患者さんの体験・心理についての「研究」を原著者に解説してもらい、臨床で活用したいこころのケアを探る特集です。研究結果をもとに、実践したいケアを紹介しています。

【第1回】ICU患者の記憶にゆがみ?不穏・興奮・せん妄の影響とは

〈目次〉
●不穏などの体験は患者さんにどう影響する?
●研究の概要
●発見1:患者さんのICUでの記憶はゆがめられて残っている
●発見2:退院後も、患者さんはICUでの体験に苦しんでいる
・記憶のゆがみがもたらす影響
●発見3:患者さんはICUのできごとを確認したり、理由づけを行おうとしている
・記憶のゆがみをもった患者さんの対処行動とその思い

【第2回】記憶のゆがみが残るICU退室患者への精神的ケア

〈目次〉
●患者さんの主観的体験世界を知り、支援者だと伝えよう
●ケアのポイント
・患者さんの主観的体験世界を想像する
・研究プログラムの内容を活用し患者さんの精神的支援を行う
・記憶のゆがみをもつICU退室後患者への看護支援プログラム

【第3回】呼吸困難が肺がん患者の心に与える影響とは?

〈目次〉
●肺がんの呼吸困難は、患者さんにどう影響する?
●研究の方法
●発見:呼吸困難への対処がうまくいかないことで、孤立したり支えとなるものを喪失する
1)軽減されない呼吸困難により、状況は悪化していく
2)活動を縮小し、 呼吸困難に対処しようとしている

【第4回】呼吸困難を抱える肺がん患者への包括的ケア:心理・身体・社会的支援

〈目次〉
●患者さんの自己効力感を高め、家族に困難状況を伝える
●ケアのポイント
●心理的・身体的側面などもあわせて呼吸困難や、患者さんの人生を考える
●多側面・包括的な呼吸困難の症状のとらえかたとナースが実践したいケア
1)身体的側面:自己効力感を高める
2)心理的側面:患者さんの状況や気持ちを代弁する
3)社会的側面:周囲との関係・環境調整を行う
4)スピリチュアルな側面:希望がもてることを患者さんとともに考え、 尊重する

【第5回】脳卒中患者の回復過程における落胆の原因は?

〈目次〉
脳卒中発症からどのように回復する?何が影響する?
●研究の方法
●発見1:脳卒中患者さんの回復過程と影響する要因
1)患者さんが体験する「5つの局面」がある
2)局面間の移行時に存在することがある3つの「落胆の原因」
3)各局面で「回復に影響を及ぼす要因」がある
●発見2:心理面と身体面の関連
・脳卒中患者さんの FIM 得点の経過と体験の関係

【第6回】脳卒中患者の回復過程に影響する要因とケアの実践ポイント

〈目次〉
●回復に影響を及ぼす要因を知り、患者さんを支える
●ケアのポイント
●「落胆」から回復を促すよう心理面の変化を伝えたり、患者さんどうしの交流を支える
・脳卒中患者さんの回復過程に影響を及ぼす要因への対応
1)脳卒中患者さんの「落胆」体験を回復の契機として支える
2)「落胆」に対して「悲嘆反応」「うつ」「せん妄」の区別をする
・心理面と身体面をあわせた両側面から支える

【第7回】糖尿病患者の術前・術後・退院後における心理や行動の変化

〈目次〉
糖尿病患者さんが手術を受けるとはどういうこと?
●研究の方法
●発見1:“術前”の認識・行為・感情の変化
・術前:入院による血糖コントロールの意識が高まる
●発見2:“術直後”“術後回復期”の認識・行為・感情の変化
・術直後・術後回復期:治療のなかで、血糖値変動の捉え方と行動を変化させていく
●発見3:“退院直後”の認識・行為・感情の変化
・退院直後:日常生活における血糖値の変化から、自己管理の重要性を再認識する

【第8回】術前から退院後までの糖尿病患者の自己管理を支援

〈目次〉
●患者さんの身体の変化を理解し、個々の取り組みを支持
●ケアのポイント
・術前~退院直後の状態にあわせて自己管理を支援する
1)術前:糖尿病をもつことによる新たな課題に直面するなかで、手術への準備を支える
2)術直後・術後回復期:術後回復過程での苦痛緩和を図りつつ、日常生活への復帰を支える
3)退院直後:変化した身体で、 糖尿病患者として自ら決めた自己管理に取り組んでいくことを支える
・全過程におけるケアの視点

