【連載まとめ】診療報酬・介護報酬の最新動向と入退院支援のポイント
令和6年度診療報酬・介護報酬のW改定対応!入退院支援加算1の地域連携強化要件など、最新動向をまとめました。入退院支援の具体例や、外来でのスクリーニングについても解説します。
※記事は『エキスパートナース』2025年11月臨時増刊号「入退院支援&社会資源の最新ポイント」の内容を抜粋したものです。
【令和6年度最新】診療報酬&介護報酬の注目ポイント
〈目次〉
●充実した支援、地域との協働に対する取り組みへの加算
●入退院支援加算1の要件:地域連携する方向へ誘導する要件の強化
●入退院支援加算1の人員配置:専従・専任・兼務の配置ミスによる返還リスクに注意!
退院後の生活を見据えた入退院支援:病棟看護師が行う支援の具体例
〈目次〉
●情報提供の際は、「退院後の生活」を見据えよう
・入院前からの支援イメージ図
・入退院支援の具体例
入退院支援に向けたスクリーニング:外来でのアセスメントと評価項目
〈目次〉
●入退院支援の必要性を判断するスクリーニング
・外来における入院前評価
・退院支援か必要がどうかのスクリーニング
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川嶋みどり 看護の羅針盤 第341回
20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。
この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。
病人の日常生活行動を
健康な状態に近づけることは
医師の行う医療の効果を
いっそう高めるものとして
大変有効である
病気が重くても、何とか自分の口で物を食べることで“生きる意欲”や“病気とたたかう力”が呼び起こされることを、これまで多くの患者さんが身をもって教えてくれました。ですから、看護の立場では、食欲を引き出し、できるだけおいしく、楽しく食べられる方法を考え、自分の口で少しでも食べられる方法を探します。もし、一度の食事で十分な栄養がとれないときには、四度にも六度にも分けて少しずつ食事を進める試みをします。
こうした病人の日常生活行動を健康な状態に近づけることは、医師の行う医療の効果をいっそう高めるものとして大変有効であると言えます。そしてまた、その人自身の力を引き出す援助ですから、きわめて人間的な技術と言えるでしょう。
(出典:『看護師になるには』51ページ、ぺりかん社)
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川嶋みどり 看護の羅針盤 第340回
20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。
この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。
看護師が、仕事の効率性や
科学的思考のみを追求している限り
ごく日常的な患者の思いや要求を
見過ごしてしまうのは当然であろう
看護師が、仕事の効率性や科学的思考のみを追求している限り、ごく日常的な患者の思いや要求を見過ごしてしまうのは当然であろう。そこで、まず、病人やその家族の体験から謙虚に学び、当り前の人間らしさを基盤にした実践が最も大切であることを強調したいのである。
患者や家族に学ぶということは、いつまでも、その領域内に踏みとどまっていいということではない。古くからの経験をさらに発展させて、職業成立の根拠となる看護の技術化をはかることが必須の課題である。
(出典:『看護の自立2 看護婦の労働と仕事』16ページ、勁草書房)
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川嶋みどり 看護の羅針盤 第339回
20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。
この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。
看護師はどんな人の看護もできる
それが看護の専門性
技術というものである
二大看護業務として「療養上の世話」と「診療の補助」があるが、「療養上の世話は誰にでもできる」という考え方が非常に根強くある。看護師のなかにもあると思う。私は「療養上の世話」の重要性について強調したい。
ある医師が入院したときに、「女房のケアのほうが優れているよ。看護師さんよりずっと良かったよ」と言う。私は「それは当たり前でしょう。先生と長年連れ添ってきて、体の隅々から心のありようまで熟知している奥さんが対応するのだから、上手に決まっている。だけど、お宅の奥さんに隣の亭主のケアができますか」と言った。
看護師は、どんな人の看護もできる。それが看護の専門性、技術というものである。「体を拭くのが、なぜ専門性だ」と言った先生もいた。拭くだけなら誰でもできるが、拭くことによって病気を治したり、命を助けたりすることが可能だということを知らないのである。
(出典:『いま、看護を問う』94~95ページ、看護の科学社)
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川嶋みどり 看護の羅針盤 第338回
20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。
この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。
看護師にとっては
「あなた一人が患者ではない」
と思っても患者にとっては
「私が患者」なのである
