈黙が怖い」「失礼なことを言ってしまわないか不安」と感じる学生もいます。
さらに、実習指導者や教員からの質問にうまく答えられず、自信をなくすこともあります。しかし、質問されるのは考えを深めるためです。わからないことは、わからないままにせず、調べたり相談したりする姿勢が大切です。
実習は「看護師になる自分」を具体的に考える機会
実習では、患者さんの苦痛や不安に触れる場面もあります。自分の未熟さを感じたり、思うように行動できず落ち込んだりすることもあるかもしれません。
しかし、実習での経験は、看護師として働く自分を具体的に考える大切な機会です。患者さんからの何気ない一言、看護師のかかわり方、チームで支える医療の姿から、「看護とは何か」を実感する場面も多くあります。実習は、看護師として成長するための重要な過程なのです。
さっそく、さまざまな受け持ち患者さんとかかわりはじめたりんと直美。実習で考えたこと・体験したことが、これからの2人の看護師人生の基礎となるはずです。どのようなことを考え、体験していくのか楽しみですね。
それでは第7週の感想まとめです!
第7週「届かぬ声」感想まとめ
第7週のあらすじ
いよいよ、看護見習生として帝都医科大学附属病院での実習が始まった。りん(演・見上愛)と直美(演・上坂樹里)は外科に配属され、厳しい現実に直面していく。
(番組公式ホームページを参考に作成)
7-1 不穏な実習スタート
帝都医科大学附属病院での実習がスタート。とはいえ、看護師のいない時代なので、病院で働く人たちからはなかなか理解を得られず、ウェルカムとはとても言えない雰囲気。
7-2 医師にはものを言えない患者
受け持ち患者とうまくかかわれないりん。痛そうにしているのに、医師の回診の際には患者は医師に本音を言わないため、りんが伝えるものの、余計なことをと無視されます。落ち込むりんに、学びがいのある患者を受け持つことができたと発破をかけるバーンズ先生。その真意は…?
7-3 誰のために看護をするのか
りんの受け持ち患者・園部さんが手術した部位から出血し、再度、縫合を行い、無事退院。退院時に「もっとうまくかかわれたらよかった」と園部さんに言うりんですが、園部さんからは特にコメントなし。落ち込むりんに「ありがとうと言われたかったのか?」と、諭すバーンズ先生。結果からみれば、園部さんは無事退院できたので、よかったのだと思いますが、りんの気持ちもわからなくはないですよね。感謝の見返りを求めているわけではないけれど、「ありがとう」という言葉は、人の気持ちを前向きにさせるものです(園部さんがりんが渡した花瓶の水替えを行っていたということを直美が教えてくれましたが、ちょっと伝わりづらい気も…)。
7-4 壁にぶつかる2人
直美は直美で、持ち前のコミュニケーション(?)力で、患者さんや医師ともうまくかかわりはじめているようです。このあたりはもしかしたら時代変わらず、今でも同じような雰囲気があるかもしれませんね(目的を達成するためのコミュニケーション術は、現代でも大きなテーマです)。
後半は、シマケンサービスタイムなのか(?)と思うほど、りん一家とシマケンのかかわりが描かれます。シマケンはよい相談相手、だけの存在なのでしょうか…?
7-5 りんと直美の違い?
実習に戻ったりんを迎えたのは、患者さんの元気な挨拶。直美からの手厳しい看護を受けていた患者さんが、りんを待っていたのです。ここのあたり、これからの看護師としてのりんと直美の違い(補完し合うような存在のような気もするのですが)の描写になっていくのでしょうか。
一方、帝都医科大学附属病院には侯爵夫人・和泉千佳子(演・仲間由紀恵さん)が乳がんの手術のため入院してくるものの(手術の成功率は2割程度とか…)、病室や看病婦の対応が気に入らず、手術も受けずに退院すると言います。来週、どうやらりんが受け持つことになりそう…というのが今週の終わりでした。
和泉夫人と看護学生たちがどのようにかかわっていくのか、来週も楽しみです!
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呼吸サルコペニアの定義・原因・診断基準とは?看護師が知っておくべきポイント
呼吸サルコペニアの病態、原因、診断基準、介入方法などを紹介。看護師が知っておきたいこと、予防できることを解説します。
呼吸サルコペニアとは?
呼吸サルコペニアとは、呼吸にかかわる筋肉である呼気筋と吸気筋に、筋量減少と筋力低下が生じた状態です。呼気筋には内肋間筋、腹横筋、内外腹斜筋、腹直筋、吸気筋には横隔膜、外肋間筋などがあります。サルコペニアは四肢体幹の筋肉だけでなく、これら呼吸筋にも生じます。
「呼吸」というと気管支や肺をイメージしがちですが、呼吸には呼吸筋も必要です。本稿では呼吸サルコペニアの定義、原因、診断、研究の現状、臨床ナースに知っておいてほしいことについて解説します。
呼吸サルコペニアの病態の定義
2023年に日本呼吸ケア・リハビリテーション学会、日本サルコペニア・フレイル学会、日本呼吸理学療法学会、日本リハビリテーション栄養学会の4学会が、『呼吸サルコペニア 4学会合同ポジションペーパー』1を作成、公開しました。このポジションペーパーでは、「呼吸サルコペニアとは、呼吸筋力低下と呼吸筋量減少の両方が示唆される病態」と定義しています。これは全身性サルコペニア(以下、単に「サルコペニア」と表記する場合、全身性サルコペニアを指す)の診断と同じ流れです。
2024年には、サルコペニアの国際的な集まりであるGlobal Leadership Initiative in Sarcopenia(GLIS)
から、サルコペニアの概念的定義に関するコンセンサス論文が発表されました2。このなかで、筋量と筋力はサルコペニアの構成要素とされた一方、身体能力は構成要素ではなくアウトカムとされました。そのため、今後のサルコペニア診断は、筋量と筋力の2つだけで行う方向性となりました。
アジアのサルコペニアのワーキンググループであるAsian Working Group for Sarcopenia(AWGS)2019では、筋量減少を認め、筋力低下もしくは身体機能低下を認めたものをサルコペニアと診断していました。
しかし2025年11月に公開されたAWGS 2025では、筋量減少と筋力低下を認めたものをサルコペニアと診断することになりました。身体機能低下は、サルコペニアの診断基準から除外されています。
AWGS 2025について、詳しくは『エキスパートナース』2026年5月号特集「今知っておきたいAWGS 2025のポイント」をチェック!