【第9回】脳動脈瘤で“無症状のまま手術”をした患者の不安と対処行動

〈目次〉
●未発症で予防的手術を受けたことをどう感じている?
●研究の方法
●発見1:発症前に治療を行う患者さんの体験・心理
・患者さんは長期療養過程のなかで、さまざまな“不確かさ”を認知している
1)治療によって、身体機能が低下する可能性もある
2)“不確かさ”の認知には、 患者さん自身の個人的因子と状況因子が影響している
●発見2:未破裂脳動脈瘤と診断された患者さんの対処行動
・患者さんは“不確かさ”に対処するなかで、未破裂脳動脈瘤とのつきあい方を獲得する
・患者さんが抱く“不確かさ”に対する受け止めと対処行動

【第10回】未破裂脳動脈瘤の血管内手術をした患者への支援

〈目次〉
●患者さんのもつ“不確かさ”を受け止めて、振り返りを促す
●ケアのポイント
・未破裂脳動脈瘤により血管内手術を選択した患者を支える看護指針
1)アウトカム:“不確かさ”の減少・管理をめざしていく
2)看護方針:疾患の正しい理解から、自身にあった予防行動を経て、 振り返りにつなげる
3)予防的治療では、 患者さんが自己の判断に満足できるようにすることも治療の成果

【第11回】PCAによる疼痛管理で患者は何を感じる?心理体験を調査

〈目次〉
●疼痛の自己管理、患者さん自身はどう感じている?
●研究の方法
●発見1:PCAの“メリット”に関連した体験内容
●発見2:PCAの“デメリット”に関連した体験内容
1)オリエンテーションの効果がなく、使い方がわからない
・術後PCAによる疼痛管理を行う患者さんが“デメリット”だと感じた体験内容
2)使用を控えたり、自己管理することに恐怖感がある

【第12回】患者がPCAを安心して使うために必要な説明・支援とは?

〈目次〉
●PCAによる疼痛管理のメリットを知り、PCAの使い方や利点を手術後に患者さんに説明する
●ケアのポイント
1)術後にPCA機器を見たり触ったりしてもらいながら、説明する
2)自分で鎮痛薬を投与できるメリットを伝える
・従来の鎮痛法とPCAによる鎮痛法のプロセスの違い
3)PCAに対する不安や恐怖心を取り除く

【第13回】喉頭全摘出による機能障害に伴う患者心理とは?

〈目次〉
●喉頭全摘出術後の失声は患者さんにどう影響する?
●研究の方法
●発見1:“喉頭全摘出術前”の機能障害・変化に伴う患者心理
・失声の重大さを認識しつつ、術後の生活に対して意欲的に取り組む準備を行う
●発見2:“喉頭全摘出術後”の機能障害・変化に伴う患者心理
●発見3:“退院後”の機能障害・変化に伴う患者心理
・“退院後”は身体障害者としての自分を少しずつ受け入れていく

【第14回】咽頭全摘出の早期受容・コミュニケーション支援のポイント

〈目次〉
●患者さんがボディイメージの変化や障害を早期に受容し、自信をもてるようにかかわる
●ケアのポイント
・障害の早期受容と、新たなコミュニケーション習得に向けた看護支援を行う
・喉頭全摘出術による危機的状況に陥りやすい時期と看護支援
1)喉頭全摘出術前・術後:喉頭全摘出術におけるボディイメージ変化の早期受容に向けた看護支援
2)退院後:社会復帰のための新たなコミュニケーション習得に向けた看護支援

【第15回】血液透析を受ける慢性腎不全患者の心理とは?

〈目次〉
血液透析患者さんは、どんな気持ちで治療をつづけている?
●研究の方法
●発見:患者さんの“気持ち”と“気持ち”を構成する3つの要素と構造
・透析患者さんは「“私らしさ”のありよう」と「感覚的経験」を同時に経験している
・血液透析療法を受けながら生活している慢性腎不全患者さんの気持ちの構造

【第16回】血液透析を受ける慢性腎不全患者の気持ちに寄り添うには?

