理由があって医師がオーダーしている画像検査。でも、医師は何を想定してどこをポイントとして見ているのでしょう。画像検査は看護にはどう役立つ?臨床場面でナースがとりたい画像からの情報をわかりやすく解説する連載です。
【第1回】医師が画像検査をオーダーする目的は?
〈目次〉
●医師が画像検査をオーダーする理由
・問診・フィジカルアセスメントに加えて、“画像も見ておくとよい場面”もある
【第2回】自然気胸を疑う場合のアセスメントと画像を見るポイント
〈目次〉
●自然気胸は典型的な症状がそろいにくい
●自然気胸は肺の虚脱状態をみる
・自然気胸を疑う際のアセスメントのキーワード(打診、皮下気腫、鼓音、緊張性気胸)
・画像での着目ポイント
【第3回】胸部X線による自然気胸の鑑別(立位・座位)
〈目次〉
●自然気胸を疑って、「肺がどの程度虚脱しているか」を見ている
●自然気胸を疑って「重症度」を見ている
●自然気胸を疑って主に「最大呼気時の肺」を見ている
●立位・座位の場合:鎖骨付近に所見が出やすい
【第4回】胸部X線による自然気胸の鑑別(臥位)
〈目次〉
●自然気胸を疑って「どの程度空気が貯留しているか」を見ている
●自然気胸を疑って 「空気の貯留」を立体的に見ている
●臥位の場合:腹側に溜まる空気をCTでも把握している
●ケアに生かせるポイント
・X線撮影時の患者さんの条件を統一する
・皮下気腫の増悪徴候に注意する
【第5回】自然気胸の治療のため留置した胸腔ドレーンを画像で見るポイント
〈目次〉
●胸腔ドレーンの不適切な留置を疑って、「胸腔ドレーン尖端の向き」を見ている
・胸腔ドレーンの適切な留置をX線で確認する
【第6回】皮下気腫や出血性ショックに注意!自然気胸と胸腔ドレナージ管理での画像を見るポイント
〈目次〉
●皮下気腫を疑って「線状の陰影」などを画像で見ている
・留置の確認とあわせて、皮下気腫がないかを見ている
・いつエアーリークが出ているのかを確認する
・血性の排液が続くときは出血性ショックに注意
・胸痛や咳があるときは経過観察を怠らない
【第7回】人工呼吸管理中での画像を見る際の前提となる知識
〈目次〉
●人工呼吸器管理中の重症患者の胸部X線検査を行う際の前提となる知識
・どんなときに胸部X線検査を行う?
・胸部X線検査・撮影時には何を注意している?
・画像での着目ポイント
【第8回】人工呼吸管理中の画像検査での留置された医療デバイスの確認
〈目次〉
●合併症を疑って「気管チューブが適切な位置にあるか」を見ている
・気管チューブの位置
・気管チューブの変形、カフの移動に注意
・他のデバイス類の位置もチェックしよう
・各種デバイスの適正位置(気管チューブ、経鼻胃管、中心静脈ライン、肺動脈カテーテル、IABP、ECMO脱血用カテーテル)
【第9回】DOPEとは?人工呼吸管理中の画像検査でのチューブの位置確認
〈目次〉
●肺炎で人工呼吸器管理中の70代男性の症例
・DOPEの評価
【第10回】心不全・肺水腫を胸部X線画像で見るポイント
〈目次〉
●心不全・肺水腫患者で「血管陰影の増強」などを見ている
・急性心筋梗塞により左心不全・心原性肺水腫をきたした症例
・左心不全・心原性肺水腫のメカニズム
・左心不全・心原性肺水腫の画像上の特徴
【第11回】ARDSを胸部X線画像で見るポイント
〈目次〉
●ARDSの患者で「X線やCTの浸潤影」を見ている
・X線やCTの浸潤影を見る
・治療に伴う画像の確認
【第12回】VAPを胸部X線画像で見るポイント
〈目次〉
●人工呼吸器関連肺炎(VAP)を疑って「異常陰影」を見ている
【第13回】気胸(緊張性気胸)を画像で見るポイント
〈目次〉
●気胸を疑って「臓側胸膜と深い切れ込み(Deep Sulcus Sign)」を見ている
【第14回】胸水を胸部X線画像で見るポイント
〈目次〉
●胸水を疑って「肺野全体と肋骨横隔膜角」を見ている!