入院した人々の気持ちに少しでも近づく努力をしながら、入院という環境の心身に及ぶ影響を最小にするよう援助したいものである。
看護師にとっては、「あなた一人が患者ではない」と思っても、患者にとっては「私が患者」なのである。病状のレベルにもよるが、患者の気持ちとしては、数十人の一人として扱われるのではなく、いつでも、自分のことを主になって気遣ってくれる人がいてほしいと願っている。
(出典:『いま、病院看護を問う 看護の時代1』27ページ、勁草書房)
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川嶋みどり 看護の羅針盤 第337回
20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。
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新たな発想は包丁を手にしたときや
まさに今味見の瞬間といったときに
生まれるものです
食べることへの関心と、食事を作ることへの興味は、子ども時代から続いています。不条理な戦時下での空腹体験も強く影響していますが、乏しい食材をあれこれ工夫して食膳を整えた祖母から受け継いだことの多さを思うこの頃です。(中略)
共働き主婦としての数十年間、できるだけ手をかけないで美味しい食事を作ることは、厳しい三交代制の看護師時代から現在までの、ふつうの妻ではない、ふつうの母親ではなかった私の密かな義務感でもありました。さりとて調理をすることは決して苦痛ではなく、多忙であればあるほどリフレッシュの機会でもありました。
それどころか、新たな発想は包丁を手にしたときや、まさに今味見の瞬間といったときに生まれるものです。「習うより慣れろ」通り、計量スプーンは飾り物。何時でも、お塩ぱっぱ、胡椒ガリガリ、お醤油タラーっという感じで、結構満足できる味になるから不思議。
(出典:『看護実践の科学』29(13)-96、看護の科学社)
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川嶋みどり 看護の羅針盤 第336回
20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。
この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。
最も恐れなければならないのは
痛む心の存在までも
忘れてしまう状況に
いつしか慣れてしまうことである
教育に携わる者として、現場の質に反映するに至らない高等教育のありようを反省することしきりである。しかし、それ以上に、在院日数の短縮やIT化が、看護師の意識や行動にもろに影響していることは明白であろう。
そうはいうものの、看護サービスの低下の要因を、医療改革の名のもとに進む病院経営の合理化の結果とするのは、あまりにも安易過ぎる。最も恐れなければならないのは、痛む心の存在までも忘れてしまう状況にいつしか慣れてしまうことである。
(出典:『看護時鐘 のどもと過ぎた熱さをいま一度』123ページ、看護の科学社)
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川嶋みどり 看護の羅針盤 第335回
20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。
この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。
複数の看護師で一人の患者を
みていく場合には
当然そのチームとして
共通の技術をもつことが大切である
近代看護創生期(明治の中期)にみるような「派出看護婦」による1対1の看護という状況のもとでは、看護師個人がすぐれた技能をもっていれば、その看護師の世話を受けた患者は、高水準の看護を受けることができたし、したがって、看護はその人個人が自分の経験の蓄積の中で身につけたコツで十分であったと言えよう。
しかし、今日のように、複数の看護師で一人の患者をみていく場合には、当然そのチームとして共通の技術をもつことが大切である。そして、同時間系列におけるチームワークとともに、24時間の連続性のなかでのチームワークの効果を最大に発揮させるためにも、チームメンバーの看護技術の水準を同レベルにしていく必要がある。
(出典:『看護の自立 現代医療と看護婦』117ページ、勁草書房)
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【連載まとめ】たらればさん×エキナス編集長トークイベント
編集者のたらればさんと『エキスパートナース』編集長によるトークイベントをレポート!紀伊國屋書店新宿本店で、「いまの時代だからこそ専門雑誌を読んでほしい理由」を語り合いました。全3回の記事で、当日の様子をお伝えします。
※イベントは2024年11月に開催しました。
たらればたられば
古典文学をはじめ、さまざまな情報をSNSで発信する編集者。フォロワー数は23万人以上。かつて『エキスパートナース』のなかでその名前が掲載されたことも。
@tarareba722
『エキスパートナース』編集長えきすぱーとなーすへんしゅうちょう
『エキスパートナース』本誌とwebの編集長。エキナスの公式Xでいつも漫画の話をしている。
@ExpertNurse_EN
第1回
〈目次〉
●今が雑誌の大きな転換期
●雑誌の“価値”を伝えていくこと
●すぐ近くにある、タイムライン
第2回
〈目次〉
●映画やCDのように、雑誌を楽しむ
●紀伊國屋書店新宿本店と2人
●“うっかり”の出会いがもたらすもの
第3回
〈目次〉
●雑誌と時代
●雑誌の未来は?