呼吸サルコペニアの原因
呼吸サルコペニアの原因は、全身性のサルコペニアと同様に、加齢、低活動、低栄養、疾患(急性炎症、カヘキシア〈悪液質〉、神経筋疾患など)に分類できます。
加齢によって全身の筋肉だけでなく、呼吸筋にも筋量減少と筋力低下を生じます。また、呼吸筋が最も低活動となるのは、人工呼吸管理で筋弛緩薬を使用している場合です。人工呼吸管理下では、呼吸筋の活動が低下することで、呼吸筋に廃用性の筋量減少と筋力低下を生じます。さらに、運動や身体活動を行わないと、呼吸回数や呼吸の深さが増えることはないので、呼吸筋の活動が少なくなり、萎縮しやすくなります。
そして、エネルギーやタンパク質の摂取量が少なくて飢餓状態になると、全身の筋肉だけでなく呼吸筋も萎縮して、筋量減少と筋力低下を生じます。
急性感染症や手術後などで急性炎症を認めると、異化が亢進して全身の筋肉や呼吸筋に筋量減少と筋力低下を生じます。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの神経筋疾患では、呼吸筋にも筋量減少と筋力低下を生じて、進行すると人工呼吸管理が必要となることもあります。呼吸器疾患の1つである慢性閉塞性肺疾患(COPD)も、図1のように全身性のサルコペニア、呼吸サルコペニアとの相互作用を示します1。

カヘキシアは、「体重減少、炎症状態、食欲不振に関連した慢性疾患に伴う代謝不均衡」であると、アジアのカヘキシアのワーキンググループであるAsian Working Group for Cachexia(AWGC)によって2023年に定義されました3。AWGCによるカヘキシアの診断基準を表1に示します3。カヘキシアでは全身の筋肉だけでなく、呼吸筋にも筋量減少と筋力低下が生じます。
表1 AWGCのカヘキシア診断基準
●以下の2つは必要条件
①カヘキシアの原因疾患の存在(がん、うっ血性心不全、関節リウマチ、慢性閉塞性肺疾患、慢性腎不全、慢性呼吸不全、慢性肝不全、膠原病、制御できていない慢性感染症)
②3~6か月で2%より多くの体重減少、もしくはBMI21kg/m²未満
●そのうえで、以下の3つのうち1つ以上に該当
①主観的症状:食欲不振
②客観的指標:握力低下(男性28kg未満、女性18kg未満)
③バイオマーカー:CRP >0.5mg/dL(文献3を参考に作成)
1人の患者さんで上記の原因を複数認めることは、少なくありません。例えば高齢のCOPDの方が、誤嚥性肺炎で入院して、「とりあえず安静」「とりあえず絶食」「とりあえず水・電解質輸液の点滴のみ」といった不適切な医療行為を受けたとします。そうすると加齢、低活動、低栄養、疾患(誤嚥性肺炎による急性炎症、慢性閉塞性肺疾患によるカヘキシア)を合併します。その結果、全身性のサルコペニアやサルコペニアによる摂食嚥下障害だけでなく、呼吸サルコペニアも急速に進行します。
そのため入院後2日以内に、ナースなど多職種で適切な評価を行います。そして可能であれば早期離床、早期リハビリテーション、早期経口摂取、入院時からの適切な栄養管理を行えば、部分的にですが呼吸サルコペニアを予防することが可能です。
呼吸サルコペニアの診断基準
呼吸サルコペニアの診断フローチャートを図2に示します1。

呼吸筋力低下と呼吸筋量減少の両方が存在する場合、呼吸サルコペニアと確定します。呼吸筋力は、 最大呼気口腔内圧(maximal expiratory pressure:MEP)もしくは最大吸気口腔内圧(maximal inspiratory pressure:MIP)による測定を推奨しています。65歳以上の健常成人の平均値は、女性でMEP116cmH₂O、MIP 57cmH₂O、男性でMEP 174cmH₂O、MIP 83cmH₂Oであるという報告があります4。また年齢、性別でみた呼吸筋力の基準値から80%以下の場合には、呼吸筋力低下としてよいと考えます5。
超音波エコーなどによる呼吸筋量の測定が難しい場合には、四肢骨格筋量を代用します。呼吸筋力の低下と四肢骨格筋量の減少が認められた場合、呼吸サルコペニアの可能性が高い(probable respiratory
sarcopenia)と診断します。呼吸筋力低下のみを認め、拘束性換気障害または閉塞性換気障害といった呼吸機能障害を認めない場合は、呼吸サルコペニアの可能性あり(possible respiratory sarcopenia)と診断します。呼吸機能障害を認める場合には、呼吸機能障害による呼吸筋力低下であり、呼吸サルコペニアではない(no respiratory sarcopenia)と診断します。
呼吸サルコペニアに対する介入方法は?