〈目次〉
●患者さんの気持ちを知りたい、という姿勢で患者さんに向き合う
●ケアのポイント
・透析患者さんの気持ちに寄り添えるよう、理解するための方策を見つけ出す
1)患者さんの気持ちを聴いたときに感じた看護師自身の気持ちを素直に言葉にしてみる
2)「経験している気持ち」を口に出して共感の練習をしてみる
3)「気持ちマネジメントシート」を患者さんの気持ちの理解に役立てる
・ 透析患者さんの気持ちを理解するための看護師に対する教育プログラム

【第17回】重症外傷患者の回復過程における心理的変化とは?

〈目次〉
●重症外傷患者さんは境遇をどうコントロールしている?
PTSDは患者さんがコントロール感を喪失することで生じる
●研究の方法
●発見:患者さんの心理的・身体的回復過程に応じて7段階のコントロール感がある
1.苦痛や恐怖から逃れる
2.大切な人との絆を支えに現実に向き合う
3.援助者に体を委ねて現実を傍観する
4.腰を据えてできごとを振り返り整理する
5.自らに課された仕事をこなす
6.手を借りながら自分のペースで生活を組み立てる
7.元の生活を試行する

【第18回】回復過程の重症外傷患者のコントロール感を支えるケアのポイント

〈目次〉
●回復過程に応じて、コントロール感を維持したり高めたりできるようにかかわる
●ケアのポイント
・患者さんが自分の思いを伝えられないことを理解し、コントロール感を支える
1)伝えられない思いを読み取る
2)患者さんが自らの状況を理解し、 行動するための手はずを整えることを支援する
3)傷つきやすさを気に留めながら、回復を見守る

【第19回】パーキンソン病患者の自己身体像の変化とは?

〈目次〉
パーキンソン病患者さんは、自身の身体をどう捉えている?
・パーキンソン病患者さんは、進行性の症状と何十年も向き合う必要がある
●研究の方法
●発見:パーキンソン病患者さんのもつ身体像
・そのときの調子によって、身体に対してもつイメージが揺れ動く
・パーキンソン病患者さんの各身体像とその内容
・他者の存在や自分の身体との向き合い方が、身体のイメージを左右する

【第20回】パーキンソン病患者の気持ちに寄り添うケア

〈目次〉
●症状や調子でイメージが揺れ動くことを理解し、患者さんを尊重したケアを行う
●ケアのポイント
・変化する身体像を抱えながら生きていることに目を向ける
1)他者の存在に振り回されることに配慮する
2)試行錯誤の末に編み出した患者さんのこだわりを尊重する
3)患者さんが発するその瞬間の言葉を大切にする

【第21回】人工呼吸器装着患者が直面するコミュニケーションの困難

〈目次〉
●患者さんがコミュニケーションで抱えている困難は?
●研究の方法
●発見:患者さんは意思を伝えることだけでなく、伝わったかどうかも不安
・看護師にメッセージを伝えることだけでなく、メッセージが理解されたかどうかも重要

【第22回】人工呼吸器装着患者とのコミュニケーション課題を解決するには?支援のポイント

〈目次〉
●患者さんがメッセージを伝えやすくするとともに、看護師も応答する
●ケアのポイント
・人工呼吸器装着患者さんが体験するコミュニケーションの困難さを軽減する看護援助
1)患者さんの準備を整える
2)患者さんのメッセージ送信の難しさを軽減する
3)患者さんの送信するメッセージに応答する
4)患者さんの話すことができないつらさを理解する

【第23回】拡張型心筋症患者は病気をどう受け入れる?心の変化を理解

〈目次〉
●聞きなれない拡張型心筋症を患者さんはどう捉えている?
●研究の方法
●発見:患者さんは4つのカテゴリーを行き来しながら病気を受け入れていく
1)受け流す
2)受け止める
3)受け入れを強いられる
4)現状を受け入れる