【第15回】術直後での画像の見る際の前提となる知識
〈目次〉
●手術終了時に手術室で行う主な検査画像とその目的
・胸部X線検査
・腹部X線検査
・頭部X線検査
・患肢X線検査
・画像での着目ポイント
【第16回】気管チューブ先端の位置を胸部X線画像で確認するポイント
〈目次〉
●深すぎる挿管を疑って「気管チューブ先端の位置」を見ている
【第17回】胸部への空気の貯留を画像で見るポイント
〈目次〉
●気胸を疑って「胸部に空気が貯留していないか」を見ている
【第18回】異物残留の確認で術部付近を画像で見るポイント
〈目次〉
●異物残留を疑って「術部付近」を見ている
【第19回】術後管理での画像の見る際の前提となる知識
〈目次〉
●術後管理で行う画像検査とその目的
・胸部X線検査
・腹部X線検査
・患肢X線検査(整形外科領域)
・エコー検査
・胸部CT検査
・腹部CT検査
・患肢CT検査(整形外科領域)
・頭部CT検査
・画像での着目ポイント
【第20回】肺水腫を術後管理での画像で見るポイント
〈目次〉
●肺水腫を疑って「両肺野に浸潤影がないか」を見ている
・聴診と SpO2のモニタリング
・頸静脈が怒張してないか
【第21回】無気肺を術後管理での画像で見るポイント
〈目次〉
●無気肺を疑って「空気が正常に肺に入っているか」を見ている
【第22回】胸水を術後管理での画像で見て原因を探る
〈目次〉
●胸水のCT画像と胸水が溜まるメカニズム
①胸水の産生が増える
②胸水の吸収が減る
③乳び胸
・腹部の炎症回復とともに胸水が消失する
・黄疸があれば術後肝不全の場合も
・胸水が心不全のサインになることも
【第23回】腸閉塞を術後管理の画像で鑑別するポイント
〈目次〉
●腸閉塞を疑って「ニボー像などのサイン」がないかを見ている
【第24回】整形外科領域の術後検査の画像を見るポイント
〈目次〉
●術部の異常を疑って「整復位やインプラントの経過」を見ている
【第25回】肺塞栓を術後管理での画像で鑑別するポイント
〈目次〉
●肺塞栓を疑って「肺動脈」を見ている
・肺塞栓の予防方法
・疑ったら一刻も早く医師に報告
【第26回】術部の感染を術後管理での画像で見るポイント
〈目次〉
●術部の感染を疑って「膿瘍」を探している
【第27回】開頭・穿頭術後の経過不良を画像で確認するポイント
〈目次〉
●術後の経過不良を疑って 血腫や浮腫がないか見ている
・注意したい瞳孔所見
【第28回】転倒・転落での画像の見る際の前提となる知識
〈目次〉
●転倒・転落で多いのは頭部外傷
・CT検査で出血は白く映る
・CT検査での中枢神経系の見え方
・画像での着目ポイント
【第29回】頭部打撲後に嘔吐がある場合の頭部CT画像を見るポイント
〈目次〉
●外傷性くも膜下出血や脳挫傷を疑って「打撲部などに出血がないか」見ている
・画像での着目ポイント
【第30回】急性硬膜外血腫を疑って画像を見る際のポイント
〈目次〉
●急性硬膜外血腫を疑って「打撲部に凸レンズ型の血腫」がないか見ている
・画像での着目ポイント
【第31回】急性硬膜下血腫を疑って画像の見る際のポイント
〈目次〉
●急性硬膜下血腫を疑って「打撲部に三日月様の血腫」がないか見ている
【第32回】胸痛・呼吸困難での画像を見る際の前提となる知識
〈目次〉
●胸痛・呼吸困難で注意する疾患はそれほど多くない
●この項目での着目ポイント
【第33回】肺炎を疑って胸痛・呼吸困難での画像を見るポイント
〈目次〉
●肺炎を疑って「肺胞に滲出液がないか」見ている!