呼吸サルコペニアという言葉ができたのが比較的最近であるため、呼吸サルコペニアの研究は少ないのが現状です。呼吸サルコペニアの有病率や、死亡や機能予後との関連を調査した研究はいくつか報告されています。しかし、呼吸サルコペニアの予防や治療に関する研究は、現時点ではほとんどありません。そのため、呼吸サルコペニアの予防や治療は、エビデンスに基づいたものではなくエキスパートオピニオンに基づいたものとなることに留意してください。
呼吸筋トレーニングは呼吸サルコペニアに対する最も有望な介入で、呼吸筋力、呼吸機能、身体機能、および健康関連QOL(quality of life)を改善します。実際には、呼吸筋トレーニングと全身の筋力トレーニングの併用が望ましいと考えます。
栄養介入は、骨格筋量、運動能力、呼吸筋力に有益な効果をもたらします。また、栄養不良と呼吸サルコペニアを有する高齢者の転帰を改善するためには、運動と栄養介入の両方を組み合わせることが重要です。エビデンスはありませんが、栄養改善をめざして意図的にエネルギー蓄積量を加味した攻めの栄養管理と、呼吸筋や全身の筋力トレーニングを含めたリハビリテーションの併用であるリハビリテーション栄養が、呼吸サルコペニアの予防と治療に重要と考えます。また、身体面への対応だけでなく、心理面や社会面への対応も重要です5。
ナースとして知りたいこと、かかわれることは?
まず、呼吸サルコペニアを知って気づいてほしいです。全身性のサルコペニアを認めた患者さん全員に呼吸サルコペニアを認めるわけではありませんが、全身性サルコペニアを認めた場合には、呼吸サルコペニアの存在も疑ってください。一方、サルコペニアの摂食嚥下障害を認めた場合には、ほぼ全員に呼吸サルコペニアを認めると考えます。
次に、呼吸サルコペニアはナースの業務内容に直結することを知ってほしいです。重度の呼吸サルコペニアの場合、痰の自己喀出が困難となり、吸引が必要となります。また、誤嚥性肺炎で禁食となった後に経口摂取をめざす場合、サルコペニアの摂食嚥下障害だけでなく呼吸サルコペニアの有無と程度が、経口摂取の可否に影響します。さらに、重症疾患で人工呼吸管理となった場合、人工呼吸管理から離脱できるかどうかは呼吸サルコペニアの程度によることがあります。呼吸サルコペニアは全身性サルコペニアと関連しますので、身体機能や日常生活活動自立度が低いことが多いです。そのため、転倒や骨折のリスクが高いといえます。
最後に、呼吸サルコペニアはナースの取り組みによって、部分的に予防できることを知ってほしいです。呼吸サルコペニアの原因は加齢、低活動、低栄養、疾患ですが、これらのうち低活動と低栄養はナースの気づきと取り組みで予防、改善できます。または、医師に理学療法士と管理栄養士の介入を依頼するという形でもよいです。
呼吸器疾患というと慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、肺がん、誤嚥性肺炎、間質性肺炎など、気管支と肺に集中しがちです。しかし実際には、これらの疾患の患者さんの多くに低栄養や全身性サルコペニアだけでなく、呼吸サルコペニアも認めます。気管支と肺だけでなく、呼吸筋にもぜひ注目してください。
- 1.Sato S,Miyazaki S,Tamaki A,et al.:Respiratory sarcopenia:A position paper by four professional organizations.Geriatr Gerontol Int 2023;23(1):5-15.
2.Kirk B,Cawthon PM,Arai H,et al.:The Conceptual Definition of Sarcopenia:Delphi Consensus from the Global Leadership Initiative in Sarcopenia(GLIS).Age Ageing 2024;53(3):afae052.
3.Arai H,Maeda K,Wakabayashi H,et al.:Diagnosis and outcomes of cachexia in Asia:Working Consensus Report from the Asian Working Group for Cachexia.J Cachexia Sarcopenia Muscle 2023;14(5):1949-1958.
4.Enright PL,Kronmal RA,Manolio TA,et al.:Respiratory muscle strength in the elderly.Correlates and reference values.Cardiovascular Health Study Research Group.
Am J Respir Crit Care Med 1994;149(2 Pt 1):430‒438.
5.Miyazaki S,Tamaki A,Wakabayashi H,et al.:Definition,diagnosis,and treatment of respiratory sarcopenia.Curr Opin Clin Nutr Metab Care 2024;27(3):210-218.
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日本人の食事摂取基準【2025年版】の改定ポイントは?看護師が知るべき変更点
『日本人の食事摂取基準』2025年版の改定の背景や目的、主な改定ポイントを紹介。臨床の看護師がおさえておきたい要点を解説します。
- ●『日本人の食事摂取基準』改定の背景は?
●『日本人の食事摂取基準』改定のねらいは?
●『日本人の食事摂取基準』2025年版の主な改定ポイント
1.鉄の摂取基準と貧血対策
2.骨粗鬆症予防におけるカルシウムとビタミンD
3.食物繊維の摂取基準の改定と腸内環境の改善
4.病棟での対応と多職種連携のポイント
●『日本人の食事摂取基準』2025年版のナースが知っておきたいポイント
『日本人の食事摂取基準』改定の背景は?