【第24回】拡張型心筋症患者の病気受容を支援するケアのポイント

〈目次〉
●患者さんの病気の受け入れの程度が増すように、支援を行う
●ケアのポイント
・制限や変更は患者さんへの負荷に。状況に合わせた生活のしかたを考える
1)情報提供に関する支援:患者さんへ説明する内容や方法は状況に応じて行う
2)情報提供に関する支援:患者さんが自分の状況を理解できるように支援を行う
3)心理的な支援:患者さんが実行できそうな日常生活の方法を探す

【第25回】レビー小体型認知症の症状と病気受容のプロセス

〈目次〉
●レビー小体型認知症患者さんは、何に困っている?
・レビー小体型認知症の患者さんには、記憶障害があまり見られない
●研究の方法
●発見:患者さんは自身の変化を自覚していることが多い
・レビー小体型認知症患者さんが語った生活上の困難な体験と思い
【会話の喪失】
【パーキンソニズムによる防ぎようのない転倒】
【日常に入り込む幻視がもたらす多様性】
【自分の変化への試行錯誤】
【自覚があるがゆえの悲嘆】
【自覚に基づく困難への適応】

【第26回】レビー小体型認知症患者の心に寄り添う支援とは

〈目次〉
●患者さん自身に疾患による変化を尋ね、思いを知る
●ケアのポイント
・レビー小体型認知症とは?突然の会話・歩行の症状と幻視に対して、患者さん自身の思いを理解する
・レビー小体型認知症患者さんへのケア
①今の意識・身体状態をつねに把握しながら必要な援助を行い、事故を防ぐ
②幻視の影響を把握し、幻視が見えたとしても落ち着いて過ごせるよう、薬の効果のアセスメントや環境調整を行う
③病気に向き合う患者さんのこころを理解する

【第27回】頭頸部がん患者は外見の変化をどう受け止めている?

〈目次〉
●外見上の変化を、患者さんはどう受け止めている?
●研究の方法
●発見:他者の視線や、自身の身体をコントロールできないことに悩んでいる
・頭頸部がん術後に形成外科的手術を受けた患者さんのボディイメージ
1)他人の反応を強く意識している
2)自分自身の身体への信頼感が低下している
3)機能障害が少しでも改善することにポジティブな感情もある

【第28回】頭頸部がん患者の外見変化への心理的ケア

〈目次〉
●頭頸部がん患者さんの価値観を尊重し、QOLを維持する
●ケアのポイント
・形成外科的手術の結果がよくない場合、特にケアが重要になる
1)患者さんの思いを知り、 理解する
2)頭頸部がん患者さんのボディイメージに対する価値観を大切にする
3)多職種で協働し、 QOLを維持する

【第29回】発症初期の頸髄損傷患者の心理状態とは?

〈目次〉
●頸髄損傷患者さんは、突然の変化をどう感じている?
・患者さんは、受傷直後から動けなくなることを予感している
●研究の方法
●発見:絶望感を感じるものの、「生きようとする力」ももっている
・受傷直後は生きている価値を見いだせず、「死にたい」と考える
1)「生きようとする力」を失わせている要因
2)「生きようとする力」を引き出している要因

【第30回】頸髄損傷発症初期に必要なケア:患者の生きようとする力を支援

〈目次〉
●患者さんの「生きようとする力」を信じ、それを支える看護を行う
●ケアのポイント
・「生きようとする力」を失わせている要因に対する看護
①障害の回復が困難であることの自覚
②身体的苦痛
・「生きようとする力」を引き出している要因に対する看護
①食事
②睡眠
③視界が広がる
④自分でできる
⑤家族や看護師の生きようとしてほしいとの思いを感じる

【第31回】小児がん患者のレジリエンス:病気体験を乗り越える力とは?

〈目次〉
●小児がん患者さんはどのように病気に適応している?
・病気体験を必ずしもつらいものと捉えていない
●研究の方法
●発見:病気体験を自分の人生の一部として取り込んでいる
1)スイッチを切り替えるプロセス
2)治療を乗り越える自信をつけるプロセス
3)自分の人生に病気を取り込むプロセス

【第32回】小児がん患者のレジリエンスを支えるケア

〈目次〉
●患者さんが主体性をもって治療を乗り越えていけるよう、環境を調整する
●ケアのポイント
・小児がん患者の適応に向けたケア
1)入院環境における居場所づくり
2)病名等の告知におけるサポート
3)退院後の生活への適応の促進

【第33回】家族性大腸腺腫症の排泄障害:患者の対処法習得プロセスは?