【第34回】急性冠症候群を疑って胸痛・呼吸困難での画像を見るポイント
〈目次〉
●急性冠症候群を疑って 、担当医に病歴を伝えて診察を依頼し、「12誘導心電図」を見てもらう
【第35回】急性心不全を疑って胸痛・呼吸困難での画像を見るポイント
〈目次〉
●急性心不全・肺水腫を疑って、白い異常所見がないか見ている
・高齢、高血圧、心臓の持病などがハイリスク要因
【第36回】肺塞栓症を疑って胸痛・呼吸困難での画像を見るポイント
〈目次〉
●肺塞栓症を疑って、肺動脈に血栓がないか見ている
【第37回】慢性閉塞性肺疾患(COPD)の経過を画像で見るポイント
〈目次〉
●慢性閉塞性肺疾患の患者で、肺炎や気胸がないか見ている
【第38回】間質性肺炎の急性増悪を画像で見るポイント
〈目次〉
●間質性肺炎の患者で、すりガラス陰影がないか見ている
【第39回】意識障害の患者での画像を見る際の前提となる知識
〈目次〉
●意識障害+「ABC」の異常があると危険
・「ABC」を常に確認しながら原因検索
・この項目での着目ポイント
【第40回】認知の障害がある患者で大脳皮質の出血を画像で見るポイント
〈目次〉
●認知の障害がある患者で、大脳皮質に出血がないか見ている
・大脳皮質の障害=「認知」の障害
・急な悪化のリスクは低い
【第41回】覚醒の障害がある患者で脳幹出血を画像で見るポイント
〈目次〉
●覚醒の障害がある患者で、脳幹に出血がないか見ている!
・瞳孔の縮瞳、四肢麻痺などがサインに
・橋出血を疑う所見
【第42回】脳ヘルニアを疑って画像を見るポイント
〈目次〉
●「脳ヘルニア」とは?
●脳ヘルニアを疑って、midline shiftがないか見ている!
・脳幹以外の出血でも注意
・脳ヘルニアの徴候「midline shift」
・嘔吐、クッシング徴候が出現
【第43回】頭部外傷患者の急変でmidline shiftを画像で見るポイント
〈目次〉
●頭部外傷患者の急変で、midline shiftがないか見ている!
・気道・呼吸・循環の異常がないか観察する
・日ごろから患者・家族の情報を共有する
・ケアにはその人の人生観や人となり、背景が大切
【第44回】背部痛の患者での画像を見る際の前提となる知識
〈目次〉
●急変する背部痛は主に「急性大動脈解離」「肺塞栓」
・この項目での着目ポイント
【第45回】急性大動脈解離を疑って背部痛患者での画像を見るポイント
〈目次〉
●急性大動脈解離を疑って、大動脈径の拡大や偽腔がないか見ている
・急性大動脈解離の特徴
・急性大動脈解離の画像所見
・「患部がどこの血管か」で症状が異なる
・緊急性はないが激痛、「尿管結石」
【第46回】肺塞栓症を疑って背部痛患者での画像を見るポイント
〈目次〉
●肺塞栓症を疑って、肺動脈内に血栓がないか見ている
・肺塞栓症の特徴
・肺塞栓症の画像所見
・下肢の浮腫が血栓改善の指標に
・深部静脈血栓症の主な危険因子
・治療中は出血と筋力低下に注意
【第47回】腹痛の患者での画像を見る際の前提となる知識
〈目次〉
●腹痛の部位から考えられる鑑別疾患の例
●腹痛は痛みの程度ではなく「患者背景」から鑑別
●自発痛と別の場所に圧痛があるか確認する
●腹痛ではまず急性心筋梗塞を考える
・この項目での着目ポイント
【第48回】腸閉塞を疑って腹痛患者での画像を見るポイント
〈目次〉
●腸閉塞を疑って、小腸の異常所見や閉塞部位がないか見ている
・小腸の異常所見「ケルクリングひだ」「ニボー(鏡面像)」
・腸炎との鑑別:閉塞部位があるかどうか
【第49回】腸管穿孔を疑って腹痛患者での画像を見るポイント
〈目次〉
●腸管穿孔を疑って、フリー・エアーがないか見ている
・腸管への血管がつまると穿孔の恐れ
・画像検査では「フリー・エアー」(黒色)を探す
【第50回】S状結腸軸捻転を疑って腹痛患者での画像を見るポイント
〈目次〉
●S状結腸軸捻転を疑って、結腸の異常を見ている
・コーヒービーン・サインがあれば状結腸軸捻転
【第52回】腹部大動脈瘤破裂を疑って腹痛患者での画像を見るポイント
〈目次〉
●腹部大動脈瘤破裂を疑って、血腫付近を見ている
・腹水所見と腹部大動脈瘤があれば腹部大動脈瘤(切迫)破裂を疑う
・出血性ショックを見逃さない
・心配する家族への対応も考慮する
【第53回】胆嚢炎・胆管炎、急性膵炎を鑑別するポイント
〈目次〉
●画像での胆嚢炎・胆管炎の鑑別
●画像での急性膵炎の鑑別
【最終回】異所性妊娠破裂、上腸間膜動脈塞栓症を鑑別するポイント
〈目次〉
●異所性妊娠破裂
・上腸間膜動脈塞栓症