『日本人の食事摂取基準』は、日本人の健康維持や疾病予防を目的とした栄養指針であり、科学的根拠に基づいて約5年ごとに改定されています。今回の改定(2025年版)では、近年の日本人の栄養状態や生活習慣病の動向をふまえ、健康寿命の延伸と生活の質の向上を図ることが主な目的とされています。
改定の背景には、日本社会の少子高齢化の進展があります。高齢者人口が増加する一方で、生産人口が減少し、それに伴う医療費の増加が課題となっています。このような状況に対応するため、疾病予防や健康増進の観点から、栄養管理を通じて健康を支える施策が求められています。また、食生活の変化による栄養素の摂取状況の偏りや、新たな科学的知見の蓄積も、改定の重要な要因となっています。一例として、乳児の成長に合わせたより詳細な年齢区分設定を反映した新しい年齢区分を表1に示します1。
表1 『日本人の食事摂取基準(2025年版)』で採用された年齢区分と年齢範囲
乳児※
0~5か月、6~11か月
※エネルギーおよびたんぱく質については、「0~5か月」、「6~8か月」、「9~11か月」の3つの区分で表している幼児※
1~2歳、3~5歳学童※
6~7歳、8~9歳、10~11歳思春期
12~14歳青年期
15~17歳成人※
18~29歳、30~49歳、50~64歳高齢者※
65~74歳、75歳以上妊婦・授乳婦
妊娠初期、妊娠中期、妊娠後期、授乳期※同じ年齢区分でも「目標量」「推定平均必要量」が異なる場合があるため、さらに区分している
(文献1を参考に作成)
『日本人の食事摂取基準』改定のねらいは?
今回の改定のねらいとしては、表2の3点が挙げられます。
表2 主な改定のねらい
① エネルギーや主要栄養素の摂取基準を見直し、健康増進に寄与する栄養管理を強化する
② 生活習慣病の予防や治療を目的とした具体的な指針を示す
③食品の選択や摂取パターンにおいて、食文化や個々人のライフスタイルに適応した柔軟性をもたせる
特に今回の改定では、近年の日本人の栄養摂取傾向を分析し、摂取量が不足している栄養素や、逆に過剰摂取が懸念される栄養素について新たな基準が設けられました。例えば、食物繊維や鉄、カルシウムなどは摂取不足が指摘されており、これらの栄養素を適切に摂取するための基準が設定されています。また、飽和脂肪酸、ナトリウム(塩分)の過剰摂取が生活習慣病のリスクを高めることが明らかになっており、減塩の必要性などがより強調されています。
改定の意義は、栄養基準が医療現場や日常生活において活用されることで、国民全体の健康増進に寄与する点にあります。臨床現場では、患者さんの栄養状態を評価し、適切な栄養介入を行う指針として活用されることが期待されています。また、保健指導の場では、健康教育や生活習慣の改善を支えるツールとして役立つと考えられています。このように、科学的根拠に基づく『日本人の食事摂取基準(2025年版)』は、個人および集団の健康を支えるために重要な役割を果たすものです。
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●低栄養に伴う脱水リスクとは?水分出納のバランスを管理
『日本人の食事摂取基準』2025年版の主な改定ポイント
『日本人の食事摂取基準(2025年版)』では、最新の科学的知見が反映され、特定の栄養素や健康課題への対応を強化することを目的として改定が行われました。
そのなかでも、鉄、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)予防のためのカルシウムやビタミンD、食物繊維に関する基準の変更が注目されています。本節では、特に臨床ナースが理解し、実践に生かすべきポイントについて解説します。
1.鉄の摂取基準と貧血対策
鉄の摂取基準においては、特に女性の健康維持に向けた変更が行われました。2020年版と比較して、月経の有無による摂取量の差がより明確化されました。また、妊娠期の鉄需要が強調され、妊娠中期および後期の女性に対する付加量の推奨量が引き上げられています(表3)2。これにより、妊娠期貧血の予防を強化し、母子の健康を守る基盤が構築されることが目的とされています。

臨床ナースにとって重要な点は、入院患者や妊産婦における貧血リスクの早期発見と栄養介入の推進です。特に、鉄欠乏性貧血のリスクが高い患者さんには、鉄を含む栄養補助食品や鉄剤の投与が検討される場面が増える可能性があります。また、鉄の吸収を妨げる要因(例:過剰なカルシウム摂取や胃酸分泌抑制薬の使用)に注意を払うことも求められます。
2.骨粗鬆症予防におけるカルシウムとビタミンD
骨粗鬆症の予防に関する基準では、カルシウムとビタミンDの摂取がいっそう重視されています。2025年版では、骨密度の低下リスクを減らすため、全ライフステージを通じてカルシウムの適切な摂取が求められています。また、ビタミンDについては、日光照射不足や高齢者の摂取不足が課題とされ、推奨量が改定されました(表4)3。これにより、骨代謝の維持と転倒予防の取り組みが促進されることが期待されています。

病棟では、骨粗鬆症のリスクが高い患者さんへの栄養指導がいっそう重要となります。特に高齢者や慢性疾患を抱える患者さんに対しては、乳製品や小魚、ビタミンD強化食品を含む食事の提供が奨励されます。また、カルシウム吸収を助けるため、マグネシウムやビタミンKとのバランスにも配慮する必要があります。
3.食物繊維の摂取基準の改定と腸内環境の改善