〈目次〉
●家族性大腸腺腫症患者さんの排泄障害への対処法は?
・排便回数や個人差が大きいため、個人に即した介入を行う
●研究の方法
●発見:親の症状体験の記憶をもとにしつつ、対処方法を確立
・大腸全摘術後の家族性腫瘍患者さんが排泄障害への対処方法を獲得するプロセス
1)親と自分の症状体験を比べ、 独自の対処方法を創り出す
2)社会復帰の手がかり発見により、独自の対処方法が確立

【第34回】家族性大腸腺腫症の排泄障害:患者の自立的な対処を支えるケア

〈目次〉
●親の体験も踏まえて、独自の対処をできるように支援
●ケアのポイント
・大腸全摘術後の家族性大腸腺腫症患者さんに対するケア
Step1:対処方法を導き出す支援
Step2:対処方法の指標作成を促す支援
Step3:独自の対処方法への転換を支える支援
Step4:社会復帰のイメージ化を促しながら柔軟な対処方法を導き出す支援
・社会復帰も見越した4つのステップでケアを行う
Step1:次世代が排泄障害は乗り越えられるというイメージをもてるよう、対処方法を導き出す
Step2:親の体験を想起する機会など、対処方法の手がかりをつくる
Step3:独自の対処方法に転換していくプロセスを支える
Step4:社会復帰のイメージ化を促しながら、無理のない重心な対処方法を導き出す

【第35回】降圧安静治療を受ける急性大動脈解離患者の心理とは?

〈目次〉
●急性大動脈解離患者さんの、降圧安静治療時の体験は?
・患者さんにとって安静の遵守は意外に難しい
●研究の方法
●発見:安静指示に従えていても、困惑している場合がある
1)病状説明を記憶している場合と、記憶していない場合がある
2)CCUでの体験は4つのパターンにわかれる

【第36回】降圧安静治療を受ける急性大動脈解離患者に必要なケア

〈目次〉
●安静の必要性を理解し、安静を保持できるようにする
●ケアのポイント
●大動脈解離患者さんに対して行いたいケア
①情報提供
1)順序立てて段階を踏んで、病状などの説明を行う
2)患者さんの心理状態や病態に合わせて、タイミングを見きわめ情報を提供する
②心理面や環境の整備
1)安静による身体への負担がかからないようにし、動いてよい範囲を実際に示す
2)家族とともに、精神的なサポートを行う
3)療養環境を整える

【第37回】インスリン療法に抵抗を感じる理由は?患者の不安を調査

〈目次〉
インスリン療法中の患者さんは治療を正しく理解している?
・心理的抵抗により、治療が遅れてしまうことがある
●研究の方法
●発見:正しい知識によって、心理的抵抗を緩和
1)糖尿病の罹患者・非罹患者にかかわらず同じ心理的抵抗を感じている
2)インスリン療法を行っていないと、 正しい知識の獲得は難しい
3)心理的抵抗と負の相関のあった知識を提供することが重要

【第38回】インスリン療法への心理的抵抗を和らげるには?患者支援のポイント

〈目次〉
●正しい知識を得られる場を設け、治療の肯定的な面を振り返ることができるようにする
●ケアのポイント
・インスリン導入の予定がなくても、インスリン療法の知識を早期から伝える
1)正しい知識の普及のために、 糖尿病教室や患者会を活用する
2)インスリン療法に対して患者さんがネガティブな印象をもたないようにする
3)インスリン療法の効果や肯定的体験を患者さんとともに振り返る

【第39回】下降期のがん患者がもつ「生きようとする力」とその心理とは?