●たらればさんと編集長に聞きたいこと
・特集はどうやって決めているの?
・表紙はどうやって決めている?
・著者に期待していることは?
・ダイビングの専門誌を作ってほしい
・医学系出版社でウェブの企画を通すには?
・第2のたらればさんをめざすには?
・定期購読と電子版について知りたい
・若い読者を増やす方法は?
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川嶋みどり 看護の羅針盤 第334回
20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。
この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。
コミュニケーションは
背中でするわけではありません
コミュニケーションは背中でするわけではありません。面と向かってするものなのに、看護師は患者さんにお尻を向けてパソコンに向かいデータを打ち込んでいます。その先輩たちの姿を新人たちが必死で学んでいます。
そして、そういったことがおかしいことだと気づかなくなっている職場の風土に、看護の危機的状況が潜んでいるとみます。
(出典:『看護の危機と未来 今、考えなければならない大切なこと』34ページ、ライフサポート社)
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川嶋みどり 看護の羅針盤 第333回
20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。
この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。
看護の魅力の一つは
未知への挑戦にある
看護の魅力の1つは、 未知への挑戦にある。対象の背景の多様性に加えて、個別的な生活様式や習慣の相違からくる、一見ばらばらで、とらえどころのない問題に立ち向かう看護師のアプローチも多様である。
しかし、注意深く整理していくと、年齢や疾患の相違はあっても、共通で普遍的な何かが明らかになったり、あるいは、看護師の対応の仕方の共通性などが浮きぼりになって興味のつきるところを知らない。
(出典:『看護学のすすめ』9~10ページ、筑摩書房)
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川嶋みどり 看護の羅針盤 第332回
20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。
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50年の歴史をもつ保助看法の
看護の二大業務のそれぞれの
専門性とその内容についても
看護職自身が
確かな見解をもつ必要がある
50年の歴史をもつ保助看法の、看護の二大業務のそれぞれの専門性とその内容についても、看護職自身が確かな見解をもつ必要がある。医療技術でもなく、介護技術でもない看護技術があるとしたら、それを明確にし、その質を高めることは、生命や健康に責任をもつ看護職の差し迫った課題であると言えよう。
(出典:『看護実践 経験知から創造へ 健和会臨床看護学研究所20年の歩み』9ページ、看護の科学社)
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川嶋みどり 看護の羅針盤 第331回
20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。
この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。
看護の専門性を追求し
看護学の方向を模索する過程は
多様である
看護の専門性を追求し、看護学の方向を模索する過程は多様である。著者は看護の実践的な概念に重きをおき、その実践の積み重ねを流さず記述して分析し、そこにひそむ客観的法則性を引き出して技術化するという方法をこの20数年間提唱してきた。(中略)
最初に行ったのが、看護に関係した事故分析であった。誰でも故意に起こそうとするのではないが、不幸にして起きてしまった事故の背景には、単なるうっかりや失敗だけでは済まされない、システムや教育の問題があることを知った。また、時や所や背景は違っても、その底にある本質は共通であることも知った。(中略)
看護実践を技術面から分析していくうちに、生命の安全性と並行して人間らしく生きるという側面、すなわち看護技術における安楽性という概 念の重要性に気づいた。
(出典:『看護技術の現在 看護の時代2』20~21ページ、勁草書房)
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川嶋みどり 看護の羅針盤 第330回
20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。
この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。
個々の看護師らの誰もが願う
質の高い看護をスローガンとして
掲げるのではなく
実践することを抜きにしては
成熟した専門職への道は
遠いでしょう
日々の実践の意味づけにあたってナイチンゲールの論理を適用する試みは、尽きることを知らない思いがします。個々の看護師らの誰もが願う質の高い看護を、スローガンとして掲げるのではなく、実践することを抜きにしては、成熟した専門職への道は遠いでしょう。日々の看護を振り返って、そこから引き出せる論理を引き出していくことの大切さを再び認識しました。
(出典:『看護を語ることの意味“ナラティブ”に生きて』75ページ、看護の科学社)