食物繊維の摂取基準では、腸内環境の改善や生活習慣病予防の観点から見直しが行われました。2025年版では、便秘の解消だけでなく、腸内フローラの多様性維持や肥満、糖尿病の予防効果にも焦点が当てられています。これに伴い、摂取推奨量が微調整され、さらに水溶性と不溶性のバランスが重視されています。
臨床現場では、食物繊維の摂取が不十分な患者さんに対する指導が求められます。不溶性食物繊維が多い野菜や全粒穀物と、水溶性食物繊維が豊富な果物や海藻を適切に組み合わせた食事が推奨されます。また、便秘や腸閉塞リスクを抱える患者さんには、摂取量や形態に注意を払い、医師と連携して対応することが重要です。
4.病棟での対応と多職種連携のポイント
これらの改定ポイントを病棟で実践するためには、多職種連携が不可欠です。臨床ナースは、患者さんの栄養状態を日々観察し、必要に応じて管理栄養士や医師に相談する役割を担います。また、食事の適切な提供や補助食品の使用に関して患者さんや家族に指導を行うことが重要です。
特に、高齢者や慢性疾患をもつ患者さんでは、食事摂取基準に基づく個別的な栄養管理が必要です。臨床ナースは、患者さんの食事摂取量や嗜好、嚥下機能をふまえた対応を行いながら、栄養状態を維持・改善するサポートを行うべきです。
『日本人の食事摂取基準』2025年版のナースが知っておきたいポイント
①適切な栄養アセスメントと栄養支援
『日本人の食事摂取基準(2025年版)』へ改定されるにあたり、臨床で活用するためにはいくつかの重要なポイントをおさえておく必要があります。
まず、改定の主な目的は、栄養素ごとの推奨量や基準を科学的根拠に基づいて見直し、健康増進や疾病予防のための指針を提供することです。臨床ナースが特に注目すべき点は、患者さんの食事摂取状況に応じた適切な栄養アセスメントと、その結果を基にした栄養支援の実施です。例えば、特定の疾患をもつ患者さんに対しては、基準に従った栄養素の摂取量が重要であり、ナースには患者さんの食事内容や摂取状況を継続的にモニタリングし、必要な支援を行う役割が求められます。
②患者さんの個別性をふまえ、多職種と連携して栄養管理や指導などを行う
臨床での活用においては患者さんの年齢、性別、生活習慣に応じた個別化が大切であり、基準を単に一律に適用するのではなく、各患者さんに合わせた柔軟な対応が求められます。
さらに、多職種との連携においては、食事摂取基準を共有し、医師や管理栄養士、薬剤師と連携して患者さんへの適切な栄養管理を行うことが重要です。特に、食事療法を取り入れた治療計画では、管理栄養士が推奨する摂取量や内容をナースが正確に理解し、患者さんへの説明や指導を効果的に行う必要があります。
総じて、『日本人の食事摂取基準』の改定に伴い、臨床ナースは基準に基づいた栄養管理の知識を深め、患者さん個々のニーズに応じた栄養支援を行い、多職種と連携してその実現をめざすことが求められます。
*
『日本人の食事摂取基準(2025年版)』では、鉄、カルシウム、ビタミンD、食物繊維などの栄養素に関する新たな基準を通じて、健康増進と疾病予防をめざしています。臨床ナースの皆さんには、これらの改定内容をしっかりと理解し、患者さんに適切な栄養管理を提供するために、管理栄養士や医師と連携して取り組むことが求められます。このような取り組みを通じて、患者さんの生活の質を向上させることが期待されます。
- 1.厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書:10,16.
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316585.pdf(2026.5.13アクセス)
2.前掲書1:295, 357.
3.前掲書1:182
※この記事は『エキスパートナース』2025年5月号の記事を再構成したものです。当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載および複製等の行為を禁じます。
重症患者リハビリテーション診療ガイドライン2023:看護師が知っておくべき要点
日本集中治療医学会によって策定された『重症患者リハビリテーション診療ガイドライン2023』。作成の経緯や概要など、看護師が知っておきたいポイントを紹介します。
『重症患者リハビリテーション診療ガイドライン2023』作成の経緯
重症患者に早期からリハビリテーションを行う有用性は、2000年代後半より謳われるようになってきました1,2。それまでは、重症患者は“眠らせ”て“絶対安静”が主流だったのですが、さまざまな研究で鎮静の弊害が示されるようになり、患者さんは覚醒して過ごすことが多くなってきました3,4。その結果、離床も可能ではないか、といわれるようになってきたのです。
また、離床だけがリハビリテーションではありません。electorical muscle stimulation(EMS、筋電気刺激療法)やエルゴメータの使用もリハビリテーションの1つです。さらに、多くの重症患者には嚥下障害が生じていることが明らかになっています5。このような患者さんには、嚥下に関するリハビリテーションも必要になります。そして、「集中治療室(ICU)退室後に高い強度のリハビリテーションを行う必要があるのか?」ということが重要な課題です。
このように、重症患者にとって、リハビリテーションは身近なものになり、多くの施設で積極的に行われるようになってきました。しかし、これまでリハビリテーションに関与するスタッフや看護師がどのようなリハビリテーションを行うべきか悩んだときに指針となりうるものは、エキスパート・オピニオン(識者の見解)しかありませんでした。つまり、エビデンスに基づいた意思決定支援のツールがなかったといえます。