〈目次〉
●下降期を生きるがん患者さんにとって、「自己の回復」とは?
・身体機能の回復が見込めない場合も、患者さんは生きようとする潜在力を示す
●研究の方法
●発見:患者さんは現実の厳しさを認知するからこそ、自分にとって意味ある在り方を見出していく
・他者との関係性の不安が、患者さんの在り方に影響

【第40回】下降期のがん患者さんに実践したい5つのケア

〈目次〉
●病状が悪化する時期を生きる患者さんにとってのセルフケアとは何かを考えて支援
●ケアのポイント
・安定した関係性のなかで安らぎを得るための方法を見つけられる
・患者さんの「自己の回復」に着目したときの 5 つのケアと具体的な方法
①身体状態の悪化や他者とのかかわりによって揺らぐ患者さんの体験を理解することに専心する
②症状マネジメントが困難な患者さんのセルフケアを支え、見守る
③患者さんのライフストーリーを共有する過程で、 患者さんの意向を推察する
④人的環境やタイミングを調整しながら、 患者さんにとって心地よいケアを展開する
⑤患者さんの人生や家庭・社会での役割を踏まえた在り方が意識される瞬間を捉える

【第41回】冠動脈インターベンション(PCI)後に心臓病の自覚はどう変化する?

〈目次〉
●PCI後の患者さんは退院後に心臓病のことをどう捉えている?
●研究の方法
●発見:PCI後、「心臓病であることの意識」が薄れない患者さんと、薄れてしまう患者さんがいる
1)入院時から退院時までの共通した患者さんのプロセス
2)外来通院中も「心臓病であることの意識」が薄れない患者さんのプロセス
3)外来通院中に「心臓病であることの意識」が薄れてしまう患者さんのプロセス

【第42回】冠動脈インターベンション(PCI)後の患者の療養行動を支えるケア

〈目次〉
●「心臓病であることの意識」をもち、療養行動を継続できるように支援
●ケアのポイント
・治療による安心感や症状が消失したことなどが「心臓病であることの意識」を薄れさせる
1)「心臓病であることの意識」を確認する
2)心臓病であることを再認識できるように支援を継続的に行う
3)「心臓病であることの意識」の継続と、療養行動に対する支援を行う
4)急性期から慢性期にわたって継続的な支援を行う

【第43回】片麻痺患者が転倒リスクのある動作を行う理由は?回復期の行動心理

〈目次〉
●回復期の片麻痺患者さんはなぜ、障害たしかめ体験を行う?
●研究の方法
●発見:障害たしかめ体験で転倒したり成功することで、移動動作を再構築している
・障害たしかめ体験を行う片麻痺患者さんの思考プロセス
1)【繰り返す】カテゴリーにて障害たしかめ体験複数回行い、【成功】につながった例
2)障害たしかめ体験を再度実行できず【停滞】した事例

【第44回】回復期片麻痺患者の行動心理から読み解く転倒予防のポイント

〈目次〉
●患者さんが障害たしかめ体験を行うことに理解を示し、援助する
●ケアのポイント
・転倒予防の第1歩として、障害たしかめ体験は回復期の自然な欲求だと知る
・障害たしかめ体験を行う片麻痺患者さんへのケア
・障害たしかめ体験を安全に試せる機会をつくる
1)障害たしかめ体験は、 片麻痺の身体を理解していく過程に不可欠
2)障害たしかめ体験を安全に実行できる環境を整える

【第45回】がん疼痛が進行肺がん患者に与える情動的影響とは?

〈目次〉
●がん疼痛のある進行肺がん患者さんの情動体験は?
・痛みにより引き起こされた不眠や不安が互いに増幅して痛みの悪循環に
●研究の方法
●発見:がんの進行や死を意識しながらも、自己コントロール力を発揮し新たな希望を見いだす
・患者さんの疼痛による情動体験は6つに分けられる
1)痛みを緩和するために自己コントロール力を発揮して、心身の回復感を得ている
2)社会で生きつづけようと、自分なりの療養生活に取り組んでいる

【第46回】がん疼痛のある進行肺がん患者の希望に寄り添うケア

〈目次〉
●自律した存在として生活を送りたいという患者さんの願いを支えるケアを行う
●ケアのポイント
・患者さんの回復意欲を促進し、希望のなかで実現可能なものを考える
①がん疼痛の体験をありのまま語る機会をつくる
②回復への期待感を高めて回復意欲を促すケアを行う
③自律的存在として社会で生きることを支えるケアを行う

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