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川嶋みどり 看護の羅針盤 第329回
20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。
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「患者の立場に立って」という
言葉の空しさ
患者の立場は患者にならない限り
その立場には立てないことを
知る謙虚さから
看護は始まらなければ
吉田さんは、一人の女として母としてというよりも、看護師としての意識を終末のベッドでも忘れることなく持ち続けた。「プライベートなことについては思い残すことはありません。でも、私を育ててくれた病院の看護の将来を思うと、死んでも死にきれない思いなのです」。
私は、この言葉を日本の看護の現状に重ねた。多くの先達が、仕事半ばで倒れた同僚が、自分が患者になって同職の看護師たちから受ける看護。裏表を知り尽くしているはずなのに、患者の身になったとき、どれほど十分でないかを知り愕然とする。「患者の立場に立って」という言葉の空しさ。患者の立場は患者にならない限りその立場には立てないことを知る謙虚さから看護は始まらなければ。(中略)
看護の質評価への関心が高く、その評価尺度の開発も意欲的である。だが、ベッドサイドで、患者が実感するケアのありようを抜きに、質の評価はできないだろう。
(出典:『ベッドサイドからケアの質を問う 看護婦が患者になって』89~90ページ、看護の科学社)
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川嶋みどり 看護の羅針盤 第328回
20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。
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医療技術の進歩が
看護の初歩的な技術を
後退させた側面が確かにある
尿路感染の機会は、安易な留置カテーテル挿入により各段に増えてきた。また、カテーテル挿入者に対する膀胱洗浄も、感染の契機になると指摘されている。そこで、感染予防の点からも経口的な水分補給がきわめて大切である。だが、輸液の進歩による経口摂取軽視の風潮が、感染を助長している面もある。
消毒薬がどのようであろうと、感染予防の基本が流水のもとでの物理的な手洗いであり、種々の処置や検査の過程での操作にあるとしたら、感染予防、とりわけ院内感染の予防に対する看護師の責任は重いと言えよう。医療技術の進歩が看護の初歩的な技術を後退させた側面が確かにある。
(出典:『看護技術の現在 看護の時代2』18ページ、勁草書房)
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川嶋みどり 看護の羅針盤 第327回
20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。
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看護師は耐えなければならない
当事者の患者が
もっとも耐えているのだから
終末期の患者にとっての不安の要因はさまざまである。何よりも死への不安がある。未知の死後の世界への不安。愛する人々との別れの不安。やり残した仕事への未練。残された家族の将来への心配。そうした患者の気持ちは、病状や苦痛の大小によっても、さまざまに揺れ動く。患者の気持ちを知れば知るほど、そばに行くのが辛い。だが、看護師は耐えなければならない。当事者の患者がもっとも耐えているのだから。
(出典:『CHECK it UP② 日常ケアを見直そう あなたの職場の看護チェック』171ページ、医学書院)
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川嶋みどり 看護の羅針盤 第326回
20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。
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基礎教育に携わる教官と
臨床看護師たちとの交流が望まれる。
その場合共通の基礎となる技術論があれば、
いっそう実り豊かになるであろう
失禁患者のおむつ外し、遷延的な呼吸困難患者の呼吸ケアの技術、開口不能患者の口腔清潔の方法、便秘患者への排世援助技術等々、知識として伝達可能な技術の量も増えつつある。こうした蓄積が基礎教育に反映されるためにも、 基礎教育に携わる教官と臨床看護師たちとの交流が望まれる。その場合、共通の基礎となる技術論があれば、いっそう実り豊かになるであろう。
(出典:『看護技術の現在 看護の時代2』42ページ、勁草書房)
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【連載まとめ】ハート先生の心電図特集
心電図の教育活動をはじめて約25年、ハート先生の書籍を試し読みできます! 誘導法の基本や、T波の陰性化、ST上昇・下降などについてわかりやすく解説します。
誘導法の基本と心電図波形が描かれる原則
〈内容〉
●誘導法の基本①:四肢誘導の目の位置
●誘導法の基本②:胸部誘導の目の位置
●正常12誘導の特徴
●心電図波形が描かれる原則
T波の陰性化と貫壁性に発生した虚血
〈内容〉
●虚血が起こると心筋細胞はどのように変化する?
●T波の陰性化
●虚血状態が悪化すると傷害電流が発生
●貫壁性に発生した虚血
心電図のST上昇・下降の判定方法/虚血解消でT波が逆転する理由
〈内容〉
●「STが何ミリ上昇(下降)している」とはどの部分を指す?
●なぜ虚血が解消するとT波が逆転する?