そこで、『重症患者リハビリテーション診療ガイドライン2023(J-ReCIP 2023)』が、日本集中治療医学会によって策定されました。
『重症患者リハビリテーション診療ガイドライン2023』の目的
『重症患者リハビリテーション診療ガイドライン2023(J-ReCIP 2023)』(以下、本診療ガイドライン)は、ICUでの治療を受ける患者さんを対象に、リハビリテーションを通じた患者さんの早期回復と予後改善をめざしています。システマティックレビュー(SR)*1とGRADEアプローチ*2を採用し、エビデンスに基づく推奨を提示することで、標準化されたケアの提供を促進することを目的としています。
*1【システマティックレビュー】systematic review。ある課題に対し、系統的(systematic)かつ明示的な方法を用いて、先行研究・論文を複数の専門家でリサーチし、それらのバイアス(データの偏り等)を吟味したうえで分析し、治療方針を提示する形式。
*2【GRADEアプローチ】Grading of Recommendations, Assessment, Development and Evaluation approach。ガイドライン開発に関する国際的な審議会であるGRADE working groupによって整備され
た、エビデンスの質(または確実性)、推奨の強さを評定するための、合理的で透明性のある共通のアプローチ。また、このアプローチにもとづくエビデンスの確実性や推奨度の評価方法がGRADEシステムで、患者の価値観や好みを考慮して推奨を作成することを明確にしているなどの特徴がある。
本診療ガイドラインでは、ICUの中でのリハビリテーションのみならず、ICU退室後のリハビリテーションにも焦点を当てているのがポイントです。本診療ガイドラインの策定には医師、看護師、理学療法士、作業療法士、薬剤師などさまざまな専門職が参画しました。
本診療ガイドラインは、ICU患者へのリハビリテーションを支える基盤として、表1の8つの重要な臨床
領域を設定しています。これらの領域から臨床疑問(clinical question:CQ)が選出されました6。一般病棟の方はぜひ、表1「ICU退室後のリハビリテーション」を一読いただければと思います。
表1 ICU患者のリハビリテーションの基盤となる8つの臨床領域
1.ICUでの運動療法(呼吸理学療法なども含む)
●呼吸理学療法を含む運動療法を実施する際の方法や効果について検討する領域。リハビリテーションの開始基準や方法、運動の具体的な内容が議論されている2.神経筋電気刺激および床上エルゴメータ
●神経筋電気刺激(NMES)や床上でのエルゴメータを使用したリハビリテーションの有効性や適応を評価する領域
3.嚥下機能に関するリハビリテーション
●ICU患者に特有の嚥下障害を対象に、その評価方法や治療プロトコルを検討する領域。嚥下機能の回復に向けたトレーニングや検査の導入が含まれる
4.離床に関する基準
●離床(ベッドから起き上がること)を開始する基準と中止する基準について定め、患者の安全性を確保しながら早期の移動を促進するための領域
5.栄養療法とリハビリテーション
●リハビリテーションの効果を最大化するために適切なエネルギーおよび栄養素の摂取を検討する領域。エネルギーやタンパク質の目標量が議論されている
6.小児のリハビリテーション
●小児ICU患者を対象にしたリハビリテーションの特有の課題や治療方法を取り扱う領域。年齢に応じた方法論や適応が含まれる
7.ICU退室後のリハビリテーション
●ICU退室後の患者が一般病棟や地域医療施設でリハビリテーションを継続するための方法論を検討する領域。患者の回復を促進し、再入院を防ぐことを目的としている
8.家族面会・家族のリハビリテーション参加
●家族の面会やリハビリテーションへの参加が患者の回復や精神的健康に与える影響を検討する領域。家族の積極的な関与を推奨する内容が含まれる(文献6を参考に著者作成)
こちらもチェック
●ICU-AW予防のための早期リハビリテーション
PICSのうち、運動機能障害の代表であるICU-AWを予防するための早期リハビリテーションについて紹介しています。
CQの抽出元と推奨の評価基準
表1の8領域から14のCQが抽出され、それぞれについてGRADEシステムを用いた推奨が示されてい
ます。例えば、「ICUにおける運動療法の導入」「神経筋電気刺激の使用」「嚥下機能リハビリテーションの実施」など、実際の治療現場で重要とされる具体的な疑問に対する推奨が含まれています。
CQごとの推奨は、「推奨」「弱い推奨」「非推奨」「弱い非推奨」の4カテゴリに分類され、エビデンスの確実性や介入の効果、患者さんや家族の価値観、実行可能性を考慮して評価されています。
表2に、本診療ガイドラインにおけるCQと推奨を紹介します6。
表2 『重症患者リハビリテーション診療ガイドライン2023』に掲載されているCQとその推奨
CQ番号1:重症患者にリハビリテーションのプロトコルを導入するか?
【推奨】重症患者にリハビリテーションのプロトコルを導入することを弱く推奨する(GRADE 2D:エビデンスの確実性=「非常に低」)。CQ番号2:重症患者に対して1日に複数回のリハビリテーションを行うか?
【推奨】重症患者に対して1日に複数回のリハビリテーションを行うことを弱く推奨す(GRADE 2D:エビデンスの確実性=「非常に低」)。CQ番号3:重症患者に対して神経筋電気刺激または/および床上エルゴメータを行うか?
【推奨】重症患者に対して、神経筋電気刺激を行うことを弱く推奨する(GRADE 2B:エビデンスの確実性=「中」)。床上エルゴメータを行うことを弱く推奨する(GRADE 2D:エビデンスの確実性=「非常に低」)。神経筋電気刺激および床上エルゴメータを行うことを弱く推奨する(GRADE 2B:エビデンスの確実性=「中」)。CQ番号4:ICUの重症患者における嚥下障害の頻度とスクリーニング方法は?
【推奨】ICUの重症患者における嚥下障害の正確な頻度は不明である。国ごとに事情や食文化が異なるため、嚥下障害のスクリーニングにはさまざまな方法が考案されており、国際的に統一されていない。自発的に嚥下できても不顕性誤嚥の場合もあるため、複数のスクリーニング方法を組み合わせて嚥下障害の有無を判断することがある。CQ番号5:重症患者に対して、嚥下内視鏡検査に基づいたマネジメントを行うか?
【推奨】ICU入院中の重症患者に対して、嚥下内視鏡検査に基づいたマネジメントを行わないことを弱く推奨する(GRADE 2D:エビデンスの確実性=「非常に低」)。CQ番号6:重症患者に対して、嚥下機能にかかわるリハビリテーション治療を行うか?
【推奨】重症患者に対して、嚥下機能にかかわるリハビリテーション治療を行うことを弱く推奨する(GRADE 2C:エビデンスの確実性=「低」)CQ番号7:重症患者の離床と運動療法の開始基準は何か?
【推奨】重症患者では、生命の危機から脱し、病態が改善傾向または安定化したことが確認されたのちに離床と運動療法の開始が検討されるが、安全かつ効果的な離床と運動療法の開始基準・タイミングに関する統一された見解は得られていない。「重症患者の離床と運動療法の開始基準案」(引用文献6のp.S936「Table 7」)を参考にし、チームで総合的に判断する。
CQ番号8:重症患者の離床と運動療法の中止基準は何か?
【推奨】重症患者の離床と運動療法では、実施中に病態が不安定になる可能性があるため、その中止基準を設定することが重要である。しかし、これまでに重症患者の離床と運動療法の中止基準に関する統一された見解は得られていない。「重症患者の離床と運動療法の中止基準案」(引用文献6のp.S941「Table 8」)を、施設体制または疾患や生理的状態に合わせて使用してもよい。
CQ番号9:重症患者の治療4~10日目に 20kcal/kg/day以上または消費エネルギー量の70%以上のエネルギー量投与を行うか?
【推奨】重症患者に対して、4~10日目に20kcal/kg/day以上または消費エネルギー量の70%以上のエネルギー投与を行うことを弱く推奨する(GRADE 2D:エビデンスの確実性=「非常に低」)。CQ番号10:重症患者の治療4~10日目に1.0g/kg/day以上のタンパク質量投与を行うか?
【推奨】重症患者に対して、4~10日目に1.0g/kg/day以上のタンパク質量投与を行うことを弱く推奨する(GRADE 2D:エビデンスの確実性「非常に低」)。CQ番号11:小児ICU患者に早期運動リハビリテーションのプロトコルを導入するか?
【推奨】小児ICU患者に対して、早期運動リハビリテーションのプロトコルを導入することを弱く推奨する(GRADE 2D:エビデンスの確実性=「非常に低」)。CQ番号12:小児急性期呼吸管理患者に呼吸理学療法を行うか?
【推奨】小児急性期呼吸管理患者に対して、呼吸理学療法を行うことを弱く推奨する(GRADE 2D:エビデンスの確実性=「非常に低」)。CQ番号13:重症患者に対してICU退室後に強化リハビリテーションを行うか?
【推奨】重症患者に対して、ICU退室後に強化リハビリテーションを行うことを弱く推奨する(GRADE 2D:エビデンスの確実性=「非常に低」)。CQ番号14:重症患者のリハビリテーションにおける家族の参加とその意義は何か?
【推奨】重症患者のリハビリテーションにおける家族の参加には、離床などの実際に行われるリハビリテーションに直接参加して介助を行うこと、手を握って励ますなどリハビリテーションを行っている患者を支援すること、ADLの補助や患者の安楽に繋がるケアを行うことなどが含まれる。家族が参加することにより、患者のリハビリテーションに対するモチベーションが維持され、不安や不快感、リハビリテーション後の倦怠感が軽減されるなどの効果が期待される。また、患者の助けになりたいという家族のニーズを満たすことができ、ネガティブな信念、無益感や無力感を改善させる可能性がある。一方、家族のリハビリテーション参加は、患者や家族に精神的な負担を与える可能性があり、家族には十分な説明と教育を行った上で参加を提案する必要がある。(文献6を参考に著者作成)
チーム医療におけるガイドラインの活用
リハビリテーションは、医療スタッフ全員で取り組むチーム医療です。特に患者さんのそばで働く看護師の役割は重要です。看護師は、リハビリテーションの時間調整から実施、介助、その後の観察まで、幅広い業務を担当します。
チーム医療をスムーズかつ安全に行うためには、職種間で共通の理解をもつことが大切です。本診療ガイドラインは、そうした共通の理解を深めるために役立ちます。例えば、理学療法士がリハビリテーションを行っているとき、看護師は患者さんのバイタルサインや表情の変化を常に観察し、それが安全な範囲内かどうかを判断します。このとき、本診療ガイドラインに示された運動療法の中止基準が、判断の助けとなります。また、チームで患者さんに合ったリハビリテーションを考える際にも、本診療ガイドラインが参考になります。
ただし、本診療ガイドラインは絶対的な基準ではありません。あくまでも判断を助けるものです。例えば、看護師がリハビリテーション後の患者さんの強い疲労感に気づいた場合、それは翌日のリハビリテーション計画を考えるうえで重要な情報となります。このように、実際にベッドサイドで得られる情報を大切にし、状況に応じて柔軟にリハビリテーションを進めることも重要です。
「医療・看護の知っておきたいTOPIC」の記事一覧
- 1.Schweickert WD,Pohlman MC,Pohlman AS,et al.:Early physical and occupational therapy in mechanically ventilated,critically ill patients:a randomised controlled trial.Lancet 2009;373(9678):1874-1882.