そのほかの連載記事
【連載まとめ】整形外科の疾患と治療
スポーツ診療にも精通した部位別スペシャリストの医師たちが、整形外科ナースの疑問に答えます!腰痛圧迫骨折、腱板断裂、変形性膝関節症の病態や症状、治療について解説する全3回の連載です。
【第1回】腰椎疾患:腰椎圧迫骨折(骨粗鬆症性)
〈目次〉
●腰痛圧迫骨折(骨粗鬆症性)の病態
●腰痛圧迫骨折(骨粗鬆症性)の症状
●腰痛圧迫骨折(骨粗鬆症性)の検査
●腰痛圧迫骨折(骨粗鬆症性)の治療
・経皮的椎体形成術(BKP)
・後方椎体間固定術
【第2回】肩の慢性疾患:腱板断裂
〈目次〉
●腱板断裂の病態
●腱板断裂の症状
●腱板断裂の検査
●腱板断裂の治療
・関節鏡下腱板修復術(ARCR)
・リバース型人工肩関節置換術(RSA)
【第3回】膝関節の慢性疾患:変形性膝関節症
〈目次〉
●変形性膝関節症の病態
●変形性膝関節症の症状
●変形性膝関節症の検査
・変形性膝関節症(膝OA)の単純X線を用いた重症度分類
●変形性膝関節症の治療
・高位脛骨骨切り術(HTO)
・人工膝関節置換術
そのほかの連載記事
【連載まとめ】看護記録を整える
看護記録を見直し、改善するには?看護記録を効率化する方法や、医療DXによる変化、看護記録の監査・教育について解説する全3回の連載です。
【第1回】看護記録の効率化―「整える」4つの条件
〈目次〉
●看護記録の効率化を図るには
●なぜ、いま看護記録を「整える」のか
・Point①看護記録が「整っている」といえる条件は4つ
・Point②記録の効率化は「働き方改革」の観点からも重要
・Point③電子カルテの導入・改善時は、看護記録を整える大チャンス
●記録委員・記録担当になったら自施設の状況・課題を把握する
・Point①まずは自施設・自部署の「看護記録の状況」を把握する
・Point②看護記録に関する「用語」を正しく理解する
・Point③看護記録の「形式」を正しく理解する
【第2回】DX推進によって、看護記録はどう変わる?
〈目次〉
●変化の時代における看護記録のあり方を考える
・Point①看護記録は時代に合わせて変化していくもの
・Point②地域連携推進のため多施設での看護記録の共有が進む
・Point③DXが進んでも、看護の本質は変わらない
【第3回】看護記録の監査や教育で注目すべきポイント!
〈目次〉
●看護記録の監査とは
・Point①看護記録の監査は、漫然と実施しても意味がない
・Point②看護記録の監査も、「量(形式)」と「質」の両面を評価する
・Point③帳票や諸記録の監査は、できるだけ多職種で行う
●看護記録教育とは
・Point①看護記録の「意味」「目的」を意識づけることが大切
・Point②「考える力」「書く力」は経験の積み重ねによって磨かれる
・Point③看護記録の継続教育には「ラダー別教育」が有効
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【連載まとめ】臨床で倫理的問題にどう向き合うか
看護倫理の基礎知識や、倫理カンファレンスの進め方を解説する全3回の連載です。さまざまな臨床場面で必要な看護倫理を学べます。
【第1回】看護現場での倫理的問題の基礎知識
〈目次〉
●倫理的問題は身近なところにある
●看護業務におけるジレンマ
●職種間でのジレンマ
●非規範倫理学は「倫理の基本」となる概念
【第2回】倫理カンファレンスの進め方と看護師の役割
〈目次〉
●倫理カンファレンスの「目的」を理解する
・多職種をつなぐ看護師は、倫理カンファレンスの要
・「合意形成=論破」ではない
●倫理カンファレンスの「グランドルール」を共有する
・参加者全員が「発言しやすい場」をつくる
【第3回】臨床事例から考える、倫理カンファレンスの流れ
〈目次〉
●病気を告げる場面での倫理的調整
●倫理カンファレンス参加者の意見
●事例の論点を整理する
●倫理的に考えるためのヒント
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【連載まとめ】神経難病の病態・ケア・支援がトータルにわかる
神経難病にはさまざまな種類があり、疾患ごとに経過や起こりうる症状が異なります。療養行程を知り、患者さんと家族を支えるために必要な看護について解説する全3回の連載です。
【第1回】神経難病看護とは:「難病とともに生きる」を支えるために
〈目次〉
●難病の「分類」を理解する
・難病を疾患でとらえると、看護問題がつかみづらくなる
●症状を理解すると、看護の展開がみえてくる
・神経難病の症状は多彩で個人差がある
●経過に合わせた支援のためにチームで協働する
・療養行程と経過は対応している
【第2回】神経難病患者の療養行程:経過に応じた支援を考える
〈目次〉
●「療養行程=病期」ではない
●Step1 各行程における支援課題をおさえる
・発症期の支援課題
・進行期の支援課題
・移行期の支援課題
・維持・安定期の支援課題
・終末期の支援課題
●Step2 対応策を立てる
【第3回】コミュニケーション機能障害の看護のポイント
〈目次〉
●神経難病におけるコミュニケーション機能障害
●症状の特徴や変化
●アセスメントのポイント
●看護のポイント
・早期に支援を開始する
・コミュニケーションの目的を明確にする
・患者さんに合ったAACを選択・導入する
・AACの選択と留意点
●コミュニケーション支援に関連する公的支援制度
●経過に応じたコミュニケーション支援の実際
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岡田将生が看護師役に!細田守監督最新作『果てしなきスカーレット』
細田守監督の最新作『果てしなきスカーレット』が11月21日(金)に公開。主人公・スカーレットの声を芦田愛菜さん、現代からやってきた看護師・聖(ひじり)の声を岡田将生さんが担当します。

復讐を誓い「死者の国」を旅する王女・スカーレットの物語
『果てしなきスカーレット』は、『時をかける少女』『サマーウォーズ』『竜とそばかすの姫』などを手がけてきた細田守監督による長編アニメーション映画。主人公のスカーレットは、父の敵(かたき)への復讐を心に誓う中世の王女です。
スカーレットが復讐に失敗して目覚めると、そこは狂気にあふれた「死者の国」。この地で再び復讐を果たそうと旅を続ける彼女は、現代日本からやってきた看護師の青年・聖と出会います。
戦うことしか知らなかったスカーレットが、聖とともに旅する先で行き着いた“決断”とは――。「生きるとは何か?」を問いかけてくる、心揺さぶる作品です。
心やさしい看護師・聖の声を岡田将生さんが担当
聖の声を務めた岡田将生さんは、長編アニメ初挑戦。ドラマ『ザ・トラベルナース』(テレビ朝日)に続き、看護師役を演じました。「復讐に燃えるスカーレットの鞘のような存在となれるよう、彼女の支え方や寄り添い方、聖の優しさや誠実さを伝えられるようにキャラクター像をつくっていった」と語ります。
医療バッグ1つだけを手に突然迷い込んだ「死者の国」でも、傷ついた人を救おうとする聖。襲ってきた敵にさえも、分け隔てなく手を差し伸べます。

聖の仕事ぶりがよくわかるのが、旅の途中で訪れた遊牧民の集落でのひととき。看護師だと名乗り、健康に不安なことがあったら言ってほしいと呼びかけるも、人々は警戒心をあらわにします。それでも穏やかに語りかけ、薬を塗り、清拭や手浴を行ううちに、皆が彼の人柄と看護師としての実力に信頼を寄せるようになりました。
スカーレットもまた、かたくなだった心を次第に開いていきます。腕に傷を負った際、ターニケット(止血帯)を使って止血してくれる聖に、看護師になった理由を尋ねるスカーレット。その返答を聞いて見せた笑顔からも、2人の関係が変わってきたことが伝わってきます。聖がなんと答えたかは、ぜひ劇場でお確かめください。

旅をしながら向き合う「生きる意味」
復讐を果たすことだけを支えに生きてきたスカーレットが、自分の可能性を見つめなおす描写も印象的。出会った当初、争いが絶えない現実を受け入れるようスカーレットに諭された聖は、職場でも「人が死ぬのに慣れないと仕事にならない」と言われたことを思い出し、人生の意味を考えます。
そんな彼に取り合わなかったスカーレットでしたが、旅を続けるうちに「生きる意味」と向き合うことに。旅路の先に、彼女は生きる道を見出せるのか――。

2Dでも3Dでもない、まったく新しいアニメーション表現に挑戦したという本作。スカーレットが敵と剣を交える迫力あるアクションシーンや、砂漠に火山、雷といった「死者の国」の風景など、壮大かつ鮮明に表現された映像世界に注目を。

『果てしなきスカーレット』
2025年11月21日(金)公開
監督・原作・脚本:細田守
出演(声):
芦田愛菜
岡田将生
山路和弘 柄本時生 青木崇高 染谷将太 白山乃愛 / 白石加代子
吉田鋼太郎 / 斉藤由貴 / 松重豊
市村正親
役所広司
配給:東宝、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
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