2.Bailey P,Thomsen GE,Spuhler VJ,et al.:Early activity is feasible and safe in respiratory failure patients.Crit Care Med 2007;35(1):139-145.
3.Kress JP,Pohlman AS,OʼConnor MF,et al.:Daily interruption of sedative infusions in critically ill patients undergoing mechanical ventilation.N Engl J Med 2000;342(20):1471-1477.
4.Strøm T,Martinussen T,Toft P:A protocol of no sedation for critically ill patients receiving mechanical ventilation:a randomised trial.Lancet 2010;375(9713):475-480.
5.Zuercher P,Moret CS,Dziewas R,et al.Dysphagia in the intensive care unit:epidemiology, mechanisms, and clinical management.Crit Care 2019;23(1):103.
6.日本集中治療医学会:重症患者リハビリテーション診療ガイドライン2023.日集中医誌 2023;30:S905-972.
7.松下功:診療ガイドライン作成におけるGRADEシステム.臨床リウマチ 2020;32:177-180.
※この記事は『エキスパートナース』2025年4月号記事を再構成したものです。当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載および複製等の行為を禁じます。
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【連載まとめ】新人ナースは要チェック!点滴・輸液・夜勤の自信がつくキホンとコツ
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【第1回】末梢ルート確保のコツ:翼状針・留置針の末梢ルートのとり方
〈目次〉
●Point1 血管の深さによって穿刺の角度を変える
●Poit2 留置針使用時の注意:内針だけが入った状態にしない
①内針と外針の位置に差がある
②カラーコードや種類ごとの特徴に応じて用いる
【第2回】感染予防のためのルート交換方法と血液逆流時の対応
〈目次〉
●感染を防ぐためのルート交換
Point1 看護師や患者の皮膚の常在菌により、菌血症に。手指消毒を徹底する
Point2 点適セットの接続部も消毒する
Point3 頻回な点滴セットの交換は感染につながる
●血液が逆流してきた場合の対応
Point1 逆流してきた血液は、生理食塩液で間欠的にフラッシュする
●血栓をつくらないためのロックのしかた
【第3回】輸液管理の基礎知識:輸液の目的・種類・投与方法・使用機器を解説
〈目次〉
●輸液療法の目的と、使用される輸液の種類
・電解質輸液の種類
●輸液を投与する方法
・輸液を注入する体の部位
●輸液で使う器具の種類(輸液ポンプ、シリンジポンプ)
【第4回】新人ナースのための夜勤入門:昼間の病棟との違い
〈目次〉
①看護師の人数が少ない(1人あたりの担当患者数が多い)!
②病院が暗くて静か!
③各科の医師がそろっていない(当直orオンコール体制となる)!
④医療技術部(検査部・薬剤部・リハビリ)・事務部の体制が異なる!
●患者さんのケアにかかわる各部門の夜間の体制(当院の例)
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『看護職の「多様で柔軟な働き方」導入応援ブック』が公開
日本看護協会は、2月17日に『看護職の「多様で柔軟な働き方」導入応援ブック』を同協会のホームページ上で公開しました。
看護人材の確保・定着をめざした働き方の転換を促す
今回公開された同冊子は、2月5日に神奈川県で開催された「日本看護サミット2025」で配布された冊子に、訂正を加えたものです。
同冊子は、看護人材の確保・定着をめざし、各施設における「看護職の多様で柔軟な働き方」の導入・取り組みを支援する目的で作成されたとしています。各組織での看護職の「多様で柔軟な働き方」の導入に向けた考え方と実際に導入する際のプロセスや導入事例、よくある質問への回答などをまとめています(表)1。
表 『看護職の「多様で柔軟な働き方」導入応援ブック』の目次
第1章 看護人材確保・定着に向けて
1 現在の医療・看護を取り巻く状況
2 これからの看護人材確保・定着に向けた考え方
3 看護人材の確保・定着のために必要な労働環境整備の全体像
第2章 看護職の多様で柔軟な働き方とは
1 看護職の「多様で柔軟な働き方」の考え方
2 今から導入できる多様で柔軟な働き方の具体例
第3章 多様で柔軟な働き方の導入プロセス
1 導入の考え方
2 導入のプロセス
3 多様で柔軟な働き方の導入にあたり必要な対応
第4章 取組み事例
Q&A
参考情報(文献1を参考に作成)
冊子冒頭で同協会の秋山智弥会長は、「一人ひとりの看護職、そして雇用主・管理者も既成概念から離れ、新しい雇用形態を取り入れた多様な働き方へと意識を変革していくこと」が求められているとし、働き方に関する従来の考えや枠組みからの転換を促しています1。
- 1.日本看護協会:看護職の「多様で柔軟な働き方」導入応援ブック.
https://www.nurse.or.jp/nursing/assets/support_book.pdf(2026.3.20アクセス